さらわれたセム!アルは敵の罠を見破れるか?
【毎日 夜21時10分投稿!】
蒼河遥です。
第42話をご覧いただき有難うございます。
住民への治療と給水を続けるアルフレッド。
しかし、ロスト家に帰宅した彼を待っていたのは、思いもよらない知らせでした。
大切な仲間を救うため、アルは敵の待つ倉庫へと向かいます!
そして、夕陽が街の建物に隠れ始める頃・・・
この日の治療と給水を終え、オレはロスト家に帰って行く。
「ただいま~!」
オレは玄関のドアを開けるなり、そう声を上げて家に入っていく。
ところが・・・
中からは誰の返事もない。
いつもは家にいるはずのセムが、この日は姿が見当たらないんだ。
「セム・・・買い物にでも行ったのかな?」
「まあ、セムの体調も良くなったみたいだし、そろそろ出歩きたいのかもな?」
ユウマとそんな話をしながら、
オレは玄関のドアをくぐり、部屋の中に入っていった。
すると、
「ん、何だコレ?」
「書き置きか?」
キッチンテーブルの上に、何やら見慣れない紙が・・・
「なになに・・・・」
オレはその紙を取り上げて、ユウマと一緒に書かれている文章を読んでいく。
そして・・・
その内容を理解すると、オレは思わずユウマと顔を見合わせてしまう。
さっきまで、光魔法で住民の病気を治す時に感じていた達成感が、
一気に怒りに変わっていくのが分かったんだ!
【セムというガキは預かった。もしコイツを助けたければ、
1人で街の南東にある食料倉庫まで来い!
勿論、街で水とヒールを配っていたガキが一人で来るんだぞ】
ハラワタが煮えくり返る思い・・・
ただ、怒っているだけじゃ何も解決しない。
オレは、ユウマと対策を検討していく。
「例のマウリッツという商業ギルド長の仕業だろうな。
もしかしたら、医療ギルド長もかかわっているかもしれない」
「ユウマ、この倉庫の場所は分かるか?」
「あぁ、地図に載っているな。だけどアル、注意しろ?
向こうは当然、アルがパラライズの使い手ということを知っている。
それ以外にも、お前の能力がどこまで漏れているかは分からんが、
少なくとも、水と闇と光魔法の使い手ということが分かった上での呼び出しだ。
それにいつもアルは剣を帯同しているから、
剣術の能力もある程度バレていると考えておくんだ」
「水と闇と光魔法を使えて、剣も使える相手に、ユウマだったらどう対処する?」
「そうだなぁ・・・」
と、事前にユウマに相談したうえで、
オレは敵が採ってきそうな対策の、更にその対策を練って、
倉庫へ向かうことにしたんだ。
「アルって、大雑把な性格の割りに、こういう戦闘面では案外慎重だよな?」
「なんだよぉ、悪いのかよぉ~!」
「いや、戦闘は命に関わる。その慎重さは大切なことだと思うぞ」
褒められてるんだか、けなされてるんだか・・・
「来たぞぉー!」
オレは指定された倉庫の中へ入り、大声を出していく。
勿論、索敵スキルによって、敵の位置と数は把握済み。
敵の数 約30人。
一番強いヤツらがC級クラスと言った感じで、そいつらは5人。
あとはD級以下と言えそうだ。
「ノコノコとよく来やがったな、ガキ」
「セム!」
倉庫の奥から、そのC級と思われる5人がセムを連れて姿を現す。
セムは遠目から見る限り、口枷を着けられ、そして後ろ手に縛られているみたいだ。
「オッと、動くなよ!まず、その腰の剣を外して、床に置け!」
敵はやっぱり、オレの剣を気にしているようだ。
もし、オレが街の広場で水やハイヒールを提供している時、
コイツらの誰かが、オレのことを鑑定していたら・・・
けど、オレもユウマも、実は、この世界の鑑定スキル持ちが、
相手のステータスをどこまで確認できるのかが分かっていない。
ただ、オレ達みたいに、鑑定によって複数のジョブ持ちということが分かるのであれば、
今のような1人1ジョブの違和感には気づいているはずだ。
ということは、鑑定スキル持ちも、1人1ジョブにプラスして、
そのレベルが見える程度しか、鑑定できないんじゃないか?
って、推測しているんだ。
まあ、その推測って、ほとんどユウマの考えなんだけどな。。
もしくは、鑑定スキル持ちって、この世界では、とんでもなく少ないか・・・
ジョブ鑑定の儀を行う教会の人って、鑑定スキルではなく、水晶を使っているしな。
てか、あの水晶って、一体誰が作ったものなんだろう・・・
そんな感じで、オレとユウマは色々と考えていたんだけど、
推測は結論ではないので、オレのステータスは、ユウマの指示によって、
念のため偽装を掛けることにした。
オレ、偽装スキル持ちだから。
因みに、オレ自身のレベルは45に、
上位職のソードマスターと魔導師はレベル20、
マイスター、光魔道士、闇魔道士はレベル10、
拳闘士、密偵士はレベル5に偽装してある。
まあ後は、俺の偽装を見破るほど、鑑定スキル能力の高いヤツが
敵に居ないことを祈るだけだ。
恐らく大丈夫だと思うけど。
第43話をご覧いただき有難うございました。
何者かにさらわれたセムを救うため、指定された倉庫へ乗り込んだアル。
敵は約30人。しかも、アルの能力を把握したうえで待ち構えている可能性があります。
ユウマと相談し、ステータスまで偽装して敵に備えるアル。果たして、無事にセムを救い出せるのでしょうか?
次回も、ぜひご覧ください。




