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悪役令嬢は怪盗とワルツを踊る  作者: 洸夜 真琥


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9/11

9話

いよいよ今日は卒業式だ。

式典の後は学園の卒業を祝うパーティーが、今回は第二王子が在籍していた為、王宮で行われる事になった。


あれからあの人には会っていない……

今日が終われば完全に会えなくなるだろう。


普通は婚約者からドレスなどが送られてくるのだが、それも無かったし、薄々そんな気がしていたセレステは前持ってドレスを注文しておいて、それを着ることにした。


パーティのエスコートは婚約者がするのだが、ユースが迎えに来るとは思えなかった。

両親には向こうで会うとだけ話し、両親と共に王宮へ向かった。


パーティー会場についたセレステを見た周りは、セレステの美しさに一瞬言葉をなくす。


今日のドレスはせめて自分で着たいのもを着ようと、月をイメージしたデザインにした。

ふんわりとしたドレスを着ている令嬢の中、セレステが纏うのはタイトな型だが、小さなダイヤが星の光の様に縫い付けられており、白い生地に銀の刺繍を細かく入れ、レース生地をたっぷりと使い軽やかさも出している。胸にはあのブローチもつけている。

凛として歩くセレステはさながら月の女神の様だった。


あちこちから、おめでとうと言った会話が聞こえてくる。


国王夫妻と、王太子殿下、第二王子が壇上に上がる。


「皆卒業おめでとう!これからは一人の大人としてこの国を支えてくれ、今回はアルバートも途中からではあったが一緒に学ばせてもらい、良い経験になっただろう。パーティーの最後に発表もある。それまで楽しんでくれ」


陛下の話が終わるとそれぞれ好きに動き出す。

セレステはチラリとアルバートを見たが、すでに人に囲まれており、一言挨拶をしようと思ったが、後で行く事にした。


「ユース様のところへ行った方が良いのかしら……」


ユースを探す様にホールの中を見渡すと、ユースを見つける。どうやらユースはアイリーンをエスコートしてきたようだ。しかも揃いの衣装を着ている。


「わざわざ行く必要はないみたいね」


そう思っていると、ユース達がセレステに気付き、何やら会話をした後、こちらへやって来た。


「セレステ」

「ユース様、アイリーン様。卒業おめでとうございます」

「フン、格好だけは流石だな」

「え〜 ユース様、もしかしてセレステ様の方が良いんですか?確かにセレステ様は綺麗ですけど……」


アイリーンが、ユースの腕を抱え込む様にして、いうとユースは顔を赤くして慌てて否定する。


「そんなわけないだろう、アイリーンの方が可愛らしいさ」

「ほんとですか!嬉しい!」


セレステが黙っていると、アイリーンが勝ち誇った様な顔で話し出す。


「あ、ごめんなさいセレステ様、ユース様が私の方が可愛いって言ってくれたので嬉しくって!セレステ様は可愛いじゃなくて、綺麗ですもんね!ただ、ユース様の好みじゃ無いってだけで、そんなに頑張って着飾って来られたのに、がっかりしないで下さいね!」


「……これは別にユース様のためでは無いわ」


アイリーンがベラベラと話しだしたが、ユースのためと思われるのが嫌でつい否定してしまった。


「え?じゃあ誰のためなんですか〜?ヤダ!もしかして他に恋人でもいるんですか?」

「何だと!セレステ、貴様もしかして不貞しているのか!何ていうやつだ!アイリーンに嫌がらせをするだけではなく、不貞までとは!」


不貞と言われて、あの月夜の事を思い出してしまった為に、一瞬言葉を失った。

その為、ユースは図星だと思ったのだろう。


「見た目だけで、中身が性悪な貴様とはこれ以上やっていけない!婚約を破棄させてもらう!」


ユースが言葉を発した時、こんな場所だ周りにいた人達も声が聞こえていたのだろう。静かにこちらを見ている。


「ユース様、そんな話はこの様な場所で話す事では無いと思います。日を改めた方が良いかと」

「そう言って誤魔化したいのだろう!だがそうはさせん!ここではっきりさせてやる!貴様はアイリーンに嫌がらせもしていただろう!その事も謝ってもらうぞ!」

「その様な事、行っておりません」

「とぼけたって無駄だ!アイリーンからずっと相談されていたのだからな!」

「そうですよ!セレステ様、私辛くって……」

「やっていない事を謝ることは出来ません」

「まだいうのか!」


セレステがそう言った時、ユースがとうとうセレステを突き飛ばした。

思わずよろめいた時に、誰かがすっとセレステを抱きしめて支えてくれた。


「え……」

「大丈夫ですか?」

「アルバート様……」


アルバートの手ががゆっくりとセレステから離れる時に、セレステは前にもこの手と温もりを感じた気がした。

まさか……


「一体何を騒いでいるんだい?」

「あ、いや……殿下には関わりないことです」

「こんな場所で騒ぎを起こしたんだ、聞く権利はあると思うが?」

「いや、」

「アイリーン様が、私に嫌がらせした事を謝ってもらおうとしたんです〜」


ユース様が言い淀んでいる間に、アイリーン様が勝手に話し始めてしまった。

ユース様も突然アイリーン様がアルバート殿下に話しかけたことに、慌て出す。


「す、すみません、でも悪いのはセレステなんです!だから、俺は謝罪と婚約破棄を伝えました!」

「そうですよ!アルバート様もセレステ様に謝る様に言ってください!」


「そうか、君たちの言い分は聞いた」

「じゃあ!」

「でも、セレステ嬢がアイリーン嬢を害した事実は無いはずだよ」

「「え」」


二人は驚きの声をあげた。

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他にも、投稿しておりますので、ちらも読んで頂ければ幸いです♪


感想も頂ければ幸いです。

これからもどうぞ宜しくお願いします。


最後まで読んでいただきありがとうございました!

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