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〜 10 光の精霊 〜
時は深夜を経て、明け方に向かおうとしていた。明け染める空。東の空が白んできていた。
テントの中、ラドニスのペンダントが輝きだした。ラドニスが目覚めた。
「先生、これ……」
ラドニスは驚いてペンダントを外し、右の手のひらの上に乗せた。
「光の精霊だな」
私はペンダントの美しい光に、思わず息を呑んだ。
「こんにちは、おにいさん」
「ラドニス、光の精霊が君に話しかけているんだ。答えてあげなさい」
ラドニスは驚いた様子で頷いた。
「こんにちは、光の精霊さん。ええと……君はどういう方なの?」
ラドニスが尋ねた。
「僕らは、太陽の子なんだ。朝露の精霊だからね。朝のこの時間だけ力が増すのさ」
「君、名前は?」私が尋ねた。
「ウィルだよ」
「ウィル、もっと君のことが知りたいな」
ラドニスがそう言うと、ペンダントの光が揺れた。
「君が、精霊魔法を使えるようにしてあげるよ。僕の輝きを何千倍・何万倍にして相手にぶつけるんだ」
「『閃光』の魔法だね」私が口添えた。
ラドニスが頷く。
「友だちになったシルシだよ」
「ありがとう、ウィル」
ペンダントの光がゆっくりと収っていった。




