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キャロルさんとリュウ先生のトンデモ考察に、ただただ動揺している私である。
そんなわけあるはずない、というか、あってほしくない。
「そ、それはあまりにも飛躍しすぎでは・・・。だって、それじゃあ、親友を利用して・・・。」
「いいんじゃないか、別に。」
「え?」
「そうだね。なかなかやるじゃない。」
「は?」
― なんで?どこがいいの?他人を蹴落とそうとしてるのに?
リュウ先生とキャロルさんの全肯定にますます混乱する私であった。
「欲しいものを手に入れるために、策を講じてるわけだろう?」
「そうだよね。今のところ、それで誰かが実害を被ってるわけじゃない。そういった報告は上がってきてないしね。」
― えええ、いいの、本当にそれでいいのぉ?
仰るとおり、誰も傷ついてはいないけれども!
「そもそも、あの2人、親友なのか?」
「う~ん、僕もそれを考えてたんだよね。確かに仲は悪くなさそうだけど、親友と呼べる間柄なのかなぁ。」
― あ・・・『親友』って言葉は、マイケル先生からしか聞いてない。
なんなら、マリアさんからも聞いてない。
さらに、当の本人たちは、リュウ先生の『親友だろう?』の問いかけに、イエスともノーとも答えていない。
じゃあ、なに?マイケル先生のお見立てが間違っていたということかしら。
「それは・・・マイケル先生の見立てが間違っていたということですか?」
「どうかなぁ。いきなりワケのわからないところに連れてこられたんだ。そういうことにでもしたんじゃないか?」
「それはあるかもね。単独行動より2人でいたほうが、危険に陥った時に対処可能だもんね。2人ともそれなりに強いしね。」
「親友まではいかなくても、敵対関係じゃないのは本当だろうさ。」
「金髪君は周りに興味なさそうだし、友人作るようなタイプじゃないもんね。」
「えええ~・・・」
― アウトローの天才君を放っておけない学級委員長の秀才君がいつのまにか親友になって、世界の危機に立ち向かうなんて、これまたよくある冒険譚だなぁ~と思っていたけど・・・。
やっぱり、わかっていたけど、現実って世知辛い。
またまた、夢と妄想がパリィンと割れる音がした。
「じ、じゃあこれから私たちはどう動けばいいんですか?」
― もう、ワケがわからない。
他人を利用して欲しいものを掴みにいく黒髪くんと、どこまでもマイペースで自分ファーストな金髪くんのケアなんて、私にできるわけないじゃないの。
「どうって・・・これまでどおり、実戦指導と面接。あとは可能な限りの情報提供。」
「サト、すごい困った顔してるね。大丈夫?」
「ぜ、全然大丈夫じゃないですよ。確かに、あれっ?て思ったことはあるけど・・・まさか見せかけだったなんて・・・。」
「ふふ、2人をセットにするから混乱するんだよ。1人1人相手にしてるって思えばいいよ。」
「そうだな。ミサ、情に絆されて、もう一方の情報をホイホイ開示しないよう気をつけろよ。」
「それに、あくまで僕たちの推測であって、もしかしたら本当に親友同士かもしれないしね。」
― いやいや、あなた方のお見立てが間違っていたことがありますぅ?
ここまで聞かされて、『実は親友でした』って、そっちのほうが混乱しちゃう!
「うぅ・・・わかりました。2人は別々の世界からきている、関係のない人だと思ってお話しすることにします。あと、うっかりがあってもいけないので、相手の状況を聞かれたら、どこまで話していいのかも教えてもらえるとありがたいです。」
「ああ、特に黒髪には気を付けたほうがいいな。」
「はは、そうだね。彼はよく人を見ているからね~。きっと、サトはもうターゲットにされてるよね。」
― うぅ、キャロルさんまで~!!
私は、どこまでいっても、カモらしい・・・グスン。




