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なんとかヴァン・ハールト領脱出!

【毎日 夜21時10分投稿!】


蒼河遥(あおかわ はるか)です。

第16話を読んでいただき、ありがとうございます。


ライデンの町を出発し、さらに南へ進むアルフレッドとユウマ。

ユウマの指導を受けながら魔物と戦い、魔法の訓練を続けるアルフレッドですが、そこで大きな問題が発覚します。


なんとアルフレッドは、自分がこれからどこへ行くのか、全く決めていなかったのです!

そこでユウマがマップを開き、二人の最初の目的地が決まることに。


そしてついに――

アルフレッドは、ヴァン・ハールト領を抜け出します!

取り敢えず、旧(?)教会については、

今後、大きな街に立ち寄るときなどに、改めて確かめることにして、

オレは、途中の武器屋で片手用の盾を購入した後、

そのままライデンの町を出て、更に南に向かっていくことにしたんだ。


とにかく早く、このヴァン・ハールト公爵領を出て、

どこか落ち着ける場所を見つけたいから。


そんなオレの大まかな計画としては、

どこか気に入った町で冒険者か鍛冶屋になって、お金を稼げるようになることだった。

なんせ、生きていくためには、収入が必要なんだ。



「じゃあアル、今日はこの草原を歩きながら、攻撃魔法の訓練をしていこうか」

「よし、分かったぜ!」


ユウマは、オレに色々と教えてくれるけど、その教え方は結構スパルタだ。

この日は朝から、オレが得意な雷魔法の使い方の訓練だった。


草原でオレを襲って来る魔物を、雷の中級魔法だけで倒して行け・・・だってさ。


「サンダー・フォール!

サンダー・フォール!」


"グギャーッ!"


町を出て、草原を道なりに南へ進んで行くと、

出現する敵が、徐々に強くなっていくのが分かる。


今まで草原だらけだった周囲の景色も、徐々に木々が増え始め、

今では道の左右の殆どは、森となっていた。


昨日襲ってきた魔物のレベルは、その殆どが1桁だったんだけど、

この辺の魔物は、レベル30前後にまで跳ね上がってきていた。


勿論、その程度のレベルじゃ、オレに経験値はあまり入らないので、

ジョブレベル上げの糧になって貰っているけどな。


ということで、途中、レベル上げと休みを入れながらも、

オレ達は着実に南へ歩みを進めていくことになる。


そしてこの日の訓練では、雷魔法のあとに、氷魔法の訓練も行い、

結果、魔導師のジョブレベルが1つ上がって26へ。


オレは雷以外に、水と炎魔法も結構得意だったんだけど、

水魔法はイマイチ攻撃に向かないので後回しに、

そして炎魔法も、ユウマ曰く

「森に火が付くとヤバい」

ということで、こちらも森付近では控えるようにしていた。


まあ、森に火がついたら、水魔法で消せるから良いんじゃない?

と思わなくもなかったんだけど・・・


でもユウマは、その辺り、思いのほかキッチリしていたんだ。



「この調子なら、今日中に隣の領内に入れそうだぜ!」

「てかアル、お前、今後どこに向かうつもりなんだ?」


「へっ?」


そう・・・

オレ、ぼんやりと南へ・・・としか思っていなくて、

正直なところ、具体的に、どの街へ行くかまでは決めてなかったんだ。


「う~ん、正直言うと、ヴァン・ハールト領の外って良く知らねぇーんだよなぁ」

「・・・・」


実はオレ・・・

生まれてから今まで、親父の領地の外に出たことが無かったんだ。

自分で言うのもなんだけど、かなり世間知らずなんだよなぁ。。


「じゃあホラ、これな」

「って、おぉぉぉーーーっ!」


「これ、この辺のマップだ」

「ユウマ、何でこんなの表示出来るんだ!?」


挿絵(By みてみん)


「あのなぁ、昨日アルも鑑定して、2ページ目に書かれている、

自分が持っているスキルを確認しただろ。

その中に、マップスキルがあったよな?」


「そ、そうだったっけ・・・?」


そ、そういえば・・・

まあとにかく、オレはこの付近一帯の地図を確認していくことにした。


「なあ、この南の方に有るヴェスパー海ってなんだ?」


地図の南から西に掛けて、明らかにこの辺とは違う、青っぽい色の広い場所がある。

これってなんだろう・・・


「ん、このゼーラント公国の南にある海のことだろ?」


「だから海って何だよ?」

「え?・・・・アル、それってマジで言ってる??」


「???」


ユウマの話だと、海っていうのを知らないのは、かなり恥ずかしいことらしい・・・


「じゃあオレは、その海を見に行くぞ、絶対にっ!」


「であれば、ここからだと、南西に有る海沿いの港町ポールトが良いかもな。

そこには、さっき話した教会もあるはずだ」


「分かったぜ、じゃあ、港町ポールトに向かおう!」


ということで、オレの最初の目的地が決まったんだ。



「やったーっ!

ついにヴァン・ハールト領を出たぜ!

もうこれで、ひと安心だな!」


師匠の家から旅立った翌日の午後、

オレはようやく、親父の領地から脱出することが出来た!


ただ、ヴァン・ハールト領を出たからといって、

親父か兄貴の刺客が絶対に襲ってこないとも言い切れないので、

これからも、油断は出来ないけどな。




【視点変更】 村上悠馬 (むらかみゆうま 20歳男性)


俺がカーバンクルに転生してから2日が経過。

その間、オレはアルフレッドと様々な話をしていた。


そして分かってきたことなんだが、やっぱりこの世界は、

俺が大好きだった "ゼーラント・クロニクル"と、

様々な面で、システムが共通なようだ。


魔法やスキルなどの種類、その使い方などが全く一緒。

剣などの武器による攻撃で、どの様にクリティカルヒットの入れるか?

など共通面が本当に多い。


ただ・・・


俺が一番驚いたのは、そういった、この世界のシステムの使い方、活かし方を、

このアルフレッドは全くと言って良いほど理解していないことなんだ。


しかも、アルの話を聞いていると、どうも周囲の大人たちも同じようなんだ。



ということで俺は、この少年に、そういったシステムの使い方やジョブの知識について、

一から手ほどきしていくことになった。


けど、そんな中、俺が違う意味で驚いたのは、アルの潜在能力の高さだった。


彼は14歳の若さで、かなりの中級魔法を習得していて、

練習すれば上級魔法も撃てるようになるはずだ。


この周囲は、まだ弱い敵ばかりなので、彼のレベルの上がり方は緩やかだが、

この先、同等以上の敵をドンドン倒して行けば、

物凄い速度で、アルのレベルは上がっていくんじゃないかと思う。

その位の潜在能力を、彼は秘めている。


更に、この世界での魔法は、言葉で魔法名を唱える詠唱魔法が全てのようで、

頭の中でイメージしたり念じたりして発動する無詠唱魔法のことを、

アルは全然知らなかった。


けど、その無詠唱魔法を彼に教えたら、一発でそれを習得しやがったしな。


ハッキリ言って、こいつの能力はマジで凄い。

だから女神も、彼のバディを俺に任せたのかもしれない。



まあ、それについては良いんだが・・・

その一方で、コイツ、海を知らないって、一体どんだけ箱入り息子なんだろう。。


ただ、箱入りって割には、貴族の・・・しかも公爵の息子のくせに、

言葉遣いはなっていないし、ハッキリ言って、全く貴族っぽくない。


まあでも、それって俺が地球に住んでいた時の貴族が基準となったイメージなので、

こちらの世界には、当てはまらないのかもしれないけどな。


何れにしても、女神様の言われた通り、この子をいち早く成長させて、

独りでも十分生きていけるよう、俺も頑張って色々と教えていかないと・・・

第17話を読んでいただき、ありがとうございました!


ついにアルフレッドは、ヴァン・ハールト公爵領を脱出しました!


これまで領都ブレダから出たことすらなかったアルフレッドにとって、ここから先は未知の世界。

そしてユウマがマップを見せたことで、最初の目的地として港町ポールトへ向かうことが決まりました。


それにしても、まさかアルフレッドが「海」を知らないとは(笑)。


後半ではユウマ視点から、アルフレッドの持つ驚異的な潜在能力についても語られています。

ゲームの知識はない。けれど、圧倒的な才能を持つアルフレッド。


そんな彼を、廃ゲーマー・ユウマがどこまで成長させられるのか。


二人の本格的な旅が、ここから始まります。


次回もお楽しみに!

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