カーバンクルのユウマ、驚きの治癒魔法!?
【毎日 夜21時10分投稿!】
蒼河遥です。
第34話をご覧いただき有難うございます。
給水を終えたアルフレッドは、アンネの家を訪れることに。
そこで出会ったのは、体調を崩して寝込んでいる弟のセムでした。
「セム、帰ったわよ~」
街の北西の方へ歩いて来たオレ達は、とある小さな家に入っていく。
どうやらそれが、アンネの家のようだった。
そしてセムというのは、彼女の弟らしい。
しかも、オレと同じ14歳だそうだ。
「さっき、アルから貰った水を飲ませたら、安心して眠っちゃったみたいね」
部屋の奥にある木製の古びたベッド。
その上に、セムは眠っていた。
ただ、オレが見る限り、あまり顔色が良く無さそうだ。
「この子、元々、それほど体が丈夫じゃ無かったんだけど、
最近の水不足と食糧不足で、体調を崩しちゃってね」
「そうだったんだ・・・」
なんか、オレと同い年の14歳が、
ベッドで寝たままというのは、少し心が痛むよな。
オレなんか、家を追い出されてから、好き勝手に旅して回っているというのに。
「アンネ、親は居ないのか?」
家の中を見渡すと、部屋は1つ。
その部屋に2つのベッドが置かれていて、1つにはセムが。
そうなると、両親の存在が気になるんだ。
「そうね・・・母親は3年前に亡くなって、父親は私たちを捨ててどっかに行っちゃったわ」
「・・・悪いこと聞いちゃったな」
「全然、気にしないで」
「あぁ・・・」
オレ自身、シエラ姉貴と妹のフィオナ以外、
まともとも思えない家族の中で生きてきたけど、
それでも、この歳まで食いっぱぐれることも無く、健康的に過ごすことができた。
そう言う意味では、まだ恵まれた環境だったのかもしれない。
"アル、取り敢えず、今はそういうことは後にして、
彼らのサポートを優先しとけよ?"
"あぁ、そうだな。
水を提供する以外、オレに何かできることがあるかな?ユウマ"
"セムにフルヒールを掛けてあげれば、彼の病気は治るはずだ"
"オレ、ハイヒールまでしかできないぜ?"
"俺が治すよ"
ユウマがそう言ってくれる。
オレはユウマの光魔法レベルを知らないんだけど、
今までの感じからすると、かなり得意なように見えるんだ。
「なあアンネ、セムにフルヒールを掛けても構わないか?」
「えっ!?アルって、そんなこともできるの??」
「あ、オレじゃなくて、このカーバンクルのユウマができるんだ」
「へぇ~、この可愛いペット君が?」
"俺ってやっぱ、アルのペットに見えるのかぁ、ちょっとショックだわ。。"
"ははは、ドンマイ”
「ユウマはオレの相棒なんだ。
彼はオレと会話までできるんだぜ!?」
"オイオイ、それ言っちゃうのか、アル?"
"ハハハ、つい・・・な。まあ、彼女なら良いんじゃね?"
「えっ、会話ができるの!?じゃあ、私とも話ができるのかしら?」
"アレ?そういえば・・・ユウマってオレ以外の人とも会話ができるよな?"
"一応、できるはずだぞ?やったこと無いけど・・・"
「ユウマ曰く、できるはずだってさ」
「えぇ~、じゃあ、ユウマ、話してみてぇ~!」
「・・・・何か照れるなぁ・・・」
「話したぁ~っ!」
ということで、ユウマの秘密をアンネにバラしてしまったオレ。
まあでも、彼女なら問題ないと思うんだ。
「じゃあ、始めるぞ?」
「ユウマ、頼むぜ!」
「ユウマ、お願いします」
「では・・・フルヒール!」
ユウマがオレの肩の上でそう唱え、ジャンプしながら1回転していく。
すると、彼の体の前方から、光の粒子のシャワーが飛び出していったんだ。
「あぁ、すごい・・・」
その光の粒子は、オレのハイヒールのそれとは比べ物にならないほどで、
次々とセムの体に振りかかり、そして吸い込まれていった。
セムはすぐには目が覚めなかったけど、フルヒールが完了する頃、
彼の顔色がとても良くなっているように見えたんだ。
「アル、ユウマ、本当にありがとう!
セムの肌に艶が戻ってきて、何か顔色も凄く良くなったように見えるわ!」
「あぁ、これで彼は完全に回復するはずだ・・・」
「・・・ユウマ、本当にありがとう・・・」
アンネが、ユウマの言葉を聞いて、少し涙ぐんでいく。
弟の体調を心配し続けてきた彼女の、心のつかえが取れていく瞬間だったのかもしれない。
20分ほど経過すると、セムは静かに目を覚ましていく。
そして、驚くことに・・・
最近の彼は、アンネの支えがあっても起き上がることが難しかったらしいけど、
この時、彼は自分の力だけで立ち上がることができたんだ!
「アル、ユウマ、ありがとう・・・」
アンネは、セムの元気に回復した姿を見て、再び涙ぐんでいるみたいだった。
第35話をご覧いただき有難うございました。
水不足と食糧不足で体調を崩していたセム。
そんな彼を救ったのは、ユウマの強力な治癒魔法「フルヒール」でした!
元気を取り戻したセムと、安堵の涙を流すアンネ。
アルフレッドたちとの出会いが、姉弟の生活を変えていきそうです。
次回も、ぜひご覧ください。




