⭕ いざ、魔王討伐の旅へ! 目指すは魔王が住む塔だ! 9
トッポ:ハイエルフ
「 ──アルトが13個目の超魔王を倒して、回避権を入手して、超魔王の塔を攻略しないと精霊王と妖精王は “ 終焉の宴 ” が始まると同時に消滅してしまうんだ。
精霊王と妖精王が消滅してしまうと、この大陸に存在している精霊と妖精の存在も消えてしまう。
精霊と妖精が消えてしまうと、亜人類も人類も一切の魔法が使えなくなってしまうんだよ。
アルトに与えられた役目──四つ葉の勇者としての使命は責任重大なのさ 」
余計に内容が重くなった!!
世界の終焉を回避する為の回避権をオレが入手しないとホワギナロとトッポが消滅するだって?!
なんつう世界だよ──。
やっぱ…この大陸の〈 大陸神 〉って奴は( ピー )野郎だな!!
精霊王と妖精王を生け贄にして勇者召喚するとか──、遊★◯★王のデ◯エ◯モ◯ス◯ーのファンかよっ!!
それは……エ◯ゾデ◯ア並みに、やったらアカン禁じ手じゃないんかい!!
ヤバいよ、この大陸の〈 大陸神 〉って奴ぅ〜〜〜〜!!
でも、まぁ……大事な( ? )精霊王と妖精王を犠牲にしてでも、この大陸を “ 終焉の宴 ” ってヤツから救いたいと思っての行動なんだろう。
だけどな、それを異世界に転生させた無関係の人間に託すってアカンだろう!!
オレはアカンと思うね!
オレへの責任が半端ない…。
責任感の無い人間の両肩と背中に責任を負わせたらアカンよ!!
これは双方共に奈落の底へ落ちて沈んでくヤツだ。
オレの頑張りに大陸の命運だけじゃなくて、精霊王と妖精王の命運まで懸かってるとか──地獄やないかいっ!!
アルト・ルキンツ
「 ……、……、……、……あ…ははは……責任重大だなぁ……ははは…… 」
美味しい筈のホワギナロの手料理もトッポの話を聞いてしまった今のオレの喉を通らない。
食事どころじゃない…。
完全に食欲が失せた…。
責任を取ってほしい。
精霊王:ホワギナロ
「 ……トッポ…何故そんな事をアルトに話す…。
……話す必要は無い筈だ… 」
トッポ:ハイエルフ
「 アルトには可能な限り本気で取り組んでほしいと思ってね。
別にアルトが超魔王を倒せずに回避権を入手する事が出来なくても、ボクは構わないと思っているよ。
“ 終焉の宴 ” と同時に消滅するのも別に構わないと思っているし 」
アルト・ルキンツ
「 トッポ…どうして?
初めから諦めているみたいな事を…… 」
トッポ:ハイエルフ
「 〈 大陸神 〉が大陸内で生きとし生ける全ての生物達を助けたいと想う気持ちは、ボクにも分からなくはない。
祝福の裏技を使ってでも、召喚する勇者にすがろうとする〈 大陸神 〉の想いも否定はしないよ。
だけどね……、どうして精霊王と妖精王を生け贄にしたのかな。
犠牲にするのは構わないけどね、生け贄にする必要があったのかな。
他にも別の方法があったんじゃないのかな。
仮に精霊王と妖精が消滅しても、精霊と妖精が消えないようにする方法を見付けてからでも良かったんじゃないかな。
子供達まで巻き添えにする必要は無かったと思えて止まないんだ。
犠牲に遭うのは精霊王と妖精王だけで十分な筈じゃないか 」
アルト・ルキンツ
「 ……トッポ… 」
トッポ:ハイエルフ
「 亜人類や人類が魔法の類いを一切使えなくなったって構わない。
どうだっていい。
魔法を使えなくても亜人類も人類も生きて生けるんだからね。
……ホワギナロとボク以外の精霊と妖精だけは助けてほしかったよ… 」
精霊王:ホワギナロ
「 ……新しい精霊王と妖精王を選べは良いだろう… 」
トッポ:ハイエルフ
「 今更無理だって。
裏技召喚の生け贄にされる前なら新しい精霊王と妖精王を決める事が出来たけど、既に生け贄になってしまった後のボク達には新しい精霊王と妖精王を決める事は出来ないよ。
〈 大陸神 〉は大陸全土を想うあまり急ぎ過ぎてしまったのさ 」
キッツいな…。
どういう思惑があって、トッポがこんな話をオレにするのか──、オレには分からない。
ぶっちゃけ、分かりたくもない。
オレの責任感や使命感,ヤル気なんかに対して火を点けるつもりで聞かせてるのかも知れねぇし、身勝手な〈 大陸神 〉に対する不満をオレに聞いてほしいだけなのかも知れねぇし、オレの考えが及ばないような崇高な考えがあるのかも知れねぇ…。
陽気でウザいトッポの事だから、実は何にも考えてなくて、自分達の状況や立場をゲロッてるだけかも知れねぇけど……。
妖精王のトッポが〈 大陸神 〉の行いに対して不満を吐き出すぐらいに仲間──いや、家族想いな奴なんだって事だけは何と無くだけどオレにも伝わった。
自分は消滅しても構わないけど、子供達だけは犠牲の巻き添えにならず、消えずに生き続けてほしい──って想うのは、如何にも親らしい考え方だと思う。
子供達を生み出した責任ってのがトッポにもあるんだろうか…。
子供達を想う優しさを亜人類や人類にも少しぐらいは向けてやっても良いんじゃないかと思うのはオレだけか?
「 LVが9桁もある超魔王を絶対に倒してみせる!! 」とか「 回避権を手に入れて大陸を救ってやる!! 」とか「 オレを信じろっ!! 」とか──、一昔前の熱血漢症候群な主人公達みたいに断言も約束も出来ない。
熱血系キャラなんかじゃないオレには、有言実行する程のガッツもなければ、気合いも根性も無い。
誰かに期待なんてされたくもなければ、当てにもされたくもない。
一方的に期待されても全く嬉しくないし、逆に迷惑なだけだし……、期待に応えたいとも思えないし、期待に応える為に努力しようとか、努力したいとかも思えない。
頑張るのは嫌いじゃないけど、頑張りたくない事に対して身を粉にしてまで頑張ろうとも思えない。
面倒な事になるだろうから、必要ともされたくない。
前世のオレは──、ウザいとは思っていたけど熱血野郎が嫌いだったわけじゃないし、「 自分の出来る範囲内でだけはそこそこ無理せず頑張ればいいや〜〜〜 」って考えて、手抜きしまくって生きていた人間だった。
だから、ホワギナロやトッポの期待に応えるのはオレにとっては重い。
勝手に勇者にされて、勝手に魔王討伐を任されて、素直に与えられた使命を真面目に果たそうなんて……、……、……オレはさ、そんなに物分かりの良い人間じゃないんだよなぁ…。
前世の自分を変える為のチャンスを与えられてるのかも知れないしけどさ。
◎ 変更しました。
妖精王:トッポ ─→ トッポ:ハイエルフ




