第13話 小杉さん
「僕が行ったってすることはないからね。残って調べものをするよ」ジュース片手に電灯さんが言う。
電灯さんを除く4人で菊名に向かった。
目的のマンションに着いた。
郵便受けから名前を探す。
小杉の名前があった。
正直、また引っ越されてたらお手上げなのでホッとした。
オートロックなので部屋番号を押す。
しばらくすると「はい」と女性の声がした。
「私たち○○高校の生徒ですが、小杉さんにお聞きしたいことがありまして」と僕が言う。
「○○高校の生徒が何の用?」
「私我妻向日葵と言います。愛美の娘です。母のことで」と我妻さん。
ガチャリとインターホンを向こうが切った。
「まずいですね。向こうは会話する気がないみたいです」と僕が言う。
再び番号を押すが向こうは無視している。
すると推川さんが外に出て「我々は渡辺の現在を知っている!」と大きな声を出した。
推川さんが戻ってきて部屋番号を押すと「入って」と言ってドアのロックが外れた。
小杉さんの部屋の前に行き、チャイムを鳴らすと女性が出てきた。
僕らを一通り見た後、我妻さんを睨んでいる。
「とりあえず入って」
そう言って僕たちを部屋に入れてくれた。
「適当に座って」と小杉さんは言う。
そして「渡辺君は今どうしてるの?」
「今は働いておらず、アパートで一人暮らしだ」と推川さん。
「住所は?」
「こちらは愛美さんのことを知りたい。話してくれたら教える」
「あいつは渡辺くんをふった。それが許せなかった」
「愛美さんはどんな人だ?」と推川さん。
「外面が良い八方美人。他人に興味を持たないやつ。そのくせ思わせぶりなこともしたりする」
「あなたは愛美さんを嫌っていた?」
「もちろん。当然でしょ」
「他になにかあるか?」
「特にないね。もういいでしょ。住所を」
「小早川先生については?」
「別に何も知らない」
「田所さん、金沢さん、細川さん、藤原さんについては?」
「そいつらも何も知らない」
「何か隠してますね」と見上さんが割って入ってきた。
「隠してないよ」
「いえ、挙動がおかしいです」
「小早川と田所はなんか怪しかった。それだけだよ」
「えっ田所さんが?」と僕が驚いた。
「2人で会ってるのを何回か見た。これで私の知ってることは全部だ」
推川さんがメモ書きを小杉さんに渡した。
「約束だからな。ただし押しかけたりするなよ」
「わかってるよ。じゃあ帰って」
僕らは小杉さんの部屋を出た。
外に出た瞬間僕は「田所さんが小早川先生と会っていたとは驚きです」と言った。
「本人はそのことを話さなかったな」と推川さん。
「どういうことでしょうか」と我妻さん。
「田所さんも信用できないってことだ」と推川さん
「そんなあ……」と我妻さん
「何か隠してるとは思ってたけど」と見上さん。
「愛美さんのことを聞きに来たのに、別の大きな情報がわかりましたね」と僕が言う。
「そうだな。とりあえず帰ろう」と推川さんが言った。




