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光の勇者君は、センターにいらっしゃる二室の関係者の皆様に似ていることがよくよくわかった。
そして、案外話をしてくれること。
闇の勇者君のように、会話を広げるわけではないけれど、嫌々会話しているようには感じない。
・・・私が、そういう人に慣れているせいかもしれないけど。
「今でも、嫌がらせとか受けてるの?」
「どうでしょうね。みんな僕にはあまり関わってこないので。そのほうが気楽でいいです。」
― 学生でもあるまいし、さすがに、モノを隠したりとか、そんなことはしないか。
多少態度がアレでも、闇の勇者君が上手にフォローしてるのかな。
騎士団というからには、規律も厳しそうだし、縦社会というイメージがある。
光の勇者君には、少し窮屈な世界なのかもしれない。
「そうですか。た、たまには対話で解決してみるのもいいかもしれませんよ。」
「話がかみ合いませんから、無理です。」
― 即答かいっ。歩み寄る気ゼロかいっ。
「・・・そうですね、無理して話しても疲れるだけですもんね。」
「文句を言われないように、最低限の任務はこなしています。そうしたほうがいいと言われましたから。」
「それは、友人の彼に?」
「はい。僕と違って、あいつは周りに取り入るのは上手ですから。おかげで面倒ごとが減りました。そこは感謝してます。」
― 『取り入る』って言い方、あまり良くは聞こえないなぁ。
「そうでしたか。フォローしあえる友人がいて、良かったですね。」
「ええ、そうですね。」
― ニコリともしないのか~・・・やっぱりそういう設定にしてるだけなのかなぁ?
闇の勇者君との関係をもう少し追及してみようと思ったが、あまり深入りしすぎると心を閉ざしてしまいそうな気がした。
今日はこのくらいで引いたほうがよさそうだ。
「初めにも言いましたけど、自分の生活管理はきちんとしてくださいね。それと!あなた、ハーブティー飲んでないですよね?」
「え・・・・あ、はい。」
「そうだと思いました。なので、今日はこれをお渡しします。」
リュウ先生に作ってもらった、キャンディを渡す。
「ハーブティーと同じ効能があります。寝る前と、気持ちを落ち着けたいときに食べてください。キャンディなら口に入れるだけだから、大丈夫ですよね?」
「あー、はい。なんか・・・すみません。」
「これは一応お薬ですから、1日3個までです。間違っても!ゴハン代わりに食べないでくださいね?」
「・・・・・・」
「返事は?」
「・・・・・・ハイ、ワカリマシタ。」
「せめて、1日に2食はちゃんとしたゴハン食べてくださいね。以上、今日の生活指導は終了です。」
「・・・・・・母親かよ。」
光の勇者君が、そっぽを向きながらボソッと呟いた。
― 闇の勇者君といい、光の勇者君といい、『お母さん』なのね。
お姉さんじゃなくて、お母さん・・・そう、そうですか・・・いいけどさ、別に。
他人から面と向かって『お母さん』と言われて、私の心は少しささくれだった。
「なんですか?なにか聞こえたような気がしましたけど、なにか言いました?」
「いいえ、別になにも。はいはい、わかりました。」
― 『はい』が1回多いよ!
ツッコミを入れそうになったが、あまりしつこくするのもよろしくないと思い直し、このくらいでカンベンしてあげることにした。
こうして、勇者候補君たちと私の最初の面接が終わった。
彼らの本心を引き出すことはできなかったけど、まあまあ上手くコミュニケーションは取れた気がする。
「・・・なんですか、なにが可笑しいんですか、リュウ先生。」
「いや、だって・・・2人とも・・・」
隣で、肩を震わせている人がいた。
「あ~、私がお母さんなら、私より年上のリュウ先生はお父さんですね~。」
「・・・あ?」
― ふんっ!




