♥ 白熱するテムバト!!
ニュイは「 今だぜ!! 」とばかりに苛々しているテムモンに対して、挑発をかます。
ちょこまかと動き回り攻撃しても手応えを感じない弱小スライムから挑発をされて、冷静さを失い怒り狂った。
頭に血が上り怒髪点に達したのだ。
ニュイは「 チャ〜〜ンス❇ 」とばかりにテムモンへ反撃を仕掛ける。
分裂して多方向から一斉攻撃を始めた。
勿論、倒してしまわないように威力は加減している。
弱小スライムの意外な反撃に観戦客達のボルテージが上がる上がる。
絶対に勝てやしないテムモンへ奮闘している弱小スライムの健気な姿に涙を流す観戦客もチラホラ居る。
諦めない弱小スライムのニュイを応援する声もチラホラ聞こえる。
怒りで冷静さと理性を失ってしまったテムモンは、完全にキレてしまっている。
ニュイは「 此処ぞ! 」とばかりに手加減をしてテムモンへ体当たりを何度も繰り返す。
怒り狂っているテムモンのなりふり構わない攻撃を器用にかわしながら、体当たりを続ける。
その光景はまるで壁にぶつけたボールがバウンドして手元に戻って来るみたいな感じと似ているかも知れない。
ニュイはテムモンを踏み台にして高くジャンプすると巨大化をする。
そのままテムモンの上に着地すると、のしかかり攻撃に移った。
巨大化したニュイの重さはテムモンが力一杯どんなにもがいてもピクリ…ともしない。
それもその筈で、ニュイの体内には内分泌されている酸が大量に貯蓄されているのだ。
スライムは大した重さが無くて幼児にも簡単に持ち上げる事が出来る程に軽い怪物として、世界中に知られており常識となっている。
誰もスライムの体内で酸が作られているなんて思わない。
ニュイの体内には大量の高濃度の酸がタップリと入っている。
巨大化をすれば酸の量も自然に増えるのである。
そんなわけで、ニュイの重さに耐えられなくなったテムモンは力尽きると戦闘不能になった。
審判の判定により1:50の勝ち抜きバトルの1回戦勝者はテムバトに初出場した挑戦者の新米テイマー、アルト・セイファード・ルキンツのテムモンが勝ち星を上げた。
観戦客から拍手喝采の嵐が起きた。
あの弱小スライムが、プロテイマーのテムモンに勝ってしまったのだから、予想外の大旋風が起きたのは言うまでもない。
勝ち抜きバトルである為、ニュイは休む暇もなく、次の対戦相手のテムモンがバトルコートに現れる。
2回戦の始まりだ。
1:50の勝ち抜きバトルの最後のバトル──50回戦目を勝利したテムモンは、言う迄も無くニュイだった。
ニュイは初出場,初参戦,初テムバトにて見事に強敵である50体のテムモンを打ち負かし、勝利したのだ。
アルト・ルキンツ
「 ──ニュイ〜〜!!
最後まで諦めずに頑張ってくれたね!
凄いよ、ニュイ!!
ニュイは僕の誇りで自慢のテムモンだよ!!
有り難な、ニュイ! 」
ニュイ
「 にゅにゅ〜♥ 」
ニュイは両腕を広げて「 おいで 」と迎えてくれているアルトの胸に飛び込むと嬉しそうに体をスリスリとさせて甘える。
アルト・ルキンツ
「 よ〜し、よしよしよしよしよし。
偉いよ、ニュイ!
君は最高のテムモンだよ 」
ニュイ
「 にゅにゅ〜〜♥ 」
ニュイと勝利の抱擁をしていると、審判から景品とマナはスタジアム内にあるテムモンショップで受け取るように言われた。
オレはニュイと共に早々にバトルコートを去る事にした。
バトルコートから出たオレは観戦席に居たトッポと合流してから、トッポの案内でテムモンショップへと向かった。




