カーバンクルのユウマ
【毎日 夜21時10分投稿!】
蒼河遥です。
第10話を読んでいただき、ありがとうございます。
雷に撃たれ、意識を失ったアルフレッド。
そして目を覚ました彼の目の前に現れたのは――
なんと、青いウサギのような可愛らしい生き物でした。
しかも、その生き物は人間の言葉を話し、自らを「ユウマ」と名乗ります。
アルフレッドとユウマ。
二人の出会いが、ここから始まります。
今回もお楽しみください!
500~600メートル先に見える1本の木・・・
オレはそこへ向かって小走りに移動する。
稲光と雷鳴が轟く、怪しい雰囲気の空に、かなりの恐怖を感じながら・・・
ところが突然!!
"バリバリバリ、ズドドォーーンッ!"
強烈な稲光と、鳴り響く轟音、続いてやってくる振動・・・
心臓がバクバクするほどの恐怖。
オレ、決して臆病じゃないはずなんだが、この恐怖心はどうにもならない。
しかも・・・
数百メートル先で燃え盛る木。
そう・・・
今、雷が落ちた場所は、オレが走って向かっていた、あの1本木だったんだ。
その木のテッペンに青白い閃光が突き刺さり、一瞬の後に燃え始めてしまう。
雨が強く降りしきる中、それでも徐々に炎が大きくなっていくんだ。
オレの恐怖心はMAXに・・・
「やべぇ・・・マジやべぇっ!?」
この嵐から身を隠そうとした場所が、一瞬のうちに恐怖の対象と変わってしまい、
オレはこの後、どこに身を隠せばよいのか迷い、うろたえてしまっていた。
そして、そんな時!
"ズドドォーーーーーンッ!"
「ぐわぁぁぁーーーー!」
激しい衝撃!
全身を駆け巡る痛み・・・
なんと、オレの5メートル先にある小さな木に落ちた雷が、
地面を伝って、オレの体を捕らえたんだ。
ただ、その激痛を感じる時間は一瞬で、
オレは直ぐに意識を失い、その場で地面に倒れていったんだ。
「おいアルフレッド!いい加減、そろそろ起きろよ?」
「・・・・」
「お~い、大丈夫かぁ~?」
「・・ん・・・・んん・・・」
「アルフレッド、いつまで、こんな所で寝てるつもりなんだ~?」
「誰・・・?」
「おぉ、起きたか!初めまして、俺はユウマだ!」
「ユウマ・・・?」
誰かの声に起こされて、オレは目を覚ます。
何とも可愛らしい声、でも変な名前・・・
オレは、そのまま上体を起こして、声の主の方を眺めていくと・・・
「うわぁ、カワイイなぁ~!」
そう、オレの目の前に、
見たことも無い、青いウサギのような生き物が居たんだ。
「お前がユウマ?」
「あぁ、そうだ。よろしくな!」
この時オレは、若干違和感を感じてしまう。
だって・・・
目の前のカワイイ生き物が、可愛らしい声で話すくせに、
その口調は、えらく男っぽい感じなんだ。
しかも、ユウマって名前、なんだか変わってるよな。
とにかくコイツ、見た目と声と、その口調がアンバランスすぎるぜ。。
「てかユウマ、お前って一体、何者なんだ?
何で、動物が喋るんだ?」
いきなり目の前に現れたカワイイ生物。
彼が一体どんな存在なのか、オレにはサッパリだ。
「何者かって?そう言われてもなぁ・・・
カーバンクルのユウマとしか言いようがないんだよなぁ。
ここに至るまでの経緯をキチンと話すと、説明がかなり長くなるぞ?」
何だか、彼にも色々と事情があるらしい。
そんな言葉から始まって、
彼はオレに、ここに至るまでの経緯を、一応簡単に説明してくれることになったんだ。
そんな彼の話を纏めると・・・
異世界で雷に撃たれて亡くなり、女神の厚意でカーバンクルって生き物に転生。
でもって、さっきの落雷と共にオレの目の前に降りて来た・・・らしい。
けどオレは、その話の3分の1も理解出来ていない。
だって、女神様とか、異世界とか、いきなり、そんな話を聞かされてもなぁ・・・
ただ、明確に分ったのは、ユウマは元々人間で、
今後、オレが強くなれるようにサポートしてくれるってことだった。
「で、アルフレッド?お前って、得意技は何なんだ?」
「なあユウマ、オレのことはアルって呼んでくれよ。みんなそう呼んでるからさ」
「分かったアル。で、得意技は?」
「オレ、この間の14歳の誕生日に、"ジョブ鑑定の儀"っていうのを受けたんだけど、
宣告されたオレのジョブは、鍛冶士の上位職 "マイスター"なんだってさ」
「えっ、そうなのか!?
女神から聞いているのと、ずいぶん話が違うぞ?
女神はお前のこと、剣と魔法の天才って言ってたんだが・・・」
オレも"ジョブ鑑定の儀"の前までは、そう思っていたさ。
でもなぁ・・・
この時オレは、ひと月半前のあの失意を、再び思い出していた。
第11話を読んでいただき、ありがとうございました!
ついに、もう一人の主人公・悠馬がアルフレッドの前に登場しました。
しかし、その姿は人間ではなく――カーバンクル。
そしてユウマは、女神から聞かされていたアルフレッドの能力と、本人が知っている能力が大きく違うことに気づきます。
果たして、アルフレッド自身も知らない「本当の力」とは?
ここから二人の物語が、本格的に動き始めます。
次回もお楽しみに!




