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危機回避・未来  作者: 中野翔
私に危機回避能力は必要ない→私の万能は使えなきゃあてにならない
38/59

本当の地獄



   

   黒い花から生まれた人間もどき達はこの世界に唯一存在する建物へと一直線に進む中、

  生徒達はまだ何も知らされず通常授業を受けている。だが、それも時間の問題で、校門前に設置

  されている監視カメラが彼らを視界に捉えると、それまで巡回していた人型ロボット達が集まり、

  校門の外へと飛び出し、彼らとの戦闘を開始する。数ならば彼らの方が上だが、人型ロボットは

  それを補える知識があり、少なくても彼らを徐々に倒していた。普段は人間の監視任務を行い、

  いざとなれば少々乱暴な手段も使う。それがこの世界の学校で働く人型ロボットの仕事だ。 

   だが、彼らはここでくたばるほど脆いものではない。人でも物でもとにかく壊せが彼らの使命

  であり、ここにいる理由。逆に自分達が壊されていくのを感じてか、突然彼らは怒りに身を任せた

  かのような力で人型ロボット達を次々と破壊していく。動かなくなった後も怒りは収まらないよう

  で、ロボットの腕や足をちぎり…最後に首をちぎって使い物にならなくした。この一部始終を監視

  カメラでリアルタイムに見ていた男は、さすがにやばいと思ったのかこの後、生徒に向けての緊急

  避難命令を通達すると、再び監視カメラに視線を向けるのだった。

   

   

  

   授業が始まってまだ数分という頃に全校生徒の電子生徒手帳に緊急避難命令が通達される。

   人型ロボット達は出払っており、誘導役がいない中、生徒達は何が起こっているのか分からない

  ままに各々で避難を開始。だが、これを気っかけに外に出ようと企む生徒もおり、ロボットの姿が

  ない今がチャンスと校門前へと急いで向かう。しかし、校門を出た直後に待っていたのは、願う

  自由の解放感ではなく、気味が悪い人間の形をした恐ろしい怪物がこちらへ向かってくる恐怖と

  絶望感だった。守ってくれるはずのロボットは彼らに破壊されてしまい、次のターゲットは自分

  達の目の前に現れた絵に書いたようなヤンキー少年数人。あまりの気味の悪さに学校へ引き返そ

  うとする少年達を逃がすはずもなく、彼らはすぐに襲いかかった。

   

   襲うのは食べるためでもないし、ましてや遊ぶためでもない。

   自分達の壁になる、邪魔になる、動いているものは本能的に壊したいと感情が働くのだ。

   それは誰しも一度は思うことで一度は経験したことがあること。それに当てはまる言葉は…

  『残酷』だ。少年達を襲った彼らを見て、女子生徒達の何人かが悲鳴を上げて校内へと逃げて

  いく。少年達のようにどさくさに紛れて外に出ようと他の生徒も考えていたようで、ギャラリー

  は一人二人ではなかった。


  

  

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