第29話 デンバー
翌日放課後。
「次は田所さんか藤原さんか、どちらかですかね」と僕が言う。
「それもいいが、デンバーの正体を確かめないか?」と推川さん。
「デンバーですか」
「一体何者で、愛美さんとどう関わりがあるか気になるだろ?」
「そうですね。鍵は細川さんですか」
「まあそうだな。ところで電灯。デンバーの顔はわかるか?」
「う~んちょっと時間くれ。当時の街掲示板をもう1度漁ってみるよ」と電灯さん。
「ではその間、藤原さんとどう会うか考えるか。田所さんは家に行けば会えるだろう。しかし藤原さんは前回猛烈に拒否されたからな」と推川さん。
「後は会って何を聞くかです。出来る事ならピンポイントで質問したいですね」と僕が言う。
「会う方法と質問か。前みたいに警察呼ぶぞと言われるとなあ。……いっそ呼んでもらうか?こっちは母親のことを聞きに来ただけだし。家じゃないところで会えば」
「そうします?うちらは警察呼ばれても困りませんよね。未成年が母親のことを聞きにきたなら呼ばれても犯罪ではないですものね」と僕が言う。
「見つけたよ」電灯さんが椅子を回しながら言った。
「はやっ」と僕が言う。
「掲示板でデンバーと会ってた人の個人日記サイトに顔写真があった」
みんなで見てみる。
30歳ぐらいのイケメンだ。
そしていかにも遊び慣れていそうだった。
「でもこれ15年前の写真ですよね?」
「そんなの簡単だよ」と言ってパソコンを操作する。
見ると顔予測サイトというのを開いて、画像をドラッグした。
するとAIで加齢予測して、推定45歳の顔に。
「あっ!」見上さんが声をあげる。
「どうした見上」と推川さん。
「この人、細川さんの呟きサイトで見た」
電灯さんが呟きサイトを開く。
「顔の目線を隠してある画像」と見上さん
電灯さんがいくつか見つける。
「この人。ああ、ほくろの位置が一緒だね」と見上さん。
「これは細川さんの夫だね」と電灯さん。
デンバーの正体は細川さんの夫であった。
だから細川さんはいきなり夫のことが話題に出て動揺したのだろう。
「愛美さんとの接点はあったが、重要人物ではなさそうだな」と推川さん。
我妻さんもどこかかホッとしたようだ。
「ではデンバーは関係ないってことでいいですかね」と僕が言う。
「そうだな。強いて言えば愛美さんとメールアドレスを交換したぐらいか」と推川さん
「でもこれで1つ疑問が解けましたね」
「では次は田所さんかな」と推川さん。
田所さんは当初協力的だと思ってた。
しかし隠し事などもあり、今や信頼を置けない人物になっている。
心してかからねばと思うのであった。




