2/12
〜 2 武道場にて 〜
―― 昼下がり。私とラドニスは邸宅の武道場にいた。
「えい、やぁ!」
武道場に気合の声が響く。
「早速稽古をつけて欲しい」と、ラドニス願い出た。
なかなか良い太刀筋をしている、と褒めてはみたものの、まだまだ未熟な様子だ。
「剣の重さを使うんだ」
二言三言をアドバイスすると、ラドニスは格段に上手くなった。
「あなた、ラドニス君。一息ついたら?」
フィムが冷たい沢の水を木の杯に入れて持ってきてくれた。
「有難い」
私は汗を拭うと、フィムから杯を受け取った。ラドニスも私に倣う。
「あー、生き返る」
ラドニスが勢い良く杯の水を飲み干した。
「よかった」フィムが嬉しそうに微笑んだ。
「ご馳走様でした」
ラドニスは、そう言って杯を戻すと、また素振りを始めた。
星が天に瞬きはじめた。
風が凪いだ。闇の精霊がゆっくりと大地に立ち並ぶ。
大気は夜の呼気に変わっていく。
「では、今日の一日を、平和の神『アリウス神』に感謝しよう」
私は夕食の席で、祈りの言葉を主導した。
夕食は黒パンとシチュー、そしてラパのミルク。色とりどりの鮮やかな色彩がテーブルに並ぶ。
「どんどん食べてね、ラドニス君」
フィムがにこやかに笑った。




