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親友同士である2人の転移者の方の面接を引き継ぐ・・・これがマイケル先生からの呼び出しの内容であった。
話の内容から、納得するものではあったけれども、2人をどのように割り振るのか、肝心なそこが見えてこない。
「ふぅん・・・私が呼ばれたのは、2人の実力を試すため、なのかな。」
ずっと黙って聞いていたキャロルさんが口を開いた。
― 騎士の養成学校に通って、転移先でも鍛錬していたであろう2人の男性の腕試しの相手ですって?
キャロルさんにそんなことさせるの?
ケガなんてしたらどうするのよ、アリィさんが黙ってないよ!!
「さすがキャロル君、わかってくれたかい?」
「今の話の流れだとさすがにね。私は別に構わないけど、その後はどうするつもり?」
― えええ、いいの?引き受けちゃうの?
たまらず会話を遮ってしまう私である。
「ちょっと待ってください。腕試しって・・・ずっと鍛錬している男性相手ですよ?キャロルさんに万が一があったら、どうするんですか?」
するとフッとキャロルさんが笑った・・・相変わらずの破壊力。
正面に座っていたマリアさんも、ポワッと顔を赤らめて見惚れている。
「サト、心配いらないよ。これでもケリーと毎日のように剣をふるっているからね。確かに男性に比べたら非力かもしれないけど、非力なりの戦い方ってあるんだよ。」
― す、すごい自信だ。
ていうか、『ケリー』って呼び捨てにしてませんでした?え、呼び捨て?
ケリーさんが呼び捨てを許すって、相当だな!
リュウ先生も目を見開いていたから、けっこうな衝撃だったんろう。
「キャロル君の剣の腕前は、エリィ君を通して聞いているからね。第一、ルカの攻撃を躱す人なんてそうそういないからね~。よほどの剣豪でもない限り、大丈夫じゃないかなぁ。」
なんともノンビリとした口調のマイケル先生である。
― これは、アリィさんには内緒にしておいたほうがいいかも。
キャロルさんの肌に傷なんてつけられようものなら、ラリアットどころじゃ済まないかもしれない。
「それでね、どちらが選ばれるか見極めてほしいんだよね。そしてその後、ミサト君とリュウ君で面接を行ってくれないかな。」
「私どもがですか?」
「うん。リュウ君にはその2人に現実を突きつけてくれたまえよ。君は私情を挟まないから、そういうの得意だろう?」
― マイケル先生は、とうとう、言い方に遠慮や配慮というものをしなくなってきたらしい。
「ではミサには、そのフォローをしろと。」
「そうだね。ミサト君には、落選した子のフォローをお願いできないかな。できれば、2人が腹の中になにを抱えているのか聞いてほしいところだけど・・・それは、できれば、でいいから。」
― は?・・・それって、一番難しいところじゃないの。
なんで、そんな大役が私に回ってくるのさ。
それこそ、マリアさんに励ましてもらったほうがいいんじゃないの?
そのほうが、効果絶大だと思うんですけど!!
「なぜ、そんな難しい仕事を私に・・・」
マイケル先生の意図がさっぱり理解できない。
「サトは話しやすい姉上のような存在だもんね。いいんじゃないかな。」
― キャロルさん、そこでハードル上げないで!
「そうですよねっ!ミサトさん、お母さんみたいな雰囲気あるから、安心しますよねっ。」
― マリアさん、私、まだそんな年齢じゃないんですけど。
「・・・本当なら、私がなんとかしなきゃいけないところなのに、力不足でごめんなさい。悪者を討伐しに行ったことはあるから、応援はできるんですけどぉ。でも、こういうのは初めてで、どうしたらいいかわからなくってぇ。」
― 今、なんて言った?悪者の討伐?え、マリアさんが?
「悪者の討伐って・・・マリアさん、まさか魔王とかの討伐に行ったんですか?」
「はいっ!私の時は、悪い魔女さんでした。私ぃ、癒しの力が使えたのでぇ、聖女様って呼ばれてました!」
― なんと・・・ここにも聖女様がいた。
しかも、討伐経験者なんて、そんなことあるぅ?
マリアさんのカミングアウトに驚いている間に、「じゃ、そういうことで。」と、話し合いが終わってしまっていた。
部屋の隅から感じていた空気が、ジットリ湿っぽいものから春のような穏やかな陽気になっていた。




