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英雄と呼ばれる最強魔法師  作者: ヨッシー
入学編
16/25

出会い

予定より、更新が1日おくれてしまいました。

 食べ終わったハヤテも追いつき二人でたわいもない話をしながら廊下を歩いていると、反対側から慌ただしい様子で白衣を着込んだ職員四人がストレッチャーを押しながら走ってきた。

 

「どけっ!」


 俺とハヤテは壁側により彼らに道を譲る。彼らはスピードを少しも緩めることなく俺らの前を駆け抜け、突き当たりで曲がり、医療棟の方へと消えていった。


 俺らは知ってしまった。人が魔物に襲われたらどんな有様になるのか。さっきのストレッチャーには、負傷した隊員が乗せられていた。体のほとんどは青い覆布で隠されていたが、急いでいたためか覆布は時々めくれ中の様子が見える。俺らの目の前を通る時にも覆布一瞬めくれ、患部がはっきりと見えた。横腹が食いちぎられ、患部から血が大量に出血している。しかも、患部のまわりは黒ずんでいた。俺は緊張からか唾を飲み込む、ゴクリ。冷汗も少し出てくる。


 すぐに気持ち悪くなった。



 確かにMFAに入った以上、こういうことはあり得ると覚悟していた。それは隣にいるハヤテも同じだろう。しかし、入隊して2日目にこの場面に出くわすとは想像もしていなかった。


 

 俺らは無言で歩き始めた。しばらくして俺は隣のハヤテの方へと目を向ける。見た感じハヤテはへっちゃらな様子だった。俺は不思議に思い訳を聞いてみると、人体実験の見過ぎで慣れたとのことだ。確かにハヤテらしい。


 ハヤテはイケメンですごく優しい。また素直で俺にとっては世に二つとない大事な幼馴染だ。

 

 そんなハヤテだが、彼にはもう一つの顔がある。彼はIQ(知能指数)150の頭脳を持つ天才と凡人の間に位置し、若干15歳ながらにしてそれまでの魔法学を飛躍的に進歩させる偉業を数多くしてきた。彼は今や魔法師の世界で知らない人はいないと言われるほどの逸材だ。


 どおりでと納得はしたものの、俺はまだ少し気分が晴れなかった。教室へと着いた。だが、まだ少し落ちつかないので俺は自販機で何か買ってくると言って、教室にははいらず中庭の方へ出ていく。


 ハヤテは後を追っては来なかった。おそらく察してくれたのだろう。


 

 缶コーヒーを買って、近くにあったベンチへと腰掛ける。今日の空は快晴で気温も暖かく、昼寝には最高の条件がそろっていた。しかし、さっきの情景が浮かんで一向に眠気は起きない。俺は缶を開けて一口飲むと大きく溜息をついた。

  

 俺がボーっとしていると、二人の女の人が目の前を通り過ぎた。俺はその人たちを知っていた。A級隊員の有馬さんと佐川さんだ。


 

 有馬あすか。チーム「サザンカ」でスナイパーを務める25歳のA級隊員。身長150センチ。特徴的な黄緑色の髪を持ち、子供のようにあどけなく笑う様子が可愛らしいとロリィ子好きの男性隊員から絶大な人気を誇る。

 

 得意の魔法は風魔法「マルチウィンドキャスティング」。好きな食べ物はロリポップ。噂ではいくら怒っているときでも、入手困難なロリポップをあげれば機嫌が良くなるらしい。


 

 佐川さつき。有馬と同じくチーム「サザンカ」でアタッカーを務める25歳のA級隊員。身長は170センチ。藍色の髪を持ち、大人の美を感じさせるクールさと色気が特徴的。普段はクールで人を寄せ付けない凛々しい姿なのに時々困ったときに見せるデレやミスが男性隊員の心をドキッとさせる。

 

 得意な魔法は水魔法「アクアブラインド」。日課は自分の愛刀の手入れ。噂では愛刀を持つまでは普通のどこにでもいるような女性と変わらないのだが愛刀を持った瞬間スイッチが入ったかのようにクールになるらしい。また、家に帰り愛刀の手入れを念入りにしていて満足のいく仕上がりになった瞬間、急にニヤッと笑う。その瞬間、彼女の家族や近所の人は寒気がするらしい。


 

 「あすか、早くいこう。非番だからって部屋で一日中ダレてたら、次の日の訓練で動けないぞ」


 今日は非番だからかラフな格好で佐川さんは訓練場の方へと向かっている。


 「いちいち、さっちんはうるさいんだよね。今日はせっかく非番なんだから、通販で買っておいた今年の春限定「本場インドのカレー味」のロリポップでもなめようと思ってたのに。」


 佐川隊員の数歩後ろを歩きながら、ロリポップを片手に持つのは有馬あすか隊員。


 「じゃあ、私が勝ったらアメ頂戴!」


 「勝っても負けても、あすかが満足するほどアメはあげれん。」


 もうずいぶん前にさかのぼることだが、さつきは以前不意をつかれてあすかに模擬戦で負けたことがあった。何もないとつまらないとあすかが言うので負けた側が買った側の言うことを聞くという取り決めをして勝負したのだった。勝負に勝ったあすかはアメが欲しいというのでその後、二人で近くのスーパーへと出かけた時のことだった。会計のところで合流しようと決め、さつきとあすかはいったん別れた。


 数十分後、レジで合流した時あすかが持っていたかごには、ロリポップがぎっしりと詰められていた。さつきは一瞬何の冗談だとあすかへと目線を向けた。向けられたあすかはというと、負けた方は従うんでしょと当然な様子で見つめ返してくる。数秒間にらみ合った後、さつきが結局折れた。


 それ以来さつきは、あすかとは勝敗ごとをしづらくなった。


 「じゃあ、私帰る」


 有馬さんは付き合ってられないとばかりに来た道を帰ろうとする。


 「待ってよ、お願いだから。チームメンバーの手助けだと思ってさー。もし、あすかが帰るっていうんだったら私は誰といったいトレーニングすればいいの?」



 有馬さんは数歩歩いたところで立ち止まった。


 

 まずあすかは、「サザンカ」の残りのメンバーについて考えてみる。しかし、その選択肢はすぐに消える。残りの三人の男性隊員はどいつも馬鹿でどうせ街中で女の子をナンパしていると考えたからだ。


 次に他のチームの人たちについても考えて見るが、その選択肢も消える。今の時間は確かに暇をしている隊員もいるとは思うが、午後からすぐに訓練か任務があるのに自主トレに付き合わせるのはかわいそうだ。非番の隊員も街の方へ出て行ってるか自室で趣味などを楽しんでるからな邪魔をしたくない。


 あすかは焦り始める。「練習相手が他にいなければしょうがないな」と自分が折れ、さつきと一緒にトレーニングしている様子が思い浮かんでしまう。さつきとは時を長く過ごしているため、もはや自分にとっていなくてはならない存在となっている。だが、するメリットもないのに非番の日に運動はしたくない。

 

 


 あすかは考え込んでいると視界の端にあるものを捉えた。あすかは、いいこと思いついちゃったという感じで近くの少年のほうを見る。


 そう俺の方だ!


 有馬さんは明らかに俺の方を見ている。有馬さんは俺の方を指しながら佐川さんに向かって言ったのだった。


 「だったらさっちん、あそこの暇そうな1年と戦ったら」



 


 


 


 


 




 

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