♥ ケールナの里を目指して 2
──*──*──*── 480日目
エロフ──いや、ポリシャが一時的なパーティーメンバーに加わってからキャンプをした3日目の日暮れ頃に雨が降りだ出した。
雨の降る中での移動は危険が伴う事もあり、雨が止むまでキャンプ地で待機する事になった。
雨は5日間も降り続け、小降りになる事もなく、大降りで降り続けた。
大森林に生息する種族にとっては恩恵の雨だから喜ばれるらしいが、旅をしているオレにしてみれば迷惑被る雨でしかなかったのは、言うまでもないよな??
馬車でもあれば、雨の中でも移動する事があるんだけど、馬車を引く事の出来るチコは未だに馬車を引ける程に成長していない。
いや、まぁ……5日間の雨が降り続ける間に大きくはなった。
インスタントコーヒーが200g入った瓶ぐらいの大きさ── アイロンぐらいの大きさと例えた方が分かり易いだろうか? ──だったチコも今では首を長くした扇風機程の高さにまで成長している。
本当にデカい文鳥って感じだ。
だけど、明らかに文鳥とは違う部分がある。
頭の左右にツノみたいな突起物が生えて来ているんだ!!
いや、どう見てもツノだ…。
何で鳥の頭にツノが生えるんだよ??
Why??
それも唯のツノじゃなくて、邪悪で悪魔的なヤバそうなツノだ…。
どゆこと??
アルト・ルキンツ
「 ……、……やっぱりチコも怪物なんだね… 」
トッポ:ハイエルフ
「 グリンフェルノーツは怪物だと思われてるみたいだけど、本来は魔獣だよ 」
アルト・ルキンツ
「 えっ??
魔獣?? 」
トッポ:ハイエルフ
「 そうだよ。
動物や怪物のツノとは明らかに違うからね 」
アルト・ルキンツ
「 えと……魔獣って魔族なんだよね??
テイム出来るの?? 」
トッポ:ハイエルフ
「 テイムが出来るのは魔獣,使い魔…辺りかな。
後は召喚術で呼び出して主従契約を結ぶしかないね。
契約の代償は主となる者の心臓と魂を捧げる事になるけど 」
アルト・ルキンツ
「 心臓と魂は絶対なのかい? 」
トッポ:ハイエルフ
「 当然だよ。
魔族を契約で縛ってコキ使うんだから、心臓と魂ぐらい対価にしないと割りに合わないよ。
心臓はコレクションだね。
魂は消滅しない程度に加減して遊ぶんだよ 」
アルト・ルキンツ
「 遊ぶ??
……魔族は人間の魂で遊ぶの?? 」
トッポ:ハイエルフ
「 その為の対価だよ。
主従契約を結ぶとどんなに不当な扱いを受けても主に逆らえないからね。
契約した主が死んだら、心臓と魂を回収して復讐するのさ。
魔族の遊びは人間の考える拷問なんかよりも1000倍は酷いもんだよ。
人間の拷問なんかおままごとに見えるよ 」
アルト・ルキンツ
「 そ…そうなんだ… 」
残虐非道な人間の拷問がおままごと見える程の魔族の遊びって……どんなにグロくてエグいんだよ…。
歴代の人間達が考えて執行して来た拷問だって、相当ヤバいもんだけど……それを上回る魔族の遊びか……。
死んだ罪人の魂が地獄巡りさせられるぐらいヤバいんだろうか…。
トッポ:ハイエルフ
「 魔族なんかと主従契約なんてしないに限るよ。
契約するなら対等な契約をした方がいいね。
来世に生まれ変わりたいなら──だけど 」
アルト・ルキンツ
「 魔族とは…関わらない方が良さそう…だね… 」
トッポ:ハイエルフ
「 大丈夫だよ、アルト。
魔族なんかにアルトを触れさせたりしないから。
魔族なんか妖精に始末させるし。
安心して♥ 」
アルト・ルキンツ
「 ……、……有り難う…トッポ… 」
やっぱ、コイツはヤバい方の妖精王だ……。
魔族を妖精に始末させるとか──、どう考えても異常としか言えないぜ!!
話題を魔族から変えなければ──。
アルト・ルキンツ
「 えぇと──、チコをテイムしたテイマーて実は凄いテイマーだったのかな? 」
トッポ:ハイエルフ
「 そうでもないよ。
さっきも言ったけと、グリンフェルノーツは怪物だと勘違いされているから、人間は魔獣だって事を知らないんだ。
だから、グリンフェルノーツの巣から卵を盗み取って来ては孵化させるんだよ。
そのテイマーは卵を買って、テイムしてから孵化させたんじゃないかな? 」
アルト・ルキンツ
「 卵をテイムする事が出来るの? 」
トッポ:ハイエルフ
「 出来るよ。
卵は無防備だからテイムをし易いからね。
期待していた怪物が生まれなかったから捨て場にゴミと一緒に捨てた──って所かな? 」
アルト・ルキンツ
「 酷いね…。
生まれたのが期待していた怪物と違ったからって捨てるなんて…… 」
トッポ:ハイエルフ
「 卵から孵化させた怪物を捨てる事は違反だから、見付かると厳しく罰せられる事になるんだよ。
何せ生まれたての赤ん坊を捨てる事になるからね。
本来ならば捨てるんじゃなくて、卵を買った店へ雛鳥を連れて行くべきだったんだよ。
そうすれば、孵化させた感謝料が貰えるし、雛鳥も受け取ってもらえたんだからね 」
アルト・ルキンツ
「 そうなんだね…。
じゃあ、チコを捨て場のゴミの中に生き埋めにしたテイマーは今頃大変な事になってるかも知れないね…。
捨て場に戻ってチコを探しても何処にも居ないんだから…… 」
トッポ:ハイエルフ
「 あぁ、それなら大丈夫だよ。
チコの死体を作ってゴミの中へ放置しといたから、テイマーは生まれたての雛鳥を死なせた罪で今頃はテイマーを剥奪されて牢屋に入れられてるかもね 」
アルト・ルキンツ
「 えっ?? 」
トッポ:ハイエルフ
「 だから、チコを捨てたテイマーがアルトを追って来る事はないよ 」
アルト・ルキンツ
「 ……、……、……チコの死体を作った?? 」
トッポ:ハイエルフ
「 妖精に作らせたんだよ。
大丈夫だよ、偽物だってバレないように作ってるから♥
今頃は埋葬されてるんじゃないかな? 」
アルト・ルキンツ
「 そ…そう…… 」
コイツ…妖精に死体を作らせる事も出来るって言うのかよ?!
……、……、……こわ…。
アルト・ルキンツ
「 えぇと……チコのツノって何に使うのかな?
検討も付かないや…ははは…… 」
トッポ:ハイエルフ
「 ツノには手綱を巻き付けるんだよ。
両方のツノに均等に刺激を1回与えると真っ直ぐ歩くし、刺激を2回与えると走るよ 」




