↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/46

勝手にコラボ配信に出演させられる事が決定してる僕。今回は特別です(2)

どうしてアンジュと遭遇しちゃうかねぇ

「タイミングが分からない……」


 渋々ながら瑞樹さん────もとい、水越みかの要望に応えた僕は些細な問題に直面していた。Vtuberだったら悩む事ないしょうもない問題。問題と言っていいのかすら怪しい。僕が悩んでるのは入るタイミングなんだから。これじゃ言い方が悪かったね。簡単に言うとVtuber同士のコラボだったら何かしらのチャットツールで通話しながら配信するらしいし、UWОはVCアリだから時間と予定さえ合えばコラボは可能。もちろん、害悪Vtuberのアンジュとも。けど、流れっていうのは存在するもので、入るタイミング間違えたら大変だ


「お声が掛かるまで無言でPKしとけばいいか」


 僕はPCの電源を入れるとヘッドホンとマイクを接続する。配信者じゃないんだ、彼女達に気を使う必要など全くない。追われる優越感に浸るじゃないけど、ブジャルと話をしたり遊びたかったら捕まえてみろってね


「正体バレそう……」


 自宅の部屋だったらビクビクしなくてもいいんだろうけど、ここ瑞樹さんの家だからいつも以上に気を使わなきゃならない。アンジュの配信荒らしに行くわけじゃないからバレないとは思うけど、諸々考えるとバレそうで怖い。夕食の事を考えると特にね


「バレた時どうしようかな……」


 瑞樹さんがVtubeとして誰とどう繋がってるかが分からない。先週のアンジュ突撃の感じだと麻子さんとは繋がりがあると見て間違いない。とは言っても所詮はネットのみの繋がり。リアルにさえ影響してなきゃ恐れる事は何もない


「考えすぎか……」


 同じ家にVtubeがいてコラボを了承したせいか神経質になってた。万が一を考え出すとキリがない。僕は今までの考えを全て払拭し、コラボ配信に向けて準備を進めた



 全ての準備が整い、いざUWОにログイン。瑞樹さんが降り立つであろう地球の東京エリアに降り立った。コラボ配信の事を頭の片隅に置き、いつも通りPKに勤しむ。コラボを承諾しはしたけど、僕は配信者じゃない。時間を守る必要などないのさ


「用があればあっちから話しかけてくるでしょ」


 PKをしている最中、プレイヤー同士のどうでもいい会話が流れてくる。罵詈雑言を浴びせてるプレイヤーもいれば明らかにバカを演じているプレイヤーもいる。多種多様とはまさにこの事だ。そんな時だった


『女の子イジメて楽しいかよ!!』


 どこかで聞き覚えのある怒声が流れてきた


「アンジュ……」


 怒声の主は言うまでもなくアンジュ。彼女の汚い声を聞き間違えるわけがない。配信してるかどうかは今日だけは置いとくとして……


『女の子イジメんな!!』


 いつまでコイツは女の子だと言ってるつもりなんだろう? 噂じゃ彼女はいい歳のオバサン。歳は三十七歳だったかな? 真実は分からないけど、いい歳のオバサンが自分を女の子と言ってるのは痛々しい


「相変わらず痛いなぁ……」


 三十代は女の子と言うのには歳を取り過ぎている。十代か二十代前半だったら解からなくもないんだけど、三十代はちょっと……


「ミュートにしよ」


 今日だけはアンジュに構いたくない。僕のせいでコラボ配信が潰れたら申し訳ないし。アンジュをミュートに設定すると僕はそのまま適当にPKを続けた。オバサンさえ殺さなければ絡まれる事もない




 ………と思っていた自分を殴りたい。アンジュを甘く見ていた……。今回だけは瑞樹さんとの先約があるから手を出さないでいたのに彼女の方から攻撃を仕掛けてきた


「何で?」


 今日に限って言えば僕(・)か(・)ら(・)は(・)何もしていない。不意討ちはもちろん、VCで煽ったりもしていない。だというのになぜか砲撃された。僕の頭を疑問符が埋め尽くす。何もしてないのに砲撃される意味


「人にストーカーするなとか絡んでくるなとか言って自分は砲撃とか意味不明なんですけど……というか、イジメ集団から抜け出していたのか……」


 アンジュのゲームセンスを考慮するとイジメ集団の群れから逃れられるとは思えない。囲まれたら確実にキル取られる。キルされて指定の場所から再出撃したと言われたら納得できるけど、抜け出したとなると疑わしいものがある


「いちいち絡んでこないでほしいんだけどなぁ……」


 最初は僕から仕掛けたけど、いつの間にか僕を見る度にアンジュの方から絡んでくるようになった。仕掛けたのはたったの一度だけ。たかがゲームの不意討ちごときでいつまで根に持ってるのかは知らないけど、される方としては迷惑……じゃないか。オモチャが自分から寄って来てくれるし


「いい歳して本当に何してるんだか……」


 何かに熱中するのは悪い事じゃない。でも、執着しすぎるのもよくない。結局のところ程々にしとくのが一番いい。執着しすぎるとストレスにしかならないからね。だというのにアンジュのヤツは……呆れてものも言えない。あのオバサンから永久に執着されると思うと気が重くなる


「どうせ執着されるんだったらオバサンより同世代女子の方がよかった……」


 アンジュの容姿についてはまた今度話すけど、アレにストーカーされるくらいだったら同世代女子か瑞樹さんと同じ年回りの人にされたい。モテたいとかじゃなく、純粋に心から思う


「アンジュとなんか出会わなきゃよかった……」


 瑞樹さんからぶっつけ本番のコラボ話を聞かされたせいかアンジュと出会った事を心のそこから後悔する。しかも、後悔するタイミングがもうすぐコラボ直前とは……


「皮肉にしても笑えない……」


 今まではアンジュを嫌う同士はいれど、僕はソロでアンジュを狩っていた。だけど、甲谷達や麻子さん、瑞樹さんと僕のすぐ近くに配信者がいるって分かった今、どうしても最悪の事態を想定しなきゃならなくなってしまう。そう、アンジュが彼女達を始め、関係ない配信者の枠を荒らしに行くという可能性を


「狙いは僕だから万が一の時は……ネット上の関係を切ろう。巻き込めないしね」


 一つの決意を固め、僕はアンジュに一発入れるとすぐに離脱した




 アンジュから逃れ、宇宙エリアに来た僕はその場で機体を制止させ、一息つく。労力を要するゲームではないんだけど、キチガイの相手は思った以上に疲れる。VCを点けてると会話せずとも声聞いてるだけで疲労が溜まる


「アンジュのアカウント諸々凍結させた方がいいんじゃないかな?」


 SNSでは悪口と晒し行為、配信では暴言と悪口、愚痴と彼女がネットを使っていい事など何もない。全てのアカウントを凍結させた方が世の為、人の為、何よりアンジュ本人の為になるような気がしてならない。でも……


「凍結させたところで反省しなきゃ意味ないか」


 反省し、学習しなきゃ何の意味もない。アンジュはいい歳をして自分を客観視する事ができず、常に自分は被害者。話し合おうにも話し合いにならないのだ


「はぁ……」


 アンジュの愚かさに溜息しか出ない。噂じゃ祖母と同居しているらしいけど、その祖母が本当に存在するかどうか……もしかしたら祖母じゃなく、赤の他人かもしれないんだけど、僕に確かめる術はない。どこかのタイミングで出てきてもらうしかないのだ


「限界を超えた発狂……させなきゃダメか」


 アンジュは配信の度に発狂している。けど、配信時間が人間の活動する時間内の配信だから多少発狂したところで同居人は怒鳴り込んでこないだろう。だからこそいつも以上の発狂が必要だ。おっと、今はアンジュよりも瑞樹さんだ。彼女と美南海さんのコラボを優先させよう。今回の目標は瑞樹さんにブジャルの正体がバレないようにする事だ


「何とかするしかないか……」


 普通に遊ぶだけだったら心配する事は何一つない。けど、瑞樹さんには実害が出ている。彼女も美南海さんも楽しく配信してほしい。僕が守るしかない。正体がバレたらと考えると実生活には影響ないけど、配信には大きく影響を及ぼす可能性が出てくる


「アンジュ……頼むから大人しくしていてちょうだいよ」


 アンジュが大人しくしていてくれる事を祈りながら僕は宇宙エリアを適当に徘徊した





 宇宙エリアの徘徊を始めてから少しして────


「やばっ……ミュート解除忘れてた」


 僕はミュート解除を忘れていた事に気が付いた。一人でゲームする時は気分によってミュートしてたりしてなかったりとまちまちだからコラボの事すっかり忘れていた。ゲームに夢中で


「まぁ……うん。何とかなるでしょ」


 僕はプレイヤー一覧から水越みかの名前を探し当てるとすぐさま彼女のいるエリア────地球の北海道エリアへと向かった
























今回も最後まで読んでいただきありがとうございました

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。