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打ち合いの結果、勇者候補君たちは2人ともキャロルさんに負けた。
光の勇者君とキャロルさんが、ミーティングルームへ戻ってくると、今後の話し合いをするため、全員席についた。
「お疲れ様。それで、どうだったかな?」
マイケル先生がニコニコしながら、2人に声をかけた。
2人は顔を見合わせて、力強く頷きあう。
「先ほどの失礼な発言、大変申し訳ございませんでした。ぜひご指導をお願いしたいと思います。」
2人揃って立ち上がり、深く頭を下げる。
マイケル先生は、その答えを聞いてとても満足そうだった。
― やっぱり答えるのは闇の勇者君か。
お互い、意志疎通はできているようだけど、光の勇者君は彼に任せっきりみたい。
闇の勇者君が、まるで学級委員長みたいに見える。
「だそうだ、キャロル君。どうかね?」
「2人ともなかなかだったよ。私も久しぶりに楽しかった。普段は魔法も使っているからやりづらかったでしょう?そういう癖がついているのか、その間が隙になっていたからね。でもね、敵によっては魔法が効かない者もいる。そんな時には命取りになるから気を付けたほうがいい。」
「「はいっ!」」
「うん。マイケル先生、相手になるのは構いませんが、期間はいつまで?」
「そうだねぇ。面接は1か月に1回だから、その時にでも・・・」
「あ、あのっ!」
マイケル先生とキャロルさんの会話に割って入ったのは、闇の勇者君。
「なんだい?どうかしたのかね?」
「実は・・・近々、魔王討伐のメンバーを決める御前試合がありまして・・・。できればもっと回数を設けてもらえませんか。毎日じゃなくてもいいです。3日に1回・・・いえ、1週間に1回でも構いません。お願いできないでしょうか。」
「ふむ・・・その御前試合とは、いつ行われるのかね?」
「まだハッキリと決まったわけではありませんが、おそらく2,3か月後くらいかと。より強い者を選抜するために、国じゅうから適性のある者を募っているので、まだ時間があります。」
― 異世界から召喚までしたのに、まだ募集かけてるの?なんだそれ!
「キャロル君、どうするね?」
「毎日、と言いたいところだけど、こちらもスケジュール調整が難しい。そうだな・・・1週間に1回なら、大丈夫かな。」
「十分です。無理を言って申し訳ありません。よろしくお願いします。」
「それでは、これから選抜試合の間、1週間に1回、センターに来てもらうということでいいかな?」
「「ありがとうございます!!」」
2人はまた深くお辞儀をした。
「もうひとついいかな。指導するなら、きちんと時間をかけたいから、1日に相手ができるのは1人まで。だから、日をずらして来てもらえる?曜日は木曜日と金曜日の午後。どっちが先でも後でも構わないよ。私の指導を受けたら、こちらの人たちと面接をして帰ってね。それが条件。」
キャロルさんが私たちの元に来て、2人に向かってニコッと微笑んだ。
その破壊力に、口を開けたまま、真っ赤になっている若者2人である。
ここまでの自然なやり取りに、ただただ凄いと思ってしまった私である。
マリアさんには言えなかった勇者選抜のことも、それぞれの本音を探るために1人ずつ面接をすることも、あっという間に解決してしまった。
マイケル先生の老獪(失礼!)さもさることながら、キャロルさんのその機転の速さよ。
アーネット先生が、早々に室長に推したのも納得である。
「それでは、来週の木曜日から始めることにしようか。今日はこれで終了にしよう。君たちも大変な時期だろうけど、頑張ってくれたまえ。できる限りサポートはさせてもらうからね。」
「「よろしくお願いします。」」
本日の顔合わせはこれにて終了である。
天界の方に従い二室を出て行く彼らの表情は、とても明るいものに見えた。




