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「そろそろお時間となります。」
天界の方が三室をノックし、面接の終わりを告げた。
その声に、光の勇者君がスッと立ち上がった。
「今日はありがとうございました。」
「うん。じゃあまた来週。知りたいこと、要望があったら教会を通して。可能な限り用意する。」
「わかりました。」
「私は、お話を聞くくらいしかできませんが、それでも良ければいつでも言ってください。これ、ここで出しているハーブティーです。寝る前に飲んでくださいね。」
闇の勇者君と同じものを手渡す。
― 自分で淹れて飲むかなぁ~。
部屋の隅に置かれたまま、忘れさられて埃かぶってそう。
光の勇者君は一応受け取ってくれて、一礼をした後、天界の方に付き添われ三室を後にした。
「リュウ先生、マリアさんの言っていた距離感って、ずいぶん遠い感じですね。」
2人の面接を終えての感想は、一番にこれであった。
「そのようだ。見てるものが違うんだろうな。どうしたもんかな。」
珍しくリュウ先生が困っている。
「・・・リュウ先生でも困ることあるんですか。」
「あのなぁ。今時の若者の気持ちなんてわかるわけないだろ。」
― 今時って、その言い方・・・お・・・いや、やめよう。
それ以上、深く突っ込むのはやめよう。
ここは、気付かないふりをして別の話題にしたほうが、いい、絶対。
「ええっと、キャロルさんとも一度情報のすり合わせをしたほうがいいですかね。」
「・・・・・・」
― なにその無言の圧!私ったら・・・また顔に出てたかしら。
「ケリーさんも同席してもらいます?あ、マイケル先生にも報告が必要ですよね。」
「・・・まあいい。マイケル先生はともかく、キャロル姫には話をしていたほうがいいかもな。」
― なにがいいんだろう、と思ったが、突っ込むのは身の危険を感じるので、スルー一択。
「それじゃ、キャロルさんの予定を押さえますね。ちょっと行ってきまーす!」
いろいろな方面に飛び火する前に、私は二室に向かい、キャロルさんの予定を確保した。
そして、週が明けて月曜日、情報共有のためキャロルさんが三室へとやって来た。
「・・・という面接の内容でした。」
2人の面接の様子を、なるべくそのまま伝える。
キャロルさんは、優雅におみ足を組みながら、時折考え込んでいる様子で私たちの話を聞いていた。
「なかなか興味深い話だったよ。金髪の子が魔法にこだわっていたのはそれが理由か。普通、メンバーの中には魔法に長けた人もいるはずだから、おかしいな、とは思ったんだよね。なるほど、ソロでね。」
「まだ決めてないとは言ってましたけど、あの様子だと辞退するかもですよね。そしたら黒髪君はどうなるのかなって心配になって。」
「まあ・・・その子の言う通りだったら、心折れちゃいそうだよね。けど、本当にそうかなあ。」
「え?それってどういうことですか?」
― 親友と本気で試合をしたいと、絞り出すように言っていたのに?
「なんかね、うまく言えないんだけど、もっと別のことを抱えている気がしてね。」
「それは剣を交えての感想ですか?素直な太刀筋だと言ってましたが。」
「基本に忠実なことは間違いないよ。でも、奥の手を持っていてそれを巧妙に隠してるっていうか、そんな感じがするんだよね。悪く言えば、こざかしい感じ?」
― こざかしいって、誉め言葉じゃない・・・。
そうなると、学級委員長のような『いい人』も作られたものってこと?
「・・・金髪を孤立させて自分を選ばせるように仕向けたか、あるいは本気でやりあって適当にケガして討伐に行かないようにするか、どっちにしろ策を講じてるってことか。」
― それは、親友を踏み台にしてるってことじゃないの・・・まさか、そんなわけ・・・。




