廃ゲーマー、異世界転生!
蒼河遥です。
第9話を読んでいただき、ありがとうございます。
雷に撃たれ、命を落としてしまった村上悠馬。
そんな彼の前に現れたのは、一人の女神でした。
そして悠馬は、これから始まる異世界での新たな人生について、女神から驚きの話を聞かされることになります。
果たして、悠馬が転生する「ある生き物」とは――?
今回もお楽しみください。
「村上悠馬さん、起きてください・・・」
「ん・・・んん・・・・」
「目が覚めましたか、悠馬さん?」
「ん・・・ここは?」
「そうですね、アナタの世界で言うところの、天国に近い場所かもしれません」
「天国・・・・? ここが?じゃあ、俺って・・・」
「はい、残念ながら悠馬さんは、コンビニに向かう途中、雷に撃たれて・・・」
「・・・そうか・・・死んじゃったのか」
俺が目覚めた場所は、周囲が雲のようなフワフワしたもので浮いている
明るく静かで、そして穏やかな場所だった。
目の前には儚く美しい女性が立っていて、
彼女は俺に優しく話しかけて来る。
この人は女神様?
「はい、私はアナタの世界で言う女神に近い存在と言えましょう」
俺の心が読まれてしまう・・・
「そんな女神さまが、俺にどういった御用で?」
「ええ、村上悠馬さん、アナタは残念ながら
20歳の誕生日を迎えたその日に、雷に撃たれ亡くなりました。
そのあまりに若い年齢での不幸に、神々からは同情の声が寄せられています」
「もしかして、俺、転生出来るとか?」
ゲームだけじゃなく、転生モノのアニメも大好きな俺は、
瞬時にそんなことを思い付いていく。
「それも検討されました。
ただ、残念ながら、人への転生枠は限られており、
今回、悠馬さんはその枠から漏れてしまいました」
「なるほど・・・
じゃあ俺、このまま死ぬんですね?」
女神の声を聞いて、ガッカリするオレ。
けど・・・
「いえ、そこで色々とこちらも検討を重ねた結果、
ある生き物に転生して貰おうと思います」
なんと女神は、俺の想像の斜め上のことを言ってきたんだ。
「ある生き物・・・・
それって、どんな生き物なんです?」
「それは・・・・」
女神は、俺の予想外の生き物を告げてきた。
伝説のあの可愛らしい生き物・・・
それを聞いた瞬間、オレはその生き物への転生に前向きになっていく。
「そして悠馬さん、
アナタはその生き物に転生した後、ある少年を導いて頂きたいのです」
「少年を導く?
オレ、新しい世界の事を全く知らないんですけど、上手く導けますかね?」
「それは安心してください。
新たに悠馬さんが召喚される世界は、
アナタの大好きな「ゼーラント・クロニクル」と同じシステムで成り立っています。
アナタが、あのオンライン・ゲームで培ったノウハウを、十分に生かせる環境なんですよ」
「へぇ~、何か面白そうですねぇ」
俺は女神の話を聞いて、瞬時に興味を持ったんだ。
"ゼーラント・クロニクル"と同じシステムの世界か・・・
「おっ、興味を持っていただけましたか?」
「まあ、そうですねぇ」
「じゃあ、その辺り、もう少し詳細に打ち合わせをした上で、
悠馬さんには新しい世界へ旅立って頂きましょう」
「わかりました」
ということで、俺は女神様とキッチリ1時間半の打ち合わせをした後、
新たな世界へ旅立つことになったんだ。
勿論、俺自身に人間の体が与えられれば、もっと良かったんだけどな。
まあ、それは言っても仕方のないことだ・・・
【視点変更】 アルフレッド (主人公 14歳男性)
14歳の誕生日に行われた"ジョブ鑑定の儀"で、
望まれた魔道士系ではなく、生産系の職を宣告されてしまったオレは、
非情な親父によって、ヴァン・ハールト公爵家を追い出されてしまう羽目になってしまう。
その後、領都ブレダの街の裏道にある武器屋に住み込みで働き、
鍛冶士としての腕を上げていったオレだけど、
ある日、ヴァン・ハールト家からの刺客に襲われることになり、
身の危険と、お店に迷惑が掛かることを考えて、
結局、そのまま領都を離れることにしたんだ。
そんなオレは今、ブレダの街から南に30キロ離れたライデンの町へ向かう最中だった。
実はライデンの町って、過去にも何度か行ったことがあり、
ある程度、道も分かっていたというのがある。
何と言っても、知っている街のほうが、知らない街より、すごく安心感があるんだよなぁ。
けど・・・
今の時刻は14時過ぎ。
日が暮れるまでにライデンに到着するのは難しいかもしれない。
その上、問題がもう一つ・・・
それは天候だった。
オレはライデン町へ向かうため、
領都ブレダの南に伸びる、広大な草原の中の街道を歩いていたんだけど、
時間が経つとともに、快晴で晴れやかだった空が徐々に暗くなってくる。
明らかに雨が降り出す予兆だ。
しかも、結構荒れそうなんだ。
"ゴロゴロゴロ・・・"
「くそっ、雷まで鳴り出してきたか・・・」
ハッキリ言って、オレは雷が嫌いだ。
雷魔法は得意なくせに、自然の雷はマジでダメなんだ。。
自分自身では制御ができない、あの稲光と轟音・・・
オレにとっては、恐怖の対象でしかない。
子供の頃から、お袋や兄貴たちと同じくらい雷が嫌いで、
雷鳴が鳴り響くたびに、部屋のベッドの布団に入り込み、それをやり過ごしたものだった。
勿論、あの頃の恐怖症は、今では少しマシになっていたんだけど・・・
「一旦、あの木の下で休むか・・・」
暗い空からは、雨までポツポツと振り出してきてしまう。
こんな何もない真っ平な草原で、休めそうな場所はあの木の根元くらい。
ただ、この時オレは知らなかった。
雷が鳴る時、木の下というのは、思いのほか危険であるということを。
第10話を読んでいただき、ありがとうございました!
今回は、悠馬が女神と出会い、異世界へ転生することが決まりました。
しかも転生先は、悠馬がやり込んだ「ゼーラント・クロニクル」と同じシステムで成り立つ世界。
そして最後は、アルフレッドにも再び視点が戻ります。
二人の運命が交わるまで、もう少し――。
次回もお楽しみいただければ嬉しいです!




