♥ キャンプしようぜ! 1
◎ サブタイトルを変更しました。
──*──*──*── 502日目
498日から更に徒歩での移動で3日後──、漸くオレ達はゴブリンの里へ到着した。
ゴブリンの里──だったと言うべきか…。
其処には確かに数日前までは里があったのだろうと思う。
ゴブリンの里だった筈の里は無惨な廃墟と化していた。
一体全体何が起こったって言うんだ?
完全に壊滅していて、ゴブリンだった残骸が惨たらしい状態で元里の中に転がっていた。
アルト・ルキンツ
「 ……、……これって…どうしたんだろう?
何でこんな事に…… 」
トッポ:ハイエルフ
「 ──これじゃあ、生存者は居なさそうだね。
まぁ…時間も時間だし、今晩は此処でキャンプをしよう 」
アルト・ルキンツ
「 えっ?!
此処でキャンプするの?!
何が起きたのか分からない場所でキャンプをする気なのかい?! 」
トッポ:ハイエルフ
「 そうだよ。
なんだい、アルトは怖いのかな?
ふふふ、大丈夫だよ。
妖精に見張らせるし、何が起きたのかも妖精に調べさせるから。
キャンプ地から出なければ安全だから 」
トッポが「 バッチん♥ 」とオレに向けてウインクを飛ばして来る。
ウインク如きで、ときめかないからな!!
トッポは話にならないから駄目だ。
此処は信頼の安心感の化身様でもあるオレのホワギナロに直談判するしかない!!
アルト・ルキンツ
「 ──ホワロ、トッポは勝手にあんな事を言ってるけど、ホワロはどう思う? 」
精霊王:ホワギナロ
「 ……ブェイは何処でキャンプをしても構わない…。
……ブェイはトッポの好きにさせる… 」
アルト・ルキンツ
「 そ…そう…… 」
精霊王:ホワギナロ
「 ……不安に思うアルトの気持ちは分からなくはない…。
……キャンプ地から出なければ安全だ… 」
アルト・ルキンツ
「 そ…そうだね… 」
ホワギナロも駄目だった…。
原因不明の壊滅をして廃里化している元ゴブリンの里でキャンプをする事が決定した。
何かに貪られたゴブリンの残骸が散らばっている場所でキャンプをする事になるなんて、ベビーでハードじゃないかよ!!
トッポ:ハイエルフ
「 ニュイ、目障りだからゴブリンの残骸や死体を片付けて来てくれるかな。
万が一にも生存者が居たら、喰べずに連れて来るように。
手当てをして事情を聞きたいからね 」
ニュイ
「 にゅにゅ♥
にゅにゅ~~! 」
トッポの言葉にニュイは嬉しそうにジャンプをすると廃里の中へ消えて行った。
トッポ:ハイエルフ
「 じゃあ、ボクは周辺の見回りをして来るね。
ホワロ,ポリシャ──、アルトとチコを頼むね 」
精霊王:ホワギナロ
「 ……任せろ… 」
エルフ:ポリシャ
「 行ってらっしゃい、お兄様 」
既に簡易竃と簡易調理場を土魔法で作り終えていたポリシャが、笑顔で兄のトッポを見送った。
エルフ:ポリシャ
「 アルトはチコとテントの中に居てね。
入浴は念の為、お兄様が戻って来てからの方が良いと思うわ 」
アルト・ルキンツ
「 そうだね…。
そうするよ…ポリシャ姉さん 」
エロフのポリシャは今やすっかりオレのお姉さんに成りきっている。
前世のオレは一人っ子だったから、兄とか姉とか新鮮だったりする。
まぁ…ポリシャは姉って言うよりも、お母さんって感じなんだけどな…。
オレはチコと一緒にテントの中へ入って、ポリシャに呼ばれるまで身体を休ませる事にした。
トッポが見回りから戻って来てから、チコと入浴を済ませたオレは寝間着に着替えて、出来上がった夕飯を食べた。
今夜のメインデイッシュは川魚の身を解して作られたフェラッボと言われる料理らしい。
オレの知らない魚料理だけど美味かった。
解して使われた川魚の身は何種類もの川魚が使われていて、ブレンドされているわけだ。
ポリシャが作ってくれた力作のスープも美味しかった。
今回のスープには山菜がふんだんに入れられていて、スープに入っている川魚のツミレの臭みやエグ味を取ってくれている。
オレは魚のエグ味が苦手だから、ポリシャが気を利かしてくれたみたいだ。
川魚の骨,皮,鱗なんかは粉砕してから、ツミレに混ぜてくれているから食べ易い。
実は、このツミレはオレがポリシャに教えた物だったりする。
いやね、まさか皮や鱗まで粉砕して入れるとは思わなかったけどな!!
川魚の出汁を取った後の出涸らしや腸なんかはチコが喜んで食べてくれた。
夕食を済ませてもニュイはキャンプ地へ戻って来ない。
心配なんだが…。
アルト・ルキンツ
「 ホワロ,トッポ……ニュイが戻って来ないけど大丈夫なのかな?
ニュイの身に何か遭ったんじゃ…… 」
トッポ:ハイエルフ
「 それは無いね。
LV5桁のニュイが簡単に殺られたりするわけないよ。
相手の方が返り討ちに合うよ 」
精霊王:ホワギナロ
「 ……言えてるな…。
……ニュイの酸弾で溶かせない物体は無い…。
……帰って来る… 」
アルト・ルキンツ
「 ……うん… 」
ホワギナロもトッポもニュイの強さを疑っていないみたいで、全く以てニュイの心配をしていない。
まぁ…ニュイが強いのは、テイマーのオレも認めるけど……飼い主としては純粋に心配なわけでして……。
トッポお手製のココアも今はオレの喉を通らないわけで……。
アルト・ルキンツ
「 あっ、そうだ。
トッポ──、今更なんだけどさ、最初に通る予定だった道が利用出来なくなった原因って何だったのかな? 」
トッポ:ハイエルフ
「 あぁ…それね。
そう言えばアルトには未だ話してなかったね 」
アルト・ルキンツ
「 うん…。
原因は判明したのかい? 」
トッポ:ハイエルフ
「 あれはね──、使い魔の大量発生が原因だったんだよ 」
アルト・ルキンツ
「 使い魔の大量発生??
使い魔って……魔族の??
だけどさ、魔族ってフィールドじゃなくて魔王の塔に出現するんじゃないのかい?
どうしてフィールドで大量発生したんだろう?? 」
トッポ:ハイエルフ
「 さてね。
誰が何の為にフィールドへ使い魔を大量発生させたか迄は知らないね。
何処の誰が犯人でも興味は無いよ 」
アルト・ルキンツ
「 そうなんだ… 」




