第22話 文化祭
翌日の放課後、僕と我妻さんは部室に行った。
電灯さんが動画を観ながら笑っている。
「電灯さん珍しいですね」と僕が声をかけると
「たまにはね。別に僕は調べものばかりしてる訳じゃないからね。動画も観るし、Live配信も観るよ」
電灯さんは昨日、15年近く前のこの学校の文化祭で起きた出来事を調べると言っていたけど、急かすことも悪いと思った。
たまには息抜きも必要だろう。
我妻さんも仕方がないといった顔をしている。
「何2人ともがっかりしたような顔をしてるの。文化祭なら調べ終わってるよ」
「えっこんなに早く?」と僕は驚いた。
「まさか僕が捜査もしないで、さぼっていると思った?」
「そういうわけではないですけど」
「すぐに個人日記サイトを見つけたよ。例の他校の男子生徒たちのね。2人の日記が見つかったよ」
「流石電灯さん」
ちらりと横を見ると推川さんがあくびをしながら、推理小説を読んでいる。
「電灯さん見せて下さい」と我妻さん。
「あいよ」
僕と我妻さんがパソコンを覗き込む。
同時に覗き込んだので、僕と我妻さんの距離が一気に近くなった。
僕はドキリとした。
我妻さんは構わずパソコン画面を見ている。
僕も集中して画面を見た。
◆◆◆
〇月×日
○○高校の文化祭に4人で来た。
他校の文化祭って緊張するなあ。
内容はうちの学校とそう変わんないな。
一通り見たけど、知らない生徒ばかりだからか、あまり面白くない。
茶でも飲んで帰ろうという話になった。
喫茶店をやってるクラスがあったので、入ることにした。
そこで俺らは運命を感じた。
店員がかわいい。
制服にエプロンつけただけだけど、めっちゃかわいい。
俺らは店員をずっと目で追っている。
注文を聞きに来たので、みんなで慌てて注文をした。
その後に、声をかけるかけないの話になったが、結局みんなで店員に声をかけた。
最初は雰囲気がいいですねとか、なんか楽しそうに接客してますねとかそんな感じだった。
その後は向こうも何人かこちらに集まってきて、個人的な質問に変わっていった。
盛り上がっていったので、思い切って今度みんなで会わないかと言った。
流石に少し悩んでいるようだった。
連絡先を教えて帰ることになった。
どうか連絡来ますように。
◆◆◆
〇月×日
○○高校の文化祭にやってきた。
男4人で他校の文化祭にやってきた。
適当にみて回ったがあまり面白くなかったな。
ただ最後に行った喫茶店はかわいい子がいたのでテンションが上がった。
誰でもいいから付き合いてぇ~
◆◆◆
僕と我妻さんは2人の個人日記サイトを見た。
僕は電灯さんに聞く。
「その後どうなったんですか?」
最初の方の人が続きを書いてるよ。
そういうとその人の個人日記サイトの日付を変えた。
◆◆◆
以前行った文化祭で連絡先を渡したんだが、今日連絡が来た。
聞いたらみんなこっちに来れないとのこと。
しきりに謝っていた。
連絡をくれたので、お礼を言ったが、その人は私だけでもよければ俺に会いたいと言ってきた。
もちろんOKをした。
今度会うことにした。
やったああああああああああああああああああああああ
◆◆◆
「誰かが他校の男子に会ったんですね」と僕が言う。
「誰なんでしょう」と我妻さん。
答えはこの人の呟きサイトにあった。
「彼氏が出来ました。しばらくこのサイトから離れます。ごめんなさい」
金沢さんの呟きサイトだ。
「金沢さんが他校の男子と付き合い始めたんですね」と僕が言う。
「そうなるね。ちなみに、その後金沢さんは呟きサイトに1度も書き込んでいない」と電灯さん
我妻さんを見るとどこかホッとしてるようだ。
「どうやらこの件には愛美さんは関係ないようですね」
「そうなるね」
「私は最初から無関係だと思っていたよ」と本を閉じながら推川さんが言う。
「本当ですか?」と僕が聞くと
「もちろんだ。論理的に考えればわかること」
「まあいいですけどね」
「ただちょうどいい機会だ。愛美さんの交友関係の人物についても、もう1度調べてみようじゃないか」と推川さんが言ったのである。




