コップ1杯の水が2000円!?水を無料で提供したら大騒ぎに!
【毎日 夜21時10分投稿!】
蒼河遥です。
第32話をご覧いただき有難うございます。
深刻な水不足に陥っているデ・ウィット領。
町の市場を歩いていたアルフレッドは、水を求める人々の姿を目にします。
オレはその爺ちゃんに手を振って別れながら、
更に南に向かって街中を歩き進めていったんだ。
「なあアル」
「なんだ?ユウマ」
「50歳くらいの男性に"爺ちゃん"って、ちょっとどうなんだ?」
「えっ、爺ちゃんじゃないの?」
「せめて、お世辞でもいいから "おじさん"にしとけよ?」
「そ・・・そんなもんなのか?」
「そんなもんなのっ!」
50歳位の人はお世辞で良いから"おじさん"と呼んでおく・・・
世の中って難しい。
そして街の中心部から、今度は少し南に歩いていくと、市場のような場所があった。
路上の左右には、商人がテントを張った露店があり、色々な物を販売している。
ただ・・・
「水や食料品は、ほとんど売ってないみたいだな?」
「あぁ、たしかに・・・」
ちょっと露店を覗いて見ると、日用雑貨や服、防具や武器などは売っているんだけど、
水や野菜や果物、そして肉などと言った食べ物はなさそう。
食べ物を売る場所は別にあるんだろうか?
それとも・・・
まあオレって、水魔法はそこそこ使えるので、飲み水に困る事は無い。
食べ物も、途中で狩った魔物の肉が、アイテムボックスに大量に眠っているし。
そしてオレは、更に市場を歩いていく。
すると・・・
「なによぉ!水がまた値上がりしているの~っ!!」
「水はみんなが欲しがるもの。需要に対して供給が追い付かないモノは、
自ずと値段が高くなるものなのですよ?お客さん」
市場の南の方へ来てみると、ようやく水を販売している露店を見つけることが。
ただ、そこの店主と若い女性が言い争いをしているみたいだ。
本当に殺伐とした街・・・
言い争いしている女性は、かなり若く、多分オレより2つ3つ、年上くらいな感じか?
「でも、コップ1杯で大銅貨2枚(2千円)って、ボッタクリも良いところじゃないっ!?」
「イヤなら、別に買っていただかなくても良いのですよ?
他にお客様は沢山いらっしゃいますから」
「買わないとは言っていないわっ!もっと安くしてほしいっていってるのよぉ~」
「いえ、残念ながら、ビタ一文負けられませんな」
「このわからず屋ぁっ!」
交渉は決裂したみたいだ。
その若い女性は、かなりお怒りの表情で露店から離れ、
こちらへツカツカと早足で歩いてくる。
そんな様子を見ているだけでも、この街の水不足の深刻さがうかがい知れるんだ。
「なあアル、お前のショボイ水魔法でも、飲み水くらい出せるんだろう?」
「水魔法は、そこまでショボくねぇだろ!?」
この間、オレの光(強化)魔法をショボいと言ったユウマ。
でも、水魔法はそこまで酷くないハズだ!
「ははは、まあ、そう怒るなって」
「ユウマ、絶対わざとだろう?」
オレはちょっとイジけてしまう。
「アル、冗談だ、気にすんな。
でさあ、あの子に、少し水を分けてあげても良いんじゃないかなって」
「勿論、言われなくても、そのつもりだぜ!」
オレは、ユウマの余計な一言に傷つきながらも、
こちらに歩いてくる姉ちゃんに、声を掛けていく。
「なあ姉ちゃん、もし水が欲しいのなら、オレが魔法で出してやろうか?」
流石に、オレの話しかけ方が唐突過ぎたのか、
その姉ちゃんは、一瞬オレを通り過ぎていく。
けど・・・
「キミ、もしかして水魔法が使えるの~!?」
彼女はすぐに振り向いて、大声で叫んだ。
すると、その声を聞いた周囲からは・・・
「なんだって!水魔法の使い手がいるのか?」
「まさか、あの子供、水魔法が・・・?」
そんな声が上がって来る。
やっぱり、かなり水不足が深刻らしい。
にしても、この街って1万人規模の人口がいるはずだから、
水魔法の使い手くらい、何人か居ても良いんじゃねぇか?
オレは一瞬、そう思ってしまうんだけど・・・
「水を出す程度なら使えるよ」
一応、控えめに答えておく。
あまり大げさに言うと、後々騒ぎになりそうな雰囲気だったしな。
「是非お願い!!
でも・・・お金はいくら払えばいいかなぁ?」
彼女はやっぱりお金を気にしているみたいだ。
さっき、露店で随分と吹っ掛けられてたからなぁ。
にしても、水魔法で水を出す程度で、お金っていうのも・・・・
"アル、そんなことで金を取るなよ?"
「勿論さ!」
「ん、何か言った、キミ?」
「あぁ、ごめん、独り言。お金なんかいらないよ。
魔法唱えりゃ、掌から水が出るだけだからな」
「ホントぉ!超助かる~!」
と、ここまでは話が順調に進んでいったんだけど、
そこから、話が大事になっていく。
「水が無料だってぇ!?俺の家にも水を提供してくれ!」
「私の家にも!」
「是非、ウチにも来てほしい!」
って感じで、オレと姉ちゃんの会話を聞きつけた周囲の人たちが、
オレの周囲に駆け寄って来て、大変な騒ぎになってしまったんだ。
第33話をご覧いただき有難うございました。
水不足に苦しむ女性を見て、水魔法で水を提供することにしたアルフレッド。
ところが、水を無料でもらえると知った町の人々が、次々と集まってきてしまいます!
果たして、アルフレッドはこの騒ぎをどう収めるのでしょうか?
次回も、ぜひご覧ください。




