♥ 謎の影の正体とは…
──*──*──*── 515日目
廃里化したゴブリンの里を出発してから7日目の約17時頃──、とうとう別のゴブリンの里へ到着した。
トッポがゴブリンの里の里長に事情を話すと、里長とゴブリン達は快く生存したゴブリン達を受け入れてくれる事になった。
里の仲間として迎え入れてもらえる事になって、オレも一安心だ。
トッポは里長と物々交換を始めていた。
まさか…ポリシャの時みたいにゴブリンを仲間に加えるとか言わないよな??
頼むから止めてくれよ!!
──なんて心配していたが、必要なかったみたいだ。
このゴブリンの里は食料や物資不足で困っているらしい事が分かった。
トッポは下処理済みの肉,素材,香辛料,調味料,ハーブなんかを里長へ提供した。
里長は身体をブルブルと震わせながら涙を流して喜んだ。
そんなに酷かったのか??
ホワギナロはゴブリンの何人かに解体作業の手順,下処理の仕方,臓物の見分け方を教える事になった。
ゴブリンは魔法を使えない種族の為、ポリシャは石を使った簡易竃の作り方や簡易調理場の作り方をゴブリン達に教える事になった。
調味料,香辛料,ハーブ類を料理で使う方法を教えるのはトッポだ。
オレも何か役に立ちたくて、石鹸と蝋燭の作り方を教える事にした。
中学の夏休みの宿題の中に自由研究があって、オレは色んな種類の石鹸や蝋燭を作った事があったんだ。
前世の経験を役立てる時が来たぜ!!
道具は里に元々ある物を使う事にした。
オレが石鹸と蝋燭の作り方を教えるのは子供達だ。
子供達が石鹸や蝋燭を作れるようになれば、里に貢献が出来るからだ。
オレはゴブリンの子供達を集めると、協力してもらって道具を集める事から始めた。
日が暮れた頃、オレは1人で里の中を散歩していた。
時々こうやって、フラッと歩きたくなる時がある。
今日は石鹸を作ったから、明日は蝋燭を作ろうと思う。
夕方になると風が気持ちよく感じる。
暫く歩いていると、やっぱり視線を感じる。
トッポじゃないよな……。
後ろから襲って来て草むらで強姦紛いな事をして来ないよな??
ビクビクしながら歩いていると、影が見えた!!
テントに映っていた影と同じだ!!
オレは装備している剣の柄に手を伸ばした。
必要によっては斬る覚悟は出来ている。
周りに誰も居ない事を確認したオレは、鞘から剣を抜いて振り返った!!
──剣を構えたオレの前に居たのは、「 キーキー 」と鳴いている怪我をした怪物だった。
どんな怪物かと言うと、蛇だ。
蛇と言ってもオレが知っている一般的な蛇じゃない。
足が4本あって歩くんだ。
頭が9個もある蛇だ。
ヤマタの大蛇とは一寸違うと思う。
足があって歩く蛇の怪物なんて生まれて初めて見た。
オレは構えていた剣を鞘へ入れると、テイム用のピコハンを構えた。
名前は知らないが、蛇の怪物は負傷しているみたいだから、態々此方から攻撃をしてダメージを与える必要もないと思う。
オレは恐る恐る、ピコハンを降り下ろして蛇の怪物を軽く叩いた。
ピコハンは「 ピッキュン 」と可愛い音を鳴らした。
どうやらテイムを出来たらしい。
〔 キーアマイガラミアのテイムに成功しました 〕
〔 キーアマイガラミアを永久テイムしますか? 〕
〔 永久テイムをする場合は、名前を付けてください 〕
アルト・ルキンツ
「 名前か……。
キーアマイガラミア…だから……、……キーラ。
よし、君の名前は “ キーラ ” だ! 」
〔 キーアマイガラミアの名前は “ キーラ ” に決定しました 〕
〔 480000マナを対価として消費します 〕
消費するマナ量が多過ぎるだろ!!
チコの時もそうだけど、ぼったくり過ぎだっつーーーの!!
〔 キーアマイガラミアの言語を理解する為にマナを消費しますか? 〕
アルト・ルキンツ
「 分からないと困るから、理解するよ 」
〔 キーアマイガラミアの言語を理解する為に8500マナを対価として消費しました 〕
少なっ!!
言語理解に必要なマナ量、少なっ!!
此方としては有り難いんだけど……支払うマナ量がデタラメ過ぎる…。
ま、まぁいいか。
兎に角、テイムが出来たわけだし、良しとしよう。
オレはピコハンを腰のホルダーへ戻すと、負傷しているキーラを抱っこした。
「 キーキー 」と鳴いているが暴れる様子はない。
アルト・ルキンツ
「 テントへ戻ったら直ぐに手当てするからね 」
キーラ
「 キーキー 」
オレは急いでテントへ戻った。
トッポ:ハイエルフ
「 ──アルト、何処に行ってたの?
勝手に──、アルト…それは? 」
アルト・ルキンツ
「 さっきテイムしたんだ。
怪我をしているみたいだから、手当てをしてあげたいんだけど……。
トッポはキーアマイガラミアって怪物を知ってる? 」
トッポ:ハイエルフ
「 キーアマイガラミア?
知ってるけど…。
兎に角、テントに入って 」
オレは履き物を脱いでから、テントの中へ入った。
ニュイ
「 にゅにゅ〜〜。
にゅにゅ? 」
アルト・ルキンツ
「 ただいま、ニュイ。
新しい家族だよ。
さっき僕のテムモンになったキーアマイガラミアのキーラだよ。
ニュイとチコの弟だから、仲良くしてほしい 」
ニュイ
「 にゅにゅ〜〜 」
キーラ
「 キーキー 」
ニュイ
「 にゅにゅ 」
キーラ
「 キーキーキー 」
ニュイ
「 にゅにゅ〜 」
アルト・ルキンツ
「 怪我をしているから手当てをしたいんだ。
ニュイも手伝ってくれるかい? 」
ニュイ
「 にゅ! 」
トッポとニュイがキーラの手当てを手伝ってくれる事になった。
トッポがキーラに対する手当ての仕方を丁寧に教えてくれる。
キーラが怪我を負っている場所にトッポ特製の傷薬を丁寧に刷り込む。
ニュイは不安がっているキーラを安心させてくれている。
キーラの手当てが終わったら、オレはモンスター図鑑を出して見る事にした。




