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リュウ先生が二室へ調査依頼をしてから3日後、ルカ君とミカ君が調査報告のため三室を訪れた。
いつもながら、仕事が早すぎる。
天界の協力もあるのだろうけど、毎回詳細で正確な情報を持ち帰ってくる。
きっと、前の世界でも相当優秀な人材だったに違いない。
「こんにちはー、リュウ先生、ミサトおねえさん、いますかー。」
「・・・おじゃま・・・します。」
「ルカ君、ミカ君、いらっしゃい。待ってたよ。こちらにどうぞ。」
私は、2人を調剤室へと案内する。
「いつも無理言ってすまない。しかし、相変わらず仕事が早いな。」
「へへっ、まーね!それじゃあ、報告しまーす。」
ルカ君の説明が始まった。
ところどころでミカ君の訂正が入ったが、その内容はおおむねこんな感じだった。
王女様の件は、王家の複雑な事情が絡んでいた。
お嫁さん候補の王女様は、3番目の側室の子供であり、母親の身分も低いことから、王宮ではかなり不遇な扱いをされていた。
さらに、その母親は心身を病んで早くに亡くなってしまった。
魔王を倒すくらいの力のある勇者様を自由にしておきたくない王様が、自国に縛り付けるため、さらには自分に歯向かうことを防ぐため、王女と結婚させようとしているらしい。
勇者様の身分は、貴族ではなく平民である。
平民に嫁ぐのは、母親の身分も低く、お荷物扱いであった第三王女が適任だという理由だったらしい。
しかし、王女様を平民の身分に落とすのは醜聞が悪いということで、没落してしまったどこぞの貴族の領地を与え、爵位を与えることにしたとのことだった。
王都の街では、すでに勇者様と王女様の結婚の話は噂になっており、お祝いムードになっているとか。
王女様の母親は大変美しい踊り子だったらしく、その王女様も母親に似て、とても美しい方だそうだ。
王宮のドロドロした部分なんて、民衆は知る由もない。
そんな絵になる二人の結婚話は、まるで物語の世界である。
「って感じでーす。あ、勇者のおにーさんの彼女さんだけど、別の人と結婚させられるらしいよ!今は家から出られないみたい。」
「え、別の人と結婚?」
「うん!あの王様もなかなかやるよねー。大抵、エロジジィの後妻とかなんだけどさ。今回は、どっかの貴族の次男坊で、お婿さんにピッタリの人みたいだよ。ほら、商会もその貴族の家を足掛かりに、勢力拡大できるでしょー?そして、貴族の家がお金に困ったら、商会が助けてくれるでしょー?ウィンウィンだよねー。誠実な人で未婚の独身だったら、なおさら断りづらいよねー。」
「それはまた・・・よく考えられてるな。勇者を諦めてもらう代わりに、相応の人物を用意したのか。王は短絡的そうだが、優秀なブレーンがいるんだな。」
リュウ先生も感心している。
きっと、ラルドさんみたいな人がいるんだろう。
「これは・・・かなり外堀が埋められてるって感じですね。王女様も傲慢な方ではないみたいだし、彼女のお相手も誠実な方となると、かなり条件はいいですよね。」
「そうだな。最悪、彼女を愛人にしてもいいって言われてるようだったし、王宮としては王女を厄介払いできればそれでいいって感じか。」
「それもひどい話ですけどね。でも、愛する人と離れ離れになるのは事実なわけで・・・」
― ・・・難しい、難しすぎる!
こういう時には、いったんこの問題から離れて、リセットすることも必要だ!
というわけで、現実逃避のため、気になっていたことを質問してみた。
「2人とも、この短期間でよくここまで情報を集めてきたねー。いつもながら凄いよね。どうやって情報収集しているの?」
「えへへー、今回はね、侍女に変装して潜入捜査してみましたー。」
「・・・え?侍女って、メイドさんみたいな、侍女?」
「そうだよー。僕たち、そういうのも得意だから!ねー、ルカ。」
「う、うん・・・。でも、ちょっと恥ずかしかった・・・けど。」
― ルカ君とミカ君が・・・メイドさんの恰好で、女装して・・・。
おおおう、これは、かなり貴重なスチル絵では!!
あああ、この目で見てみたかった、残念。




