アルフレッド、侯爵家を追放される!
蒼河遥です。
第1話を読んでいただき、ありがとうございます。
ついに明らかになるアルフレッドのジョブ。
そして、その鑑定結果が彼の運命を大きく変えることになります。
それでは、第2話をお楽しみください。
"ゴクリ・・・"
オレは緊張のあまり、喉がカラカラ。
唾を飲み込む音が周囲に響いていく。
「アルフレッド・ヴァン・ハールト 14歳 男性
神より告げられしジョブは・・・・
鍛冶士の上位職 "マイスター"
以上の結果となります」
「へっ・・・??」
アッサリと読み上げられていく鑑定結果・・・
青ざめていくオレ。
愕然とした表情のシエラ姉貴と妹のフィオナ。
そして・・・
「バカな!?
ノイマン殿、これは何かの間違いでは!?
もう一度・・・もう一度、鑑定を!」
親父が"信じられない"といった表情で、鑑定のやり直しを求めていく。
「分かりました。
それでは、もう一度鑑定していきましょう」
そう言うと、オレは再び促されるまま水晶に手を添え、
ノイマン大司教が、改めてオレの鑑定を始めていく。
でも結局・・・
「父上、アルはただ単に、器用貧乏なだけだったのでは?
残念ながら、大司教のジョブ鑑定に誤りがあるとは思えませんよ」
長兄のラインハルトが、再度の鑑定結果を見て、
親父にそんなことを訴えていく。
そう・・・
2度目の鑑定結果も、1度目と全く同じだったんだ。
"マイスター"
鍛冶士の上位職??
魔道士系か剣士系のどちらかになると思っていたオレは、
まさかの生産職という結果に、ショックを隠し切れなかった。
自分自身に失望する・・・
それは生まれて初めての経験だったんだ。
そして・・・
暫らく、考え込んだ親父は、何かを決断したように
その顔を上げていく。
そして、厳しい表情のまま、オレに非情の宣告を・・・
「アルフレッド!
このヴァン・ハールト公爵家のしきたりに倣い、
お前には今日限りで、この家を出ていって貰おう!
1時間以内に荷物を纏めて、この家を出ていくがいい!」
雷鳴轟くような親父の怒声。
オレに向けられた容赦のない言葉・・・
その言葉に絶句するオレ。
"オレの人生終わった・・・"
心の中でそう思った。
多分、オレの才能に大きな期待をしていたであろう親父。
でも、その期待を完全に裏切ってしまったオレに対して、
親父の言葉はとても厳しかったんだ。
けど、親父のその言葉に対して、オレを擁護してくれる人も・・・
「お父様っ!アルは・・・
アルフレッドは決して才能がない訳ではありません!
魔法も剣も、その才能は素晴らしいものです!
確かにジョブは生産職になってしまいましたが、
それでも、既に多くの中級魔法を習得しています!
家を出ていけなんて・・・それだけは許してやってください!」
この家の中で、オレの一番の理解者・シエラ姉貴が、
親父に異議を申し立ててくれる。
けど・・・
「シエラは黙っておれ!
これは、お前が口出しできる問題ではない!」
「ですが、お父様・・・」
そんな姉貴の言葉なんか、親父は一切、聞く耳を持たなかった。
しかも、その上で、
「良いか、今、この時点で、アルフレッドはヴァン・ハールト家の者ではなくなった!
今後一切、此奴に手助けは不要だ!
まして、付いていく者などがおれば、私は一切容赦はしないぞ!?」
そう家族に言い放っていく。
オレは青ざめたまま茫然とし、
発する言葉を見つけることができず、ずっと口を閉ざしていた。
「姉貴、ごめんな。
オレの鑑定結果が不甲斐ないから・・・
姉貴にも迷惑を掛けちまったな」
「何を言っているの、アル。
アナタは剣だって魔法だって、本当に才能豊かだったわ!
私、あなたが次々と新しい魔法を覚えていくのを見て、
本当に天才だと思っていたもの!
それなのにお父様ったら・・・」
"ジョブ鑑定の儀"が終わり、オレが部屋に戻る途中、
姉貴と妹のフィオナが、一緒に着いてきてくれて、オレのことを心配してくれる。
親父の最後の一言が無ければ、
オレと一緒に家を出そうな勢いだったんだ。
一方、それに対し、2人の兄貴は・・・
「アルよ、お前の魔法の才は、どうやら見掛け倒しのようだったな!この能無しが!」
「生産職だと!?早くこの家から出ていけよ。公爵家の面汚しめ!」
「・・・・」
血の繋がった兄弟のはずなのに、冷酷な言葉を投げつけて来る2人。
この2人、昔からオレに冷たかったからなぁ。
けど正直、彼らから、ここまで嫌われている理由が良く分からない。
しかも、そんなオレ達のやり取りを、背後から無表情で眺めている母親のエレノア。
オレが生まれて来てこれまで、マトモに口も聞いたことが無い人だ。
この家の中で、結局、オレの味方をしてくれるのは姉のシエラと、妹フィオナの2人だけ。
後はみんな、敵と言えるような存在だったんだ。
「ううう・・・アル坊ちゃん、
何でこんなことになっちまったんだぁ~!」
「アル君、アナタのジョブが鍛冶士の上位職だなんて、私、信じられないわ・・・」
剣の師匠バルト、魔法の師匠エルマは、
オレの鑑定結果を、未だに信じられないといった様子で、
更に今回の親父の決定には、かなり憤りを感じているようだった。
まあ、長年オレの才を信じて指導してくれた人達だ。
そうなるのは当然なのかも。
「アル、何か困ったことが有れば力になるから、遠慮なく、何でも言ってきて!」
「アタシ、アル兄さまと一緒にいきた~いっ!」
オレが家を出ていくとき、見送ってくれたのは
シエラ姉さん、妹のフィオナ、
そして剣の師匠・バルト、魔法の師匠エルマの4人だけだった。
そして、「付いていく!」と言い張るフィオナを、オレは何とか説得し、
4人に見送られる中、オレはヴァン・ハールト家の屋敷を後にすることになった。
時々振り返ると、まだ4人は手を振ってくれている。
それが、とっても名残惜しい。
けど・・・
もうあの家に、オレの居場所はない。
そう自分に言い聞かせて、オレは街の大通りを南に向けて、歩みを進めていったんだ。
「さて、これからどうしたもんかな・・・」
そんなことを考えながら。
第2話を読んでいただき、ありがとうございました!
ついにアルフレッドのジョブが判明しました。
そして……まさかの公爵家追放。
ここからアルフレッドの新しい人生が始まります。
次回もよろしくお願いいたします!




