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〜 9 旅人について 〜

 このファーガ国には、「旅人」という習わしがある。十六才の誕生日から一カ年の間、親元を離れて旅をするのだ。それは通過儀礼のひとつで、その時を経てはじめて成人だと認定されるのである。


 エール酒などのアルコールの類も、旅人の期間は禁止であり、「旅人」を終えた後の「成人の儀」を行わないと飲むことは出来ない。しかしながら、それは名ばかりの法で、実際には「旅人」の期間中に、酒の呑み方を覚えるというのが正しいだろう。


 また「結婚」も「旅人」の修行を終えてから行えるようになるのであった。


 ラドニスは十四才だが、十三才位から、旅人の準備をすることが多い。今回のように、野営の仕方を覚えたり、旅の料理や、馬――多くは馬の亜種であるラパという動物――の乗り方を教わったりする。


 旅人の習わしは、子どもの期間を経て一人前の成人となるための、重要な習わしなのであった。これは主にファーガ国とその近隣の国で行われている。西の海洋国家リドアや、南西の国リガロなどである。それは旅人の仕事の多くが、「輸送・配達」系の仕事であるのとも関係している。


 旅人は路銀を稼ぐために、本当に様々な仕事を行う。その中に、手紙や物品の配達がある。旅人の多くがこの仕事に就くのは、旅人の習いである「移動」が、輸送・配達の仕事と合致しているからだ。そのため、ファーガ国と割に近い隣国にも、旅人との関連のある店が数多く存在するのであった。


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