マイスターってマジで凄い!?上位職の秘められた能力!
蒼河遥です。
第4話を読んでいただき、ありがとうございます。
鍛冶職人として修業を続けるアルフレッド。
「複製」の力を使い、次々と武器を作り出していく中で、
ついに「マイスター」が持つ、もう一つの力を教わることになります。
アルフレッドは、その力を使いこなすことができるのか――。
「出来たぜぇーっ!」
オレは、この店に雇って貰ってから、ひたすら片手剣を作り続けた。
最初は失敗が続いたけど、何本か作ったあたりから、
ようやく、実践でも使える剣が出来るようになっていく。
そして、今出来上がったこの剣が5本目。
それを見た師匠は・・・
「アル、あんた、マジで凄いよ!
たった5本で、一流の剣士が使えるような剣を作れるようになっちまうとは・・・
しかも、1本の剣を作るのに、普通は数日から1週間は掛かるものなのに、
アンタにかかれば、数時間だ・・・」
オレは師匠に教えられた工程を、ガムシャラに行っただけなんだけど、
師匠は、そんなオレの作った剣の出来栄えと、製造速度に驚きを隠さなかった。
やっぱり、"マイスター"って上位職のスキルは、
それだけ凄いってことなんだろうな。
そんな感じで、オレは毎日、鍛冶の仕事に没頭し、
剣の次は盾や槍、そして斧などを作っていくことにした。
しかも、満足できる武器が仕上がれば、それを更に複製する。
武器の複製にはMPが必要となるんだけど、オレって子供の頃から
魔法の鍛錬をしていたので、通常の鍛冶士より圧倒的にMP量が多い。
なので、かなり沢山の武器複製が可能だったんだ。
そんなことを日々繰り返していくと、
徐々に、このお店のお客さんから、
オレの作る武器に対する評価が、上がっていくことになったんだ。
「おぉ、アル、今日もまた、素晴らしい片手剣を置いてあるな!」
「それって、昨日オレが作った自信作だぜ!」
師匠が留守の時、オレが代わりに店番に立つんだけど、
来てくれる冒険者のお客が、オレの新作を見て喜んでくれる。
勿論、お値段もそこそこするので、
みんながみんな、それを買ってくれる訳じゃないんだけどな。
「じゃあアル、アンタも良い武器を作れるようになってきたので、
そろそろマイスターの持つ、もう1つのジョブスキルについて教えていこうか」
オレが武器作りに没頭していたある日、
師匠がオレに、そんな声を掛けてくる。
「師匠、マイスターって、複製以外にも特別なスキルがあるのか!?」
「あぁ、そうなんだ。
勿論、私には使えない技なので、私が聞いた範囲での話になるがな」
まあ確かに、マイスター固有のスキルということであれば、
この師匠でさえ、使うことが出来ない技なんだろうな。
「分かったぜ!
で、それって、どんな能力なんだ!?」
「あぁ、付与スキルというものになる。
武器や防具に、古代ルーン文字で強化したい能力を刻み込むことで、
その武器の攻撃力や命中率を上げたり、
防具の防御力、それに耐久性などが強化されるそうなんだ。
昔、私の師匠がそんなことを言っていた」
「へぇ~、師匠の師匠がねぇ~」
師匠の師匠・・・
一体、どんな人なんだろう?
「じゃあ、その人って、マイスターだったってことか?」
「あぁ、この国でも3人しかいない、凄腕のマイスターなんだ」
「師匠が"凄腕"っていうんだ、よっぽどなんだな?」
「あぁ、それは本当に凄かったぞ」
そんな凄腕の人に教わったから、師匠の鍛冶の腕も
中位職の"名工士"ながら、半端ないんだろうなぁ。
ということで、この日オレは「付与」技術というものを師匠から教わることになったんだ。
そうなると、まず必要な知識としては、古代ルーン文字を習得することだ。
まず、本に書かれている古代ルーン文字の確認から始めてみる。
実はオレ、子供の頃に家庭教師から古代ルーン文字を習ったことがあったので、
全く馴染みが無い訳でもなかった。
だけど・・・
オレって昔から、剣術や魔法の訓練には熱心に取り組んできたんだけど、
勉強は苦手だったんだよなぁ。。
なので、習ったルーン文字も、正直かなり曖昧だったんだ。
今になって、自分の不勉強さを後悔してしまうことに。。
ホントに勉強って、将来、いつ、何に役立つか、マジで分かんねぇ~もんだよなぁ。
「アル、この剣の刃の根元に、
古代ルーン文字で "ᚨᛏᛏᚨᚲᚲ᛬ᛒᛟᛟᛋᛏ(攻撃力強化)"って書き込んでみるんだ」
「おう、分かったぜ!」
オレは彫金で使う特殊なノミと、小型ハンマーを手に持ち、
細心の注意を払いながら文字を刻んでいく。
「出来上がったら、武器の"分析"をしてみるといい」
「うん」
"分析"という技も、師匠から教わったものだ。
これはマイスター固有ではなく、基本職の鍛冶士から使えるジョブスキルで、
内容としては、武器や防具の性能を見抜くスキルになる。
ただ・・・
「あぁ、ダメかぁ~!
攻撃力が上がってないぜぇ・・・」
付与する前の剣の攻撃力と、付与した後のそれが全然変わっていない。。
成功すれば、その値が上がるはずなんだ。
「刻み込んだ古代ルーン文字の形が悪く、ちゃんと認識されてないんだろうな。
これは繰り返し、訓練するしかなさそうだ」
「あぁ、頑張るぜ、師匠!」
ということで、オレは剣を次々と複製していき、
それにルーン文字を付与していったんだ。
そんな感じで、最初はなかなか成功しない付与スキルだったんだけど・・・
「おぉ!なんか、付与前より攻撃力が25パーセント増えてるーっ!!」
「アル、やったじゃないか!おめでとう!」
「ありがとう、師匠!」
20本近く、剣に付与を続けていくと、
ついに攻撃力強化が付与されたものが出来上がったんだ!
攻撃力25パーセント割増って、正直なところ、やや微妙な数値ではあったんだけど、
今後、オレがマイスターのレベルを上げていけば、付与される能力も増加する。
因みに、付与を失敗した武器や防具は、付与のやり直しがきかないそうなんだけど、
オレの場合、事前に武器や防具を複製してやれば良いだけなので、
結構、気軽に出来そうだ。
第5話を読んでいただき、ありがとうございました!
今回は、マイスターのもう一つのジョブスキル「付与」が登場しました。
まだまだ失敗ばかりのアルフレッドですが、少しずつ鍛冶職人として成長しています。
そして、彼の「マイスター」というジョブには、まだまだ秘密がありそうです。
次回もお楽しみください!




