病弱な少年はマルチジョブの持ち主!?セムの隠された才能が明らかに!
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蒼河遥です。
第39話をご覧いただき有難うございます。
騎士団にチンピラたちを引き渡したアルフレッド。
ひとまず水の提供を再開しますが、ユウマとの会話から、新たな考えが浮かびます。
そして帰宅後、セムから思いがけないお願いをされることに……。
世の中には宣告されたジョブ以外の能力を持つ人も
たまにいることが知られているからな。
オレのことを、そういう類の奴だと思ってくれればいいんだけれど。
「で、コイツらに尋問してたら、この悪党が、"マウリッツ"って名前を吐きやがったんだが、
騎士団の兄ちゃんたち、その名前が誰か知ってるか?
分かったら、オレ、そいつんとこ、殴り込みに行こうと思っているんだけど!?」
「マウリッツ・・・」
オレが口から出したその名前に、騎士団の兄ちゃんは思い当たる節があるみたいだった。
けど・・・
「アル、この5人は我々が預かる。
そして、背後関係を洗い出して、キチンと対処するから、
お前ひとりで、殴り込みなんか、絶対にやってはダメだぞ!?」
「えぇーーっ!」
騎士団の兄ちゃんは、そんな言葉を言い残し、
悪党5人を連れて去って行ったんだ。
「くっそぉー、マウリッツってヤツ、ぶっ飛ばしてやりたいんだけどなぁ~」
立ち去っていく騎士団と5人の悪党を見送りながら、オレはポツリとそう呟く。
けど、オレの近くにはバケツを持った人たちが沢山いて、
オレの給水を待ち侘びていたんだ。
「じゃあ、水を出していくから、みんな、ちゃんと1列に並んでくれよーっ!」
ということで、あまり彼らを待たせては申し訳ないので、
オレは給水を開始していくことにしたんだ。
結局、この日のハイヒールと水の提供で、
オレの光魔道士のレベルは13から15へ、
魔導師のレベルは39から40へ上がることに。
まあ、もうちょっと光魔道士のレベルを上げたかったんだけどなぁ。
「いやアル、ハイヒールを掛け続けるだけで、レベルが2も上がるのって
正直なところ、かなり凄いことだと思うぞ?」
「え?そうなの?」
ユウマ曰く、オレのレベルの上がり方は全体的に普通じゃ無いらしい。
まあ、それはそれで有難いことなんだけどな。
「なあユウマ?」
「なんだ、アル」
「この街の水不足を解消するために、
ギフトの天象魔法で雨を降らせた方が良いと思うんだけど、どうかなぁ?」
そう・・・
この街の酷い状況を知れば知るほど、雨降らしの魔法を活かした方が良いのでは・・・
オレ、そう思うようになっていたんだ。
ただ、ユウマの返事は・・・
「確かに、その方が助かる人が多いだろうな。
ただ、雨は人々の生活に、良い影響も、
そして、場合によっては悪い影響も及ぼしかねない。
なので、できれば、この街の責任者と連携しながら、
その上でやった方が良いと思うんだよな」
「その責任者って・・・?」
「例えば、市長とか」
「なるほどな・・・」
まあ確かに、オレが勝手にやるより、この街のことをよく理解していて、
それでもって、街に責任のある人と連携を取った方が良いんだろうなぁ。
ただ、昨晩のアンネの話を聞いていると、
この街の市長って、そんな話がマトモにできるような人物なのか?
正直、ちょっと心配だった。
「ただいま~、セム」
「おかえり、アル、ユウマ」
ただいま・・・って、もうスッカリ自分の家って感じだ(笑)
「アンネは、まだ帰ってないみたいだな」
そう言えば、今日彼女は、冒険者ギルドで依頼を受けて
夕方に帰るようなことを言ってたっけ。
今の時間は17時過ぎ。
まあ、もう少しすれば、彼女も帰って来るんだろう。
そして、オレは体調が戻ったセムと、色々な話をしたんだ。
「・・・じゃあ、アルの鑑定スキルだと、複数のジョブ持ちが分かるんだ?」
「あぁ、そうなんだ!」
「だったらさ、僕のことも鑑定してくれない?」
オレが自分の"ジョブ鑑定の儀"の結果と、
ユウマがオレの鑑定スキルをしたときの結果について、
セムに話していると、そんなことを言い出してくる。
するとセムは、ユウマとオレの鑑定スキルに興味を抱いたみたいだ。
因みに彼も、本当は14歳で街の教会に行って
"ジョブ鑑定の儀"を受けているはずなんだけど、
ずっと体調が悪くて、まだ受けていないらしいんだ。
「分かったぜ!」
ということで、オレは初めて、他人の鑑定をおこなうことになったんだ。
果たして、上手くいくのか・・・
「じゃあ、いくぜ!?」
「お願い」
「鑑定!」
セム・ロスト 14歳 男性:Lv.1
経験値:0 / 100
[基本ステータス]
HP:50 物理攻撃:26 物理防御:24
MP:54 魔法攻撃:28 魔法防御:26
速さ:5 回避:5 命中:5 ラック:18
[ジョブ]
精霊魔道士:Lv.1 (魔道士★★)
[適性] 長杖:B / 風:F / 土:B / 雷:F / 水:B / 炎:E / 氷:C
治癒士:Lv.1 (治癒士★)
[適性] 短杖:D / 治癒:D / 強化:D
開かれていく彼のステータス・・・
「どんな感じ、アル?」
「セムは、まだ魔物と戦闘したことはないんだよな?」
「うん、そうだね」
「レベル1で経験値0は、そういうことなんだろうな。
ただ・・・」
「ただ?」
「持っているジョブは魔道士の中位職・精霊魔道士と、そして治癒士。
セムもマルチジョブの持ち主みたいだな!」
「ほんと、アル!?
ボクが精霊魔法と治癒士持ちだなんて・・・なんか信じられないよ!」
そう、セムを鑑定すると、彼も2つのジョブを持っていたんだ。
しかも魔道士の中位職まで持っている。
"まあ、アルの実家で生まれたとしても、追い出されることのない立派な適性だな"
"ユウマ、また裏でコッソリ、そんなことを・・・"
コイツ、相変わらず一言余計だ。。
第40話をご覧いただき有難うございました。
アルは天象魔法で街に雨を降らせることを考え始めますが、ユウマからは市長など街の責任者と連携するよう助言されます。
そして、セムを初めて鑑定した結果、精霊魔道士と治癒士という2つのジョブが判明!
病弱だったセムには、いったいどんな可能性が秘められているのでしょうか?
次回も、ぜひご覧ください。




