水不足の町に迫る商業ギルドの魔の手!
【毎日 夜21時10分投稿!】
蒼河遥です。
第35話をご覧いただき有難うございました。
セムの体調も回復し、アンネの家で過ごすことになったアルフレッド。
しかし、水不足に苦しむ町には、別の問題も潜んでいました……。
その後は、テーブルに座って、3人+1で色々な話をした。
この街の水不足、食事不足の状況。
街のみんなが苦しんでいる様子。
水の販売を一手に引き受けている商業ギルドと、
治癒院を束ねている医療ギルドが、裏で手を結んでいるようで、
最近では、水の金額や治療費をドンドン吊り上げているそうなんだ。
そして、それに対して、全くといって良いほど無策な市長の話など。
「ひでぇな~、それ」
「そうなの。あまりに街の状況が酷いので、
お金のある人は、街を出て行く人も多いらしいわ」
「でも、みんなが引っ越せる訳じゃないよな」
「そうなのよね」
「で、2人って、食事はどうしてるんだ?」
「・・・」
そもそも現在、街全体が不景気で、アンネは仕事にありつくことができず、
最近になって冒険者登録をして、冒険者としての仕事を始めたそうだ。
けどまだF級で、なかなか稼ぎが少ない。
そんな中、折角稼いだ無け無し(なけなし)のお金を、
ほとんど全て、食料費と水の費用に充てているようだ。
「じゃあ、今夜はオレが食材を提供するぜ~!」
「えっ!」
オレは家を追い出されてから、この街に到着するまでに、
大量の魔物を倒し、食べられる食材をアイテムボックスにキープしていた。
とてもじゃないが、一人で食べきれる量じゃない。
であれば・・・
「アイテムボックス・オープン!」
「何それ~?」
「これは何でも荷物を保存できる、便利な収納ボックスさ!
ほらよっ!」
そう言うとオレは、ベルヘンの町の手前辺りで倒した
ボア(イノシシ)の肉を取り出した。
既に血抜き済みで、70~80センチのサイズが有り、
ボリューム満点って感じなんだよな!
「す、すごい・・・」
アンネとセムは、肉のボリューム感に唖然・茫然(笑)
「このアイテムボックスって、中は時間が止まっているので、
食材を入れておいても、腐ることが無いんだぜ!」
この言葉、全部ユウマの受け売りなんだけど・・・
そして、この日のロスト家(アンネとセムの家)の夕飯は、
豪華な肉料理になった。
アンネはとっても料理が上手で、オレの提供した肉と、
彼女が先日買って保存してあった野菜類を使って、
ボア肉の串焼きと、美味しいスープを作ってくれて、
いやぁ、本当に旨い料理だったんだ!
一応オレ、公爵家では、いつも美味しい料理を食わせて貰ってたから、
バカ舌ではないはず。
そんなオレが言うんだから、彼女の料理の味は間違いない。
そして食後は、オレも頑張って働いた!
台所では水魔法を使って、全ての食器類を洗い、
その後、この家の水のタンク一杯に水を満たし、
更に、この家に風呂は無いようなので、大きなタライに水を満たして、
2人が体を洗えるようにしていく。
そして、まだ10月で、残暑厳しい季節だったので、
オレお得意の氷魔法で家全体を氷で覆い、部屋を涼しくしていったんだ。
マジでナイスアイディアだろ?
ということで、オレはその晩、ロスト家に泊めて貰う事になった。
勿論、ベッドは2つしかないので、
オレの寝床として、野営用の布団などをアイテムボックスから出してな。
【視点変更】 マウリッツ・シュトライト (商業ギルド長 36歳男性)
「なにっ、それは本当なのかっ!?」
「はい、マウリッツ様。
今日、市場で露店を出していたウチの若い者が、その様子を目撃しています」
「無料で住民に水を配るなんて、何と愚かな・・・
一体、どんな奴だったんだ!?」
「ええと、目撃者の証言では、まだ15にも満たない少年だったとか・・・」
「そんなガキが水魔法で水を?」
「との報告です。
お陰で、今日の露店での水の売り上げは、サッパリだったようで」
「そうか・・・わかった。
明日、私のほうで手を打つとしよう。
このまま、放置はできぬな」
「よろしくお願いします」
何と言うことだ。
この街の水の魔道士は、私のほうで全て押さえ、
ようやく我が商業ギルドで、この街の水の独占販売権を獲得できたというのに・・・
まだ、水の魔道士が居たのか?
それとも、そいつは他所者なのか?
何れにしても、そのガキを早めに潰しておかないと。
大金をはたいて水の魔道士との契約を果たし、獲得できた水の独占販売権・・・
ようやく元が取れて、これからというとき、
何も知らないガキに、我が商業ギルドのビジネスを潰されてなるものか!
第36話をご覧いただき有難うございました。
アンネとセムに食料や水を提供し、快適に過ごせるよう手助けしたアルフレッド。
ところが、無料で水を配ったことが商業ギルド長の耳に入り、事態は思わぬ方向へ!
アルフレッドを排除しようとする商業ギルド長。果たして、どうなるのでしょうか?
次回も、ぜひご覧ください。




