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ようこそ異世界転移センターへ  作者: カイ


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光の勇者君は、ドラゴン討伐より闇の勇者君に会うことを優先した。

彼は、今の状況を冷静に判断できていて、感情に任せて無謀な行動に出るようには感じられない。


「今いる場所で、我慢できなくなったらまずここに来なさい。彼のように一人で突っ走らないこと。それと、これまで通り定期的に面接は行いたいが、いいかな。」

「わかりました。あの・・・その際にまた実技のほうも指導してもらえますか。」

「いいよ。キャロル先生にはそう伝えておく。1か月に1回の面接に戻るが、必要があれば回数を増やす。遠慮せずに来るといいよ。」

「はい、ありがとうございます。よろしくお願いします。」

― 良かった、光の勇者君は、真っ直ぐ前を見ているようだ。

なら、私も私の仕事をしなくちゃ。


「私からもいいですか?」

「・・・なんでしょうか。」

― その微妙な間はなにかしら。

「これから、自分の生活管理は自分でやらないといけません。それも忘れないでくださいね。」

「・・・・あー、はい、ソウデスネ。」

― 途端にやる気なさそうな返事しなくてもいいじゃないの。

「三食食べて、しっかり睡眠をとる。そして、任務と訓練は遅刻しないように顔を出す。お休みするときにはきちんと上司に伝える。最後に・・・」

「あー、飴は1日3個まで、寝る前にこのお茶を飲めって言うんでしょう?はいはい、わかってます。」

― だ~か~ら~、『はい』が一つ余計だっての。

「わかっているなら、いいですけどね?これ、とりあえず1か月分ですから。ちゃんと量は守って食べてくださいね。」

私は、ドンと、飴の入った大きなビンを目の前に置いた。

「・・・・・・」


「今回は少し甘くしてもらいましたから。一度に食べ過ぎると太りますからね。」

「えー・・・、まじっすか。」

― だって、そうでもしないと、ゴハン代わりに食べちゃうでしょ!

「食べ過ぎたら訓練で消費するから、別にいいです。」

「あのねぇ、そういうことじゃなくて・・・」

「これがなくなったら、また来ます。」

「え・・・」

「仕方ないので、その時またミサト先生の小言聞きます。それでいいですか。」

― なに、その言い方。

まるで、私の小言聞くために来るって聞こえるじゃん。

・・・・・・こいつめ、わざとじゃなかったら、天然の人たらしだな!

くぅ~、その手に乗るかっての。

そんな嬉しいこと言われたって、甘い顔しないんだからね!

「小言を言われたくなかったら、しーっかり自己管理してくださいね?それと、私の小言を聞きたくなったら、飴がなくなる前でもいいから来てください。」

「はいはい、そうします。その時はヨロシクオネガイシマス。」

光の勇者君は、最後までやる気のない返事だったけど、ちょっとだけ私に笑顔を向けてくれた。

その後、これからの予定を再確認し、光の勇者君との面接を終えた。


「良かったな、ミサ。」

「え?ああ、彼がヤケを起こさなくて本当に安心しました。マイペースだけどしっかりした子ですね。」

「それもそうだが、ミサト先生も頼りにされてるようじゃないか。」

「ええ~?そうですかねぇ?あんなやる気のない返事で・・・でも、悪い気分じゃないです。次は言いすぎないよう気をつけなきゃ。」

「そうだな。口うるさい母親はウザイだけだからなぁ。たまには甘やかしてやらないとな。」

「もうっ!リュウ先生までひどいな!・・・2人は会えるでしょうか。」

「さあ、どうだろうな。会えるといいけどな。」

「そうですね・・・。」


闇の勇者君が魔族側の使者になって、光の勇者君が人間側の使者になって、そして魔族と人間が共存する世界にならないかな。

光の勇者君の背中を見送りながら、そんな期待をしてしまう私であった。

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