表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
谷戸物語  作者: 播磨王65
21/88

21話:天一の誕生の秘密

 その話を聞いて、天一も親になったし、いつ話そうかと思いながら、言いそびれたことがある言うと目に涙をため、ため息をついた。その後、小さい頃、農家に嫁いで、亭主が交通事故で死んだと話したが、あれは、嘘なんたと言った。そして実は、港北ニュータウンの中の池辺商店に15歳の時、東北を出て、就職し事務員になった。


 そこの主の池辺作一という大尽さんが、女癖が悪かった。米子が18歳の時、仕事を終えて、風呂を出て、4畳半の部屋で寝てるときに寝床に入ってきて、おもちゃにされた。でも、店主に刃向かうこともできず黙っていたが、それが数回続き、子供を宿した。それが、お前、天一なんだよと教えた。これがわかると、池辺作一が、他の人に知られないように私に手切れ金を渡して、クビした。


 その後、子供の養育費を出すように言うと景気の良い時代で出してくれた。池辺作一は、政治家と仲良くなり、港北ニュータウンができる話や小机の近くに新幹線が通り、新駅ができる話をあらかじめ知って大儲けした。その時、安い金で買収し、立ち退きをせまった農家が数件あり、その中で新横浜駅から一番遠い、古い農家を私の名義にして、お前と2人で住むようになったと言った。


 その話を静かに聞いていた天一は、そうだったのかと言い、俺には、そんな過去があったのかと寂しげにつぶやいた。でも、仕方ない、俺も成人になって、横浜信用金庫に勤めて、子供で来たから、これから、自分の家族を幸福にしてやるしかないと言い放った。そうだねと、母が、言うと、涙があふれ、こぼれ落ちた。ずーっと、秘密にしていてごめんねと、母が言うと、仕方ないよ、言いにくいものな、母の肩を抱いた。


 許しておくれよ、母が言うと、大丈夫だ、学校も出させてもらい、これから、俺の家族と母に宅をさせてやるよと言った。すると、母が、天一に、本当の強くて優しい子に育って、良かったと静かに言った。次に、天一が、母さんの家を壊して、新しい2階建ての大きな家を作って、俺の家族4人と母の5人で住もうよというと、本当かい、それはありがたちと言い、また泣いた。


 そして、しばらくして、店を出て、母と別れた。数日後、天一は奥さんの清実さんに、母から聞いた話をすると、驚いて、小説みたいなドラマチックな話ねと言った。お母さんは、さぞ、苦しかったでしょうねと言い、同情した。でも、世の中には、そんな、とんでもない男が、いるのねと驚いていた。その後、母の家を新築する話をすると、素敵な大きな家が欲しいわねと喜んでくれた。


 2000年も3月下旬となり、桜が咲き始め4月2日の日曜に、横浜の住宅展示場を母と家族4人の5人で回った。どれも立派な家ばかりで、テレビドラマに出てくるような家で、今ひとつ、しっくり行かなかった。そこで、地元のMS工務店に聞くと、最近、住宅資材メーカーで、格安で良い木造住宅を作る会社ができたと教えてくれ、私の所がその会社とフランチャイズ契約をしたと話した。


 そして家のプランを見せてくれ、この会社の向こう側に、今モデル住宅を建設してるところで、4月30日までには、完成する予定だから、是非、見てくれと言った。この会社なら、基本仕様じゃなくて、床、窓、玄関、風呂、トイレ、駐車場もオプションしようにすれば、大手住宅メーカーに決して引けを取らすに家を建てられ、費用は、2,3割、安くできると力説した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ