♥ 4基目 ── 魔王の塔は目前
──*──*──*── 552日目
約21日程の時間を掛けて、漸く大森林を出る事が出来た。
大森林を抜けてから更に約9日目にして、漸く4基目の魔王の塔──の頂上が見えて来た。
徒歩ばっかりの旅は本当に辛いや…。
早く馬車に乗って移動したいもんだ。
チコ、早く大人になって馬車を引いてくれ…。
魔王の塔に到着するには未だ数日は掛かるけど、やっと感がある。
大森林の中では台風被害を受けた所為で、予定していた2週間以上も掛かってしまった。
かなり進むペースが遅れている。
魔王の塔への到着が遅れて困る人は別に居やしないけど、別の大陸の勇者達に魔王の塔を先に攻略されるのは何とか阻止したい所だ。
魔王の塔が攻略された知らせは入ってないから、このままオレが攻略する迄は誰にも攻略されないでほしい限りだよ。
大森林で怪物を倒し捲ったお蔭もあって、チコのLVが3桁に上がった。
フィールドでもだが、ニュイが率先して怪物を倒してくれているお蔭で、オレだけじゃなくてチコやキーラにも経験値が入ってくれる。
いや、もう本当にニュイには感謝しかない。
例え酸弾を撃ちまくりたいだけだとしても、オレはニュイをメタメタに褒めたい。
少しずつだけど、チコにもトドメを刺す練習をさせている。
未々恐がって積極的に攻撃は出来ないけど、此処は辛抱強くチコに付き添っている。
見た目に反して弱々しくて、ビクビクしていて、キーラよりも臆病なチコが、手の付けられない程の暴れん坊に育つなんて、嘘なんじゃないかと最近は思い始めている。
因みにキーラのLVは4桁だった。
どゆことだよ!?
オレはLV4桁のキーアマイガラミアをテイムしたわけかよ…。
オレのLVは5桁だから、テイムする事は可能みたいだけど、あの大森林の中にLV4桁の怪物が居た事に驚いている。
精々3桁で500未満ばっかりだった筈だ!!
巨大化したキーラは高確率で戦力になってくれる事は間違いないんだが……、どうやら日光の下では眠りに就くらしい。
日向ぼっこが好きなのか、チコの背中に取り付けている籠の中で丸まって気持ち良さそうにスヤスヤと眠っている。
もしかしたら、キーラは夜行性なのかも知れないな。
昼間のキーラは役に立たないし使えない。
何よりも気持ち良く寝ているのを起こしたら可哀想だ。
大森林の中は日光が届き難かったし、ずっと薄暗かったからキーラも起きていたんだろう。
キーラに対しては予想外なミステイクだ…。
魔王の塔の中が明るかったら、キーラに戦闘へ参加してもらうのは難しいかも知れない。
それよりもポリシャが気掛かりだ。
ポリシャはLV999がMAXで、これ以上は上がらないらしい。
魔王の塔の中では、ポリシャにはチコと一緒に待機してもらわないといけないかも知れない。
精霊王:ホワギナロ
「 ……此処でキャンプをする… 」
エルフ:ポリシャ
「 はい 」
ホワギナロが言うとポリシャが素早く動いて準備に取り掛かってくれる。
ポリシャには後方支援で頑張ってもらおう。
戦闘中にしてもらうのはチコを宥める事しかないけど…。
恐がって震えてるだけでもLVが上がってくれるのが良い所だよなぁ。
マジで助かる!
アルト・ルキンツ
「 ──トッポに聞きたい事があるんだけど、いいかな? 」
トッポ:ハイエルフ
「 どうしたんだい、アルト 」
アルト・ルキンツ
「 うん…、ポリシャのLVの事なんだけど…。
ポリシャのLVの上限は999だよね? 」
トッポ:ハイエルフ
「 そうだね。
それがどうかした? 」
アルト・ルキンツ
「 魔王の塔を攻略する為にはさ魔王のLVに比例した強さの魔族と戦う事になるよね? 」
トッポ:ハイエルフ
「 その通りだけど、それが何? 」
エルフ:ポリシャ
「 LVの低いポリシャが心配になって来たんだ…。
勇者じゃないポリシャのLVを3桁以上に出来る方法ってないかな? 」
トッポ:ハイエルフ
「 駄目だよ。
それはボクが許さない。
ポリシャのLVは上げさせない 」
アルト・ルキンツ
「 方法はあるんだね?
どんな方法なのか教えてほしいんだけど 」
トッポ:ハイエルフ
「 教えない。
仮に教えたとしても、させないから! 」
アルト・ルキンツ
「 トッポ… 」
トッポ:ハイエルフ
「 いいかい、アルト。
君はボクだけのアルトだ。
ボク以外のアルトになるなんて許さない 」
アルト・ルキンツ
「 トッポ… 」
トッポ:ハイエルフ
「 ポリシャのLVは諦めなさい。
いいね 」
トッポめ、方法を知ってるのに教えてくれないのかよ…。
オレには教えないと言ったきり、トッポはホワギナロの方へ行ってしまった。
一体どんな方法なんだろうな??
気になるじゃないか!
ホワギナロは知ってるのか?
後でこっそりと聞いてみよう。
──とは言ったものの、トッポが寝ない事をうっかりしていた。
起きてるトッポの目を盗んでホワギナロに聞くのは至難の技だと思う。
こりゃ、何時聞けるか分からないな…。
その内、然り気無く聞ける時が来るかも知れない。
今夜は諦めよう…。




