第2話 ミステリー研究会
「あなたは我妻さんですよね」
「はい我妻向日葵です」
「どのような依頼ですか?」
「母の死の真相を知りたい」
「えっ?お母様の死の?」
「はいそうです」
「ここじゃ落ち着かないですね。ミステリー研究会で話を聞きます」
ミステリー研究会の部室に入ると、3人の生徒がいた。
文庫本を読んでる生徒がこちらを向き「進倉遅いぞ」
「ちょっといろいろありまして」
「そちらは入部希望者かな?」
「いいえ。依頼者です。お母様の死の真相を知りたいと」と僕が言った。
すると3人が「死の真相だと」と驚いてこちらを見る。
「まずはみなさん落ち着いて下さい。こちらは我妻向日葵さん。依頼者です」
「はじめまして。我妻です」
「本を読んでいる男子生徒が顔を上げた。
「推川だ」
その隣で、キョロキョロと周囲を見ている女子生徒が手を上げる。
「見上です」
パソコンをいじっていた男子生徒が軽く手を振った。
「電灯」
「何が起きたか、順番に教えてください」と推川さんが言った。
「私の母親の愛美はこの学校の生徒でした。そして17歳で私を産み、その翌年18歳のときに屋上から飛び降りました。警察は屋上に鍵がかかっていたので自殺と処理をしました。でも私は、母のメモ用紙をみたのです。それにはとても身投げするようなことは書いてなくて。だからどうしても信じられないんです。私は真実が知りたい」
「これだね」と電灯がパソコンを指さす。
全員でパソコンを見る。
そこには、14年と少し前に都内の学校で飛び降り自殺があったという記事が書いてあった。
「なるほど。それであなたはこれまで何かしましたか?」と推川さんが聞く。
我妻さんは屋上に行こうとしたが、許可が出なかった。
落下地点も調べたが、手がかりはなかったそうだ。
先生たちは誰もよく知らないと言った。
当時の担任の先生は、教師を辞めて引越しをしており、連絡がつかない。
その他、事務員にも聞いてみたが知らない。
以上を話してくれた。
「なるほど、八方塞がりだね」と推川さん
「そうですか……」と我妻さん。
「ちょっと現場に案内してください」と僕が言った。
「わかりました」我妻さんが言い、みんなで現場に行ってみることにした。
ごく普通の芝生の地面。
見上げると、屋上の手すりがわずかに見える。
「推川さん、どうです?」と僕が聞くと
「う~ん、このあたりなのだろうか。そうだとしても……」
「つまり?」
「昔のことすぎて」と推川さん。
見上さんは校舎の外周をぐるりと歩いている。
電灯さんはスマホを構えたまま撮影していた。
その後、みんなで部室に戻った。
収穫はなかった。
まあ当然である。
しばらくすると「見つけた!」と電灯さん。
「何かわかりました?」と僕が聞くと、
「母親の同級生の呟きサイト」
「本当ですか?」と我妻さん
「当時の様子が書かれてるね」
僕と、我妻さんと推川さんと見上さんで見てみた。
「特定完了~!」電灯さんが椅子を回しながら言った。
「何がです」と僕が聞く。
「さっきの呟きを書いた人」
「本当ですか。誰ですか」と我妻さん。
「ジャージに名前が書いてあった。田所って名前だ」
「すごい」と我妻さん
推川さんが、かなり不満顔だ。
その後電灯さんは見上さんを呼び、2人で画像の場所を特定していく。
電灯さんが画像を探し、見上さんのチェックが入る。
見上さんは家を特定してしまった。
「ふむ。ではその田所さんの家に行こうか」と推川さんが言う。
「はい。行きましょう」我妻さんの顔が明るくなった。




