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英雄と呼ばれる最強魔法師  作者: ヨッシー
入学編
17/25

相談

先週は更新ができなくて申し訳ありません。これからはきちんと金曜日に投稿できるよう努めていこうと思います。

佐川さんは有馬さんが指さす方向へと視線を向ける。そして、彼女は始めて俺の存在に気づく。俺が木陰のベンチに座っていたこともあるだろうが、原因は多分俺の容姿だ。


身長は173センチで人並。髪の色は妹のサラみたいに紺色だったり、ハヤテみたいに黄色でもなく黒。


日本人なのになぜ彼らは紺や黄色なのか不思議だとは思うだろうが、一昨年の魔法研究家のお偉いさんの論文には、得意魔法や血統が髪の色に大きな変化をもたらすと書かれていた。俺はその説明は正しいと思う。現に、現在の日本人で黒髪の人はごくわずかだ。


佐川さんが俺の存在に気づかないのも無理はない。佐川さんは自分の記憶を辿ってから呟いた。


「彼は確か今年の入試で支部長の娘さんと模擬戦をしていた子か?」


「そう。彼はまだ入隊したばかりの新米。だけど模擬戦を一緒に見ていたからわかると思うけど、彼の動きには無駄がなくて戦術もある程度理解していて、総合的にはC級の上位ぐらいの実力はあると思うよ!」


よっしゃー!有馬さんに褒められた。彼女たちの話を小耳を立てて聞いていた俺は、A級隊員に褒められて心の中でガッツポーズをする。



・・・待てよ!?この展開、俺がトレーニング相手させられるんじゃないか。


俺は再び焦り始める。


俺は彼女たちと直接の面識はない。ましてや、彼女たちはMFAでも精鋭と呼ばれるA級隊員の一員だ。お願いされたら、断ることはできない。というわけで俺は会話に入れず、会話を聞いていることしかできずにいた。


「C級の上位って、まず私たちとの実力がありすぎだろう。そうじゃなくても、彼にも都合があることだろうし。そしてもし仮に、彼がトレーニングに付き合ってもらっても彼は得るものないだろう。しかも、なんか顔色も悪そうだ。」


この調子だ。そうすれば戦わなくて済む。


「実力差があるのは事実だけど。ふーん。」


「何よ」


「私だって非番だからやりたいことあるのに、私の都合は気にしないのに彼の場合は都合を気にするんだ。さっちんは家に一日中いると体がなまるって言うけど、休めるときに体を休めることも私たちの仕事の一部よ」


「ぐっ!」


佐川さんは、いつもはふざけている有馬さんの正論に言い返せない。


有馬さんは続けた。


「しかも、いつもは戦ってない相手とするのもいい経験だし」


ここまでこれば、さっちんも黙るだろうとあすかは自分のなかで呟く。


しばらくして、佐川さんが口を開いた。


「そうだな、試しに誘ってみるよ。悪かったな、あすか忙しいのに呼び出して」


「いいってことよー。じゃあまた明日!」


有馬さんは佐川さん別れを言って、にっこにこの笑顔で帰っていった。



佐川さんがこちらの方に近づいてきて俺に話しかけてきた。


「そこの訓練生ちょっといいかな?」


まだ気分が冴えないんだけどしょうがないか、俺は腹をくくって応答する。


「はい。何でしょうか佐川隊員?」


「知っているとは思うが、改めて自己紹介させてもらうがA級の佐川さつきだ。今日はちょっと非番なんだがな、トレーニングする相手が見つからなくて困ってるところなんだ。そこで。もし都合が悪くなったらでいいんだが、ちょっとの間だけトレーニングに付き合ってくれないか?」


「ええ、いいですよ。まだ次の授業が始まるまでは時間もあることですし」


佐川隊員は俺の返答を聞くや否や、表情がほほ笑む。


「そうか、よろしく頼む。それよりさっきまで少し顔色が悪かったけど大丈夫か?」


「はい。だいぶ良くなりました」


俺たちは歩き始まる。


聞いてみていいのか悩んだが、俺はさっきあったことについて話してみた。


「そうか、入隊早々負傷した隊員と鉢合わせたのか」


「はい、かなり重体だったようで複数の術者で治癒魔法をかけながら搬送されてました」


「あれを始めて見る奴はたいてい気持ち悪いとか恐怖を覚えるからな、お前もその口か」


「はい」


「まあ、私からアドバイスできることはあれを気持ち悪いって感じたり、恐怖を感じている間は大丈夫だ」


「それってどういうことですか」


「そうだな、こう7、8年も働いているとな。仲間が魔物に襲われていたり、重傷を負っても、それが当然だと思いこんで、悲しみとか恐怖と感じるといった当たり前の感情が湧かなくなってくるからな。そっちのほうがよっぽど怖いな」


「そうですか。じゃあ、適度な緊張感と恐怖を抱いているぐらいがちょうどいいんですね。」


「そうだな、まあ気楽に考えな!」


俺は佐川さんに相談してよかったと思った。

なんて頼りになる人なんだ。


そうこうしていると、俺たちは目的の訓練場に着いたのだった。












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