♥ テムバト出場するぜ!!
──*──*──*── 462日目
──*──*──*── スタジアム
──*──*──*── バトルコート
オレは今、テムバトに出場している。
1:50の勝ち抜きバトルにエントリーしているオレは、バトルコート外に立っている。
実際にテムバトをするのはオレのテムモンでもあるニュイだ。
ニュイはメチャクチャ張り切っている。
早くバトルをしたくてウズウズしているみたいだ。
ニュイにはバトル中に酸関係の技,呑み込み,消化の使用を禁止している。
多分、約束を守って使わないでくれると思う。
オレはハラハラしている。
ニュイがプロテイマーのテムモンとどんなバトルを繰り広げるのか、至極ハラハラしている。
心臓はドキドキじゃなくて、バクバクしている。
使用禁止をした技以外でニュイが使える技は、体当たり,分裂,巨大化,のしかかり,挑発の5つだ。
うん、LV5桁もあるニュイの攻撃だから、体当たりや分裂からの一斉攻撃で勝利しそうな気がする。
ニュイに掛かれば、50体抜きは軽いだろうな。
でも、オレは精一杯ニュイを応援するぞ!!
ニュイ
「 ニュイーーーー!!
どんな時もガッツだぞーーー!! 」
ニュイ
「 にゅ?
にゅにゅ〜〜♥ 」
ニュイはオレの声援を聞いて嬉しそうにピョンピョンと跳び跳ねている。
はぁあ〜〜〜〜(////)
張り切ってはしゃいでるニュイも可愛いなぁ(////)
バトル前なのに体を左右にプルプルと揺らしてるニュイの後ろ姿はまるでプルンプルンのゼリーみたいだ。
本来のガチなニュイのLVやステータスなんかは、トッポの力で弱いLVとステータスに変更されている。
いや、違うか……上から偽物のLVとステータスを張り付けて隠している感じかな?
実はオレも良く分かってなかったりする。
トッポに聞いても「 ひ・み・つ♥ 」とか言われて教えてもらえないから分からないんだ。
審判の「 テムバト〜〜〜〜、ファイト!! 」の合図でバトルが始まった!!
対戦相手のテムモンは、これまた見た事のないテムモンで、一体何処でテイムして来るんだろうな?
ニュイよりも大きくて如何にも強そうだ。
これが賭けバトルだったら、観戦客は1000%対戦相手のテムモンが完全勝利すると信じて全財産を注ぎ込む事だろう。
そうなれば前代未聞な面白い事態になっていて、さぞや見物だっただろうにな。
実に残念ではある。
だって、プロテイマーのテムモンに挑戦するテムモンは小さなスライムなんだぞ。
誰1人だって、テムバト初参戦の新米テイマーがテイムした初心者用スライムがプロテイマーのテムモンに挑んで勝てると思うか?
いや、思わないね!
オレのニュイはテムバト以来初のダークホース的存在になると思っている。
アルト・ルキンツ
「 ニュイーーーー!
ファイトぉ〜〜〜イッパーーーツ!! 」
ニュイ
「 にゅにゅにゅ〜〜〜!! 」
血肉が騒ぐような観戦客の歓声に負けないように、オレはニュイへ向けて腹から声を出して精一杯の応援をする。
ニュイの勝利は分かりきっているけど、大声で必死に応援するのは嫌いじゃない。
ニュイは立ち塞がるように立っている巨大で強そうなプロテイマーのテムモンを前に小さな体をプルプルと震わせている。
プロテイマーのテムモンが恐ろしくて武者震いをしているのではなく、「 えっ、マジで? チョロすwwww 」ってな感じで体をプルプルと震わせているのだ。
ニュイからして見れば、≪ ランダントピアの街 ≫に滞在しているテムモンは全てザコ怪物と何等変わらないのである。
目隠しをしていても必ず勝てる──というヤツである。
ニュイにとってはテムバト等、茶番劇に過ぎないのである。
楽勝なバトルだからと言って、秒で勝利してしまっても味気無いものだ。
テムバトは謂わばエンターテイメントであり、娯楽である。
テムモンにとってテムバトとは、自身のテイマーや観戦客を全力で楽しませる為の一大イベントだと言っても過言ではない。
要は如何に自身の輝かしい凄さ,素晴らしさ,強さ,賢さ,勇猛果敢さ,雄々しさ等々を見せ付けて知らしめる為に、アピールする絶好のチャンスを提供してくれる重要な見せ場なのである。
対戦相手のテムモンが咆哮する。
繰り出される切れのある激しく攻撃力の高い攻撃も難なくギリギリでかわすニュイは、ポヨンポヨン,プヨンプヨン,ピョンピョンと如何にも必死に攻撃をかわしているように見せている。
爆風に飛ばされたように見せ掛けてはテンテンテン……て転がってみたり、スレスレに避けた攻撃に如何にも当たったかのように見せ掛けてコロコロ……と転がってみたり、如何にも地面のコートにぶつかったかのように見せ掛けてポヨンプヨンと跳ねてみたりと彼是工夫しながら、逃げ足の早い弱小スライムを演じていた。
コート外では大好きなアルトが応援してくれている。
アルトの声援を背に受けて、ニュイは必死に頑張る。
弱っちくて瞬殺するのも容易いたテムモンに対して、如何にも強敵であると見せ掛けているテムモンへ勇猛果敢に諦めずに挑み続ける健気だけど弱小スライムのニュイを──だ。
ニュイは以外と役者だった。
ニュイのプロも顔負けする程の迫真の演技に対して、審判も対戦相手も対戦相手のテムモンもアルトも観戦客もすっかり騙されている。
騙されないのは妖精王のトッポと不在中の精霊王のホワギナロぐらいである。
相手のテムモンは休まずに容赦なく攻撃を繰り出して来る。
中々倒せず無駄にすばしっこいニュイに対して苛ついて来ている様子だ。
ニュイは見逃さなかった。
◎ テムモンバトル中のニュイ視点に挑戦してみました。




