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029:そよ風とともに
「わしらの後始末か?小娘よ」「そうだ」
「従順よのう…やはりおぬしはよい道化じゃ」
「いまは貴様らの思惑通りに動いてやる…だが永遠にではないぞ!」「さようか」
ダダムスが翼を広げると、ココは思わずそれを呼び止めた。
「待て!その人間は…オオムガはどうした!」「知らんな」「くっ…」
ココは唇を噛み、空の彼方へ消えるダダムスをただ見ているしかなかった。
「…お兄様は死んだものとし、石像は極秘裏に封印する」「いいんですか?」
「いまの魔族に必要なのは死人でも石像でもない。たとえ力不足でも、私は…」
あの戦いの場からさらに遠く離れた、とある森の中。
ダダムスは地面に剣を突き刺し、その場を少し離れてからオオムガに肉体を返した。
元の姿に戻ったオオムガは糸が切れたように崩れ落ち、地面に伏した。
立ち上がれないのは全身の傷のせいだろうか?いや…
「潮時かのう」『かしらねぇ』「では…」
おもむろに動き出したダダムスはオオムガの手からするりと指輪を抜き取り、
慣れた動作でぴたりと自身の胴に収めた。
「オオムガよ、さらばじゃ…」
その呟きを最後に、ダダムスは落ち葉を撫でるそよ風とともにオオムガのもとを去った。
それでもオオムガは動けない。
仲間も剣も、呪いさえも失ったいま…彼に残されたものとは…
続く
キャラ紹介:やすみ




