裏路地の襲撃者
蒼河遥です。
第6話を読んでいただき、ありがとうございます。
鍛冶職人として順調に成長し、充実した日々を送るアルフレッド。
しかし、そんな彼の前に、ついに危険が姿を現します。
果たして、アルフレッドを待ち受けていたものとは――?
【視点変更】 アルフレッド (主人公 14歳男性)
「いやぁ、それにしても、アルはもう、私より良い剣を打つようになってしまったな。
本当にマイスターという上位職には恐れ入るよ」
「いやいや、まだ師匠の打つ剣には勝てないよぉ~。
でも、オレがここまで剣を打てるようになったのは、
やっぱ師匠の教え方が良かったからだと思うぜ!?」
その後もオレは、メキメキと鍛冶職人としての腕を上げていき、
最近では、師匠をも唸らせるような武器や防具を作り出せるようになっていた。
これがオレの天職!
そう思えるまでになっていたんだ。
本当にヒルダ師匠には感謝感謝だ。
「う~ん、そろそろ料理に使う食材が底を付いてきたな・・・
アル、悪いんだが、このメモにある食材を、市場に行って買って来てくれないか?」
「おう、分かったぜ、師匠」
その日の夕方、オレは師匠のお使いで、買い出しに出掛けることになった。
師匠の武器屋は街の北東にあり、一方、市場は街の中央よりやや南に位置する。
大体、歩いて5分くらいの距離って感じかな?
この領都ブレダは、人口2万人規模の街。
当然、ヴァン・ハールト公爵領の中では、もっとも大きい街だ。
とはいえ、ゼーラント公国の主都ミデルブルクに比べると、全然小さいらしい。
因みに、ミデルブルクは人口15万人規模の街。
この領都の7~8倍って、どんだけデカいんだよ!って話。
「いやぁ、買った買った~」
オレは大量の食料品を抱えながら、満足気に市場を後にした。
抱える袋の中には、沢山の野菜や果物、そして肉類が詰め込まれている。
正直、前を見ながら歩くのが大変なくらいだ。
時々、道をすれ違う相手にウチの店のお客が居て、挨拶を交わしていく。
そんなことをしながら、オレは街の中央を南北に通る大通りを北上していったんだ。
視界を遮る袋の横から、西の空を眺めみると、夕陽は既に見えなくなっていて、
少し薄暗くなるような時間帯に差し掛かっていた。
街の中央の広場にある時計を見ると、もう直ぐ19時だ。
街の中央広場を抜け、大通りを更に北上し、
そこから細い通りを右に曲がり、武器屋のある裏道に向かっていく。
師匠のお店は、もう目と鼻の先だ。
ところが!
そんな裏道にオレが入っていこうとすると・・・
「お前達、何者だ?」
細い道を曲がって、オレが裏道に入ると、
その眼前に、5人の男達がオレを取り囲む様に待ち構えていたんだ。
そいつらは黒っぽい服を着ていて、全員、腰の剣に右手を掛けている。
一目見て、マトモな人間とは思えなかった。
「お前がアルフレッドだな?」
「ふ~ん、オレをご指名か」
男達の一言で、狙いはオレだということが分かる。
一体、誰の差し金だろう?
「悪いが死んでもらうぞ!」
周囲に響かないよう押し殺しながら、そんなことを告げてくる男。
「アンタら程度で、オレをヤれると思ってるの?」
買い物の荷物を脇に置きながら、不敵な表情で、オレは男達に応じていく。
正直、敵から威圧感やオーラなどは感じられなかったんだ。
けど、オレのその言葉と表情が、相手の神経を逆なでしてしまったみたいだ。
「舐めるな!」
怒りの表情で声を上げながら、剣を振り上げてくる男達。
"カンッ、キンッ、カンッ、カンッ!"
オレを取り囲んだまま、一気に切り掛かってくる男達。
けどな、オレはこんな奴らにヤラれるほど弱くはないぜ!
まず5人のうち3人が、同時に切り掛かってきたんだけど、
サッと腰の剣を抜いて、それに応戦する。
"カンッ、キンッ、カンッ、カンッ、キンッ、カンッ!"
「くっ!」
自分達の剣が、あっさりオレに弾き返されてしまい、ますます苛立つ男達。
でも、そんな敵をあざ笑うかのように、オレは魔法を唱えていったんだ!
「エリア・パラライズ!」
『ぐわぁっ!』
オレは得意の麻痺魔法を唱えてみると、5人の黒服がうめき声を上げながら、
その場に蹲ってしまう。
この魔法に掛かると、体が痺れて動けなくなり、みんなこうなっちまうんだよなぁ。
「ご愁傷さまぁ~(笑)」
オレは無様な男達を見下ろしながら、一番近くでうずくまっている男に近づき、
まず、彼の持つ剣を奪ってしまう。
そして・・・
今度は男の眼前に、オレの剣を突きつけていったんだ。
第7話を読んでいただき、ありがとうございました!
順調に鍛冶職人として成長していたアルフレッドでしたが、突然、謎の男達に襲撃されてしまいました。
果たして、この男達は何者なのか?
そして、アルフレッドはどうなるのか――?
次回もお楽しみください!




