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♥ 宿泊施設 1 / 宿泊室 1


──*──*──*── スタジアム・1階


──*──*──*── 宿泊施設


──*──*──*── 施設室


 フード付きマントを脱いだオレはベッドに腰を下ろして座っている。


 オレと向き合うようにもう1つのベッドにはトッポが腰を下ろして座っている。


 ちなみにニュイ(バブルスライム)はオレが座っているベッドの上で、オレのマントに遊んでいる。


 微笑ましい光景に顔も緩む。


 トッポに確かめないといけない事があったんだ…。


アルト・ルキンツ

「 トッポ…ほかにも仲間がるって言ってたけど、どういう事なの? 」


トッポ:ハイエルフ

「 スタジアムを停電にしてテムモンを奪おうと考える大それた作戦だからね、少人数では出来ないよ。

  それなりの人数がると考えるべきだね 」


アルト・ルキンツ

「 ……、……それで…テムモンフードコート以外のやからニュイ(バブルスライム)に負かされた仲間を置いて逃げたの? 」


トッポ:ハイエルフ

「 逃げてないよ。

  誰1人だってスタジアムの外には出てない 」


アルト・ルキンツ

「 どうして? 」


トッポ:ハイエルフ

「 妖精に足めをさせたからね 」


アルト・ルキンツ

「 足め?

  足めって…妖精になにをさせたの? 」


トッポ:ハイエルフ

「 大した事はさせてないよ。

  動けないように両脚と両腕を逆方向へ折らせたのと、中の骨を砕かせたぐらいかな。

  全然大した事ない 」


アルト・ルキンツ

「 ……、……、……は??

  えと……なんて?? 」


トッポ:ハイエルフ

「 早口だった?

  じゃあ、ゆっくり言うね。

  動けないように両脚と両腕を逆方向へ折らせたあと、中の骨を砕かせたぐらいだよ 」


アルト・ルキンツ

「 ……、……、……へ? 」


トッポ:ハイエルフ

「 どうしたのさ?

  まるで鳩が豆鉄砲を食らったような顔になってるよ 」


アルト・ルキンツ

「 ちょっ……僕の聞き違いじゃないよね?! 」


トッポ:ハイエルフ

「 聞き違い?

  アルトは、どう聞き違えたんだい? 」


アルト・ルキンツ

「 えぇと……動けないように両脚と両腕を逆方向へ折らせたあと、骨を砕かせた──って聞こえた気がしたんだけど? 」


トッポ:ハイエルフ

「 ちゃんと合ってるよ。

  逆方向へ折っても動けるからね。

  骨を砕いて両腕を使えなくすれば這う事も出来ないし、立ち上がる事も出来ないよ 」


アルト・ルキンツ

なんで…そんな事……いくら犯罪者だからって、やり過ぎじゃないかな?

  過剰防衛みたいな? 」


トッポ:ハイエルフ

なになまぬるい事を言ってるんだい、アルト。

  ≪ マーザッカイ大陸 ≫では犯罪者に人権は与えられないんだよ。

  犯罪奴隷として過酷な労働を死ぬ迄タダ働きさせる世界だよ。

  食事なんて自分の排泄物(糞尿)で済ませるのが当たり前だし 」


アルト・ルキンツ

「 えっ……食事が自分の……嘘…だよね…?? 」


トッポ:ハイエルフ

「 嘘じゃないよ。

  犯罪者の最後なんて、そんなものだよ。

  死んでも弔ってもらえないし、深く掘られた溝に落とされて、土を被せられて終わりだよ。

  溝は生ゴミ捨て場としても使われるから── 」


アルト・ルキンツ

「 えぇっ?!

  死んだあとって、そんな扱いされるの!? 」


トッポ:ハイエルフ

「 犯罪奴隷に落とされた犯罪者の末路がだよ。

  今回の彼の場合は犯罪奴隷には落とされないかも知れないね。

  全員、物凄い重体だから。

  全治一生涯になるんじゃないかな。

  死ぬ迄、牢屋の中か粗末なベッドの上かもね 」


アルト・ルキンツ

「 そんな… 」


トッポ:ハイエルフ

「 犯罪奴隷に落とされて生きるよりはいくぶんかマシだと思うけど? 」


アルト・ルキンツ

「 ……、……そうかもだけど… 」


トッポ:ハイエルフ

「 あっ、もしかして犯罪奴隷に落としたかった?

  御免ね…気が利かなくて… 」


アルト・ルキンツ

「 トッポ… 」


トッポ:ハイエルフ

なにかな? 」


アルト・ルキンツ

「 やっぱり…やり過ぎだよ…。

  骨まで砕く必要はなかったと思うんだ… 」


トッポ:ハイエルフ

「 そうかな。

  2度と悪事が出来ない身体からだにしてあげたんだよ。

  感謝されど文句を言われる筋合いはないね。

  況してや責められるなんて心外だな。

  これは彼の為でもあるんだよ。

  悪い心掛けはなか(なか)変えられないけど、五体不満足なら悪事をしたくても出来ないからね。

  あぁ……だ口があったね。

  口があると詐欺とかするかも?

  アルト、ついでに口も塞いじゃおうか? 」


アルト・ルキンツ

「 しなくていいよ… 」


 コイツ…マジでヤバい奴だ。


 いや、確かにオレも一時期は「 悪人に慈悲や情けなんて掛ける必要はない! 」って思ってたけどさ、トッポの対処法は異常だし狂気だ…。


 人間の事なんかなんとも思ってないみたいだし、全然わるぶってない。


 まるで当然の対処法だとでも思っているみたいだ。


 妖精王トッポとの価値観がにも違い過ぎる…。


 いや、まぁ…結局は犯罪に手を染めてる奴が1番悪いとは思うけど…。


 栄養失調の弟になにかを食べさせたくて、林檎を盗む子供とはレベルが違う悪事を働いてるわけだし……。


トッポ:ハイエルフ

「 アルト、妖精からの定期報告がたよ。

  スタッフ以外にも殺されていた人がたみたいだよ。

  移動する犯罪者の通行の邪魔になったんだろうね。

  冒険者やテイマーが殺されてるって。

  警備隊や警備兵もて、被害者の遺体を回収してる最中みたいだよ 」


アルト・ルキンツ

ほかにも被害者が…。

  テイマーもって事は、テイムされたテムモンはどうなるの?

  野生に返されるのかな? 」


トッポ:ハイエルフ

「 テイマーにテイムされて飼いなさらされたテムモンは野生には帰れないよ。

  生きていけないからね。

  スタジアムが管理しているテムモン保護施設があるから、へ護送されるよ 」


アルト・ルキンツ

「 護送されるの? 」


トッポ:ハイエルフ

「 そうだよ。

  テイマーを亡くしたり、テイマーに捨てられて行き場を無くしたテムモンが余生を送る為の施設だね。

  テムモンにも心のケアは必要だから、テムモンカウンセラーやテムモンドクターもる。

  自然に近い環境が整っている施設だよ。

  関係者以外立ち入り禁止になってるけど 」


アルト・ルキンツ

「 そんな所があるんだ… 」


トッポ:ハイエルフ

「 野良テムモンにならないように手厚く保護される仕組みになってるよ 」


アルト・ルキンツ

「 そ…そうなんだ? 」


トッポ:ハイエルフ

「 今回、テイマーを亡くしたテムモンはテムモン保護施設に護送される事になるね。

  テイマーとの絆が切れるのは、とてもつらい事だよ 」

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