♥ テムバト観戦しようぜ!! 2
アルト・ルキンツ
「 ──バトルをするのはテムモン自身です。
テムモンのバトル中、テイマーはテムモンへの指示,アドバイス,ヒント等を与える行為または、自身のテムモンや対戦相手のテムモンへの罵倒,罵り,怒鳴り散らす等のテムモンへ負を与えるような行為は禁止しています。
テムモンバトルは純粋にテムモン同士のバトルを楽しんでもらうイベントです。
テイマーはコート外にてテムモンを見守る側に徹します。
テムモンを見守りながら、テムモンを応援,励まし,褒める等してテムモンのやる気を上げましょう──って書いてある。
テイマーはテムモンに指示を出せないのか… 」
トッポ:ハイエルフ
「 テムモンが使える技が決め手になるだろうね 」
アルト・ルキンツ
「 ニュイが使える技は沢山あるけど……酸は封印した方が良いかな? 」
トッポ:ハイエルフ
「 そうだね。
ニュイなら酸以外の技でも十分勝てるよ。
何せ本来のLVは5桁だからね 」
アルト・ルキンツ
「 あはは……確かにね。
体当たりだけで勝てそうな気がするよ… 」
ニュイ
「 にゅ〜? 」
アルト・ルキンツ
「 これから始まるバトルは──、3:3のチームバトルか。
どんなテムモンがバトルするんだろう?
楽しみだよ♪ 」
トッポ:ハイエルフ
「 始まるまで時間があるし、お弁当を食べながら待とう 」
アルト・ルキンツ
「 そうだね 」
トッポからお弁当を受け取ったオレは、お弁当を食べ始めた。
お弁当を食べ終わって、飲み物を飲んでいるとテムモンバトルが始まるサイレンが鳴り出した。
お昼を知らせるサイレンみたいだな。
どうやらテムモンバトル開始15分前にサイレンが鳴るらしい。
空になった使い捨ての弁当箱や飲み物入れは、ニュイが体内の酸で消化してくれるからゴミ箱要らずで助かる。
因みにニュイはオレの頭の上に鎮座している。
何でもテムバト観戦中にオレを狙う輩が居たら仕留めるつもりでいるらしい。
スライムという種族は360度が視界になっているらしく、見張り役をさせるには持って来いなんだとか。
そうこうしている間にテムモンバトル開始10分前のサイレンが鳴った。
5分前のサイレンとは音が違う。
更に5分後、ドデカい画面に電源が入った。
ドデカい画面には、今回のテムバト対戦者の情報や意気込みを語っている映像が流れている。
妙なところでハイテクだな、オイ。
良く良く画面を見てみると、真っ白い幕に映像を投影しているみたいだ。
まるで野外映画館みたいな感じか?
昼間なのにハッキリと画面に投影されている映像が見えるのは魔法の力らしい。
やっぱハイテクだな。
トッポ:ハイエルフ
「 ──アルト、対戦者とテムモンが入場するよ
アルト・ルキンツ
「 あ、うん… 」
大迫力のテムバトが繰り広げられるだろうコートに目を向けると6名の対戦者と6体のテムモンが入場して来た。
対戦者達は観戦席に居る観戦客達へ手を振っている。
テムバトを盛り上げる為のパフォーマンス的なアレだろう。
うん、対戦者に手を振らせるのは “ ヤラセ ” ってヤツだな。
対戦者同士がバトルコートの真ん中に向かい合って並ぶと、互いに会釈をした。
会釈が終わるとチームリーダーらしき対戦者同士がジャンケンを始めた。
どっちが勝者か此処からでは分からないが、ジャンケンに勝つとバトルコートの左右を選べるらしい。
バトルコートに敷かれているラインは赤と青のラインに分かれている。
ジャンケンに勝ったチームは青ラインのコートを選んだらしい。
どっちのチームもオレが未だ見た事のない強そうなテムモンをテイムしている。
両者とも先方,次方,後方を決めたり、作戦会議なんかをしているみたいだ。
バトるのはテムモン同士だからテイマーの勝利はテムモンの頑張りに懸かっている。
技の確認でもしてるのか?
テイマーはコート内には入らずに先方のテムモン1体がコート内に入って来た。
両者──テムモン同士が向かい合うと、審判が「 テムバト〜〜〜、ファイト!! 」と叫ぶ。
するとテムモンが距離を取り始め、テムモン同士による手に汗を握るような白熱したバトルが始まった!!
どっちのテムモンもガチでバトっている。
テイマーの指示なしのテムモン同士のバトルは迫力が有り過ぎる!!
戦闘不能になるとは言っても死にはしないらしいから、どっちのテムモンも容赦なく本気を出してバトる。
野性の怪物同士が熾烈な生死を懸けた縄張り争いをしているように見える。
リアル過ぎて生々し過ぎて恐怖さえ感じる。
周りの観戦者達はメチャクチャ盛り上がっていて熱狂しているし、歓声が半端ない。
コート外でテムモンを見守っているテイマーも必死に声を張り上げて応援している。
……、……、……オレの知っているバトルと全然違う。
オレが知ってるバトルは安全で健全なポ◯モンバトルやデ◯モンバトルなんだが……画面の中で見るゲームやアニメのバトルだ。
ガチマジでヤバいバトルがコート内で繰り広げられている。
白熱はしてるけど──、前世が現代っ子だったオレには中々メンタル的にもキツい部分がある。
オレがテムバトに慣れるには、かなりの時間が掛かりそうだ。
大迫力のテムバトも愈々大詰めを迎えていた。
どちらのチームもテムモンは1体しか残っていない。
熾烈を極めたバトルも佳境に入っている。
どちらのテムモンも体力的に限界を迎えているように見える。
オレの頭上に鎮座しているニュイもバトルを見て興奮しているみたいだ。
頭の上でピョンピョンと跳ねまくっているからな。
どちらのテムモンも体全身で息をしているのが分かる。
どっちが先に攻撃を仕掛けるのか──。
テムバトに勝利したのは赤いラインのチームだった。
スタジアム内の観戦者から盛大な歓声が上がる。
約45分にも及ぶテムバトは無事に終わった。
45分間も熱中して見てたのか……。
1体のテムモンに与えられている制限時間は約15分らしい。
15分経っても決着が付かない場合は、HPの消耗が激しいテムモンが負けになる決まりらしい。
トッポ:ハイエルフ
「 面白かったね。
未だ何試合もあるけど観戦する? 」
ニュイ
「 にゅにゅ〜〜にゅにゅ〜〜 」
アルト・ルキンツ
「 ニュイは見たいみたいだね。
折角だし、日が暮れる前まで観戦するよ 」
ニュイ
「 にゅにゅ(////)」
うわぁ……すっげぇ喜んでるなぁ…。




