♥ 旅の再開
──*──*──*── 522日目
1週間後の朝を迎えた。
この日は、ゴブリンの里を出発して旅を再開する日だ。
里長や住民のゴブリン達から見送られながら、ゴブリンの里を出発した。
気の良いゴブリン達ばかりで、確かにゴブリンに対する見方や考え方が変わった気がする。
子供達がオレとの別れを惜しんでガチ泣きしてくれたのが、オレ的には1番嬉しかった。
紙飛行機やジグソーパズルを大事そうに持って見送ってくれた。
ゴブリンの里を出るのに名残惜しく思うなんて微塵も思わなかったから、グッと来てたりする。
まぁ、今生の別れになるわけじゃないし、そんなに悲しむ必要もないんだが…。
オレ達は4基目の魔王の塔を目指して、大森林を抜ける為に歩き出した。
本当ならば、そろそろ大森林の出口付近に着いてる筈なんだが、エロフの里やゴブリンの里に滞在をしていた所為もあって、あまり進んでないかも知れない。
大森林に入った日から後数日で2ヵ月が経つって言うのに……。
移動中はチコの背中にキーラを乗せている。
落ちないようにチコの背中にはキーラ専用に作った籠を取り付けている。
キーラは5km先の危険を感知する事が出来るから助かっている。
ニュイが遠距離にも酸弾を飛ばせるから近付いて来る前に怪物を正確に確実に仕留めとくれる。
因みにニュイはチコの頭の上に鎮座して四方八方を見張ってくれている。
ニュイに射撃の早打ちをさせたら右に出る奴は居ないだろう。
某ネコ型ロボットアニメに登場する◯び太とかなりいい勝負になるかも知れない。
何せ、某13の◯郷,某STハンターの冴羽◯,某大泥棒の仲間の◯元◯介より速いらしいからな。
本当かどうかは知らんけど。
スマホがあったら直ぐに検索して確かめられたんだけどな…。
スマホが恋しい。
まぁ…そんな事は置いといてだ、早く大森林から出たいもんだ。
大森林に入ってから歩き続けて約15日後にはポリシャの故郷でもある≪ ケールナの里 ≫で4日も滞在して、≪ ケールナの里 ≫を出発して移動する事、約17日後に廃里化したゴブリンの里に到着した。
廃里で6日も滞在してから、歩き続けて約7日後にはゴブリンの里に到着した。
ゴブリンの里で約7日の滞在をしてから現在に至るわけだが──、約17日間を滞在に費やしているわけだから、それだけロスしている事になる。
今から約17日間を取り戻さないといけないって事だ。
いや……出発する日は滞在に入らないから省いて考えるべきか?
そうなると14日になるから2週間分を取り戻せばいいのか…。
これ以上は何処にも寄り道をしたり、立ち寄ったりは出来ないな。
いや、するべきじゃないんだ。
寄り道も立ち寄る事もしなければ、今頃は大森林の出口付近に居る予定なんだから──。
精霊王:ホワギナロ
「 ……この辺りでキャンプをする… 」
トッポ:ハイエルフ
「 そうだね。
少し早いけど、雲行きが怪しいからね 」
アルト・ルキンツ
「 雲行きが怪しいって?
また雨でも降るの? 」
エルフ:ポリシャ
「 そうみたい。
雨だけならいいんだけど…。
この風…嫌な感じがする… 」
トッポ:ハイエルフ
「 流石、森エルフだね。
風の違いが分かるエルフはそう居ないよ 」
アルト・ルキンツ
「 雨だけじゃないって事か…。
……また足止めを食らうかも知れないんだね… 」
トッポ:ハイエルフ
「 大森林の中は木々が生い茂っている所為もあって空が見えなくて天候が読めないからね。
大森林の上を飛んでる妖精から台風が接近してるって情報が入ってるし、台風が過ぎ去る迄は無理に移動するのは止した方がいいかもね 」
アルト・ルキンツ
「 また大森林を抜ける日が遠退くね… 」
トッポ:ハイエルフ
「 自然相手だから仕方無いよ。
大森林を抜けた先は異常気象の影響で天候が不安定になるから、今よりも移動が大変になるかもね 」
エルフ:ポリシャ
「 ──テントが張れました 」
トッポ:ハイエルフ
「 有り難う、ポリシャ。
アルト、テントに入って休んでいて 」
アルト・ルキンツ
「 分かったよ。
ニュイ,チコ,キーラ──、テントの中に入ろう 」
チコに取り付けている籠を外したら、キーラを出して籠をテントの外に置く。
履き物を脱いでからテントに入った。
因みにチコがテントに入る前は、ニュイがチコの足裏に付いた汚れを綺麗にしてくれる。
チコの足がニュイの酸で溶けたりしないか最初は心配になったけど、大丈夫そうで安心した。
オレがベッドの上に寝転がると、ニュイ,チコ,キーラが仲良く話を始める。
種族を越えたテムモン同士の親睦は何度見ても微笑ましいもんだ。
癒されるぅ〜〜(////)
入浴を終えて、食事を終えて、後は寝るだけだ。
ベッドの上で掛け布団を被ろうとすると、外で強風が吹いているのが分かる。
暴風と言った方が良いかも知れない。
テントが壊れる心配もテントが飛んでく心配も無いから安心して寝れるけど……、こうなる前にキーラをテイム出来て本当に良かったと思う。
キーラをテイムしてなかったら、キーラは暴風の中でどうなっていたやら…。
──っていうか、キーラの親って何処に居るんだろうな?
テイムした以上、キーラの親に遭遇してもキーラを返す事は出来ないわけだし…。
これで良かったのか悩む所だ。
キーラが良いならいいんだけど…。
早く大森林を抜けたい…。
テムモン達が楽しそうに戯れている様子を見ながら、オレは眠りに就いた。




