六話
霞ヶ浦が、俺の想像していた以上に大きな価値を秘めている。
そのことを知ってからというもの、俺の頭の中にはやってみたいことが次々と浮かぶようになっていた。
魚肥を作り、干物や塩漬けを増やす。姉上の言っていた燻製という保存法も試したいし、高浜の津もいずれは整備したい。舟を増やして霞ヶ浦沿岸のどこに何があり、どのような品が運ばれているのかまで詳しく調べられれば、大掾家にとって新しい力になるかもしれない。
もっとも、思いついたからといって、すべてを一度に始められるわけではない。
「だからね、まず加工場を作るなら———」
「姉上」
「何?」
「その前に、魚をどれほど安定して集められるのか確かめないと駄目だろ」
「それはそうだけど」
「塩だって、どれくらい銭がかかるのか分からない。それに燻製も、姉上は細かいやり方を覚えてないんだろ?」
「……はい」
「なら、まず今ある干物をどこまで増やせるのか、漁師達に聞くところからだ」
「信幹ちゃん、最近ほんと慎重になったよね」
「姉上が勢いだけで話を増やすからだよ」
「つまり私のおかげじゃん」
「なんでそうなるんだよ」
高浜から戻って二日、俺と姉上は朝から父上が使っていた書院に籠もり、高浜で聞いてきた話を一つずつ整理していた。
いや、正確には姉上が思いつくまま話を広げ、それを俺が実際にできそうなものと今は無理なものに分けていた、と言った方が正しい。
「あと貝殻!」
「まだあるのかよ」
「石灰になるかもしれないから!」
「かもしれない?」
「石灰になるのは知ってるの。でも、どう処理するのかがちょっと曖昧」
「なら後回し」
「えー」
「その『えー』で仕事が増えると思うなよ」
姉上が不満そうに頬を膨らませたが、俺は構わず紙へ書き込みを続ける。
もっとも、俺の字は決して美しいとは言えない。父上からは何度も、
『武家の嫡男たるもの、もう少し美しい字を書け』
と叱られていたものだが、今は誰かに見せるための書ではないので、後から自分で意味が分かればそれでよかった。
魚肥については、すでに常陸介が高浜近くの百姓と漁師を集め、小さな試みを始めてくれている。
腐りかけた魚や内臓をそのまま田へ撒くのではなく、草や藁、土などと混ぜてしばらく置き、どの程度なら作物を傷めず肥として利用できるのかを確かめるのだ。
種籾や農具と同じく、まずは小さく試してみる。失敗しても取り返せる範囲で始め、結果が良ければ広げればよい。
「信幹ちゃん」
「何?」
「楽しい?」
「またそれ?」
「だって最近、ずっとそういう顔してるし」
「どんな顔だよ」
「新しい玩具をもらった子供みたいな顔」
「俺はもう十三だぞ」
「十三は子供だよ」
「十五歳に言われたくない」
「私はお姉ちゃんだからいいの」
「二歳しか違わないだろ」
俺がそう言い返した時、廊下の向こうから慌ただしい足音が聞こえてきた。
姉上と顔を見合わせる。
「……誰だろ」
「爺ではないな」
常陸介なら、よほどのことがあっても城内をあんな風に駆けることはない。
ほどなくして襖の向こうから、切羽詰まった声が響いた。
「若殿!」
「入れ」
「はっ!」
入ってきたのは大掾家に仕える若い武士で、かなり急いできたらしく、額には汗が浮かび、息も乱れている。
「何があった?」
「高浜より、急ぎの知らせにございます」
高浜という言葉を聞き、俺は筆を止めた。
「申せ」
「昨日、霞ヶ浦より高浜へ向かっておりました商いの舟が襲われました」
姉上の表情から、先ほどまでの軽さが消えた。
「襲われた?」
「賊か」
「はっ。船頭達の話によれば、十数人ほどが乗った小舟三艘に囲まれ、積んでおりました米や塩、銭などを奪われたとのこと」
「死者は?」
「一人が矢を受けておりますが、幸い命には別状ないとのことでございます」
「そうか」
まず死人が出ていないことに胸を撫で下ろしたが、武士の報告はそれだけでは終わらなかった。
「さらに高浜の者によりますれば、この一件だけではないとのことにございます。先代様が御病に伏されて以降、霞ヶ浦で不審な舟が増えており、これまでは小さな荷を奪う程度でございましたが、先代様が亡くなられてより、日に日に振る舞いが大胆になっていると」
その言葉を聞いた瞬間、胸の奥が重く沈んだ。
父上が病に伏した頃から増え始め、亡くなってからさらに大胆になった。
「それは……海賊ってやつ?」
姉上が尋ねると、武士は少し戸惑いながら頷いた。
「左様にございます。とは申せ、日頃から賊働きだけをしておる者ばかりではなく、普段は漁や舟運をしておる者も混じっているようですが」
完全に略奪だけで暮らしている賊ではなく、漁師や船頭など水辺に生きる者が、機を見て海賊働きにも手を染めているということらしい。
本来なら、そのことも考えなければならなかったのだろう。
しかしその時の俺の頭に最初に浮かんだのは、別のことだった。
「……俺が当主になったからか」
「信幹ちゃん?」
「父上が亡くなって、十三の俺が家督を継いだ。それを見て、大掾家は弱くなったと思われたのだろう」
「若殿、必ずしもそのような———」
報告に来た武士が慌てて否定しようとするが、俺にはそうとしか思えなかった。
「そうでなければ、なぜ父上が亡くなった途端に大胆になる」
もちろん、それだけが理由ではないことくらい分かっている。
父上は長く病に伏していたし、大掾家そのものが昔より弱くなっていることも事実だ。海賊達にも、俺の知らない事情があるのかもしれない。
それでも、新しい当主がまだ十三の子供だという事実が、連中に何の影響も与えていないとは思えなかった。
「……舐められてるってことじゃないか」
姉上にだけ聞こえるよう小さく呟くと、すぐ隣から心配そうな声が返ってくる。
「信幹ちゃん」
「何?」
「その顔やめて」
「どんな顔だよ」
「全部自分のせいだって思ってる顔」
俺は答えなかった。
姉上は昔から、妙なところで俺のことをよく見ている。
「とにかく、常陸介を呼べ。それから高浜の者には、賊どもの根城や数について分かる限り調べるよう伝えよ」
「はっ」
武士が下がっていくのを見送り、俺も立ち上がる。
すると姉上が嫌そうな顔をした。
「信幹ちゃん」
「何」
「まさか、自分で行く気?」
「そのつもりだけど」
「常陸介に任せなよ」
「駄目だ」
「なんで?」
「俺が行った方が早い」
その瞬間、姉上の表情が強張った。
「……それ」
「何?」
「お父上と同じだよ」
そう言われて、俺は一瞬だけ言葉を失った。
「なりません」
その日の午後、事情を説明すると、母上は珍しく俺の言葉を最後まで聞くことすらせず、きっぱりと首を横に振った。
「母上」
「なりません」
普段の母上は声が小さく、何かあればすぐ不安そうな顔をする人だ。父上が戦へ出るたび神仏へ無事を祈り、父上が亡くなってからはさらに顔色を悪くし、ろくに眠れていないことも一目で分かる。
それでも今だけは、いつもの弱々しさを押し退けるように、俺を真っ直ぐ見据えていた。
「海賊の討伐であれば、常陸介殿に任せればよいではありませんか」
母上の傍らに座る姉上も大きく頷いた。
「私もそう思う」
「されど母上———」
「なりません」
「まだ何も申しておりませぬ」
「何を申すかくらい分かっております」
母上に先回りされるとは思わず、俺は少し困ってしまった。
部屋にいるのは、俺と母上、姉上、そして常陸介だけである。葵達にはまだ知らせておらず、特に琴が聞けば、それだけで泣いてしまうだろう。
「常陸介」
「はっ」
「そなたからも信幹に申してください」
母上から頼まれた常陸介は、いかにも困ったという顔で俺を見る。
「若殿」
「何じゃ」
「某も、此度は御自ら出向かれる必要はないと考えております」
「……爺までか」
「当然にございます」
「何ゆえじゃ」
「御当主だからでございます」
常陸介は迷いもなく答えた。
「賊徒が百や二百を集め、明確に大掾家へ戦を仕掛けてきたのであれば話も変わりましょう。しかし今は、根城も人数も定かではございませぬ。それを確かめる段階から大掾家当主御自ら出向くなど、あまりに釣り合いが取れませぬ」
「だからこそじゃ」
「と、申されますと?」
「奴らは父上の死を見て動いたのであろう。父上が亡くなった途端、大掾家が弱くなったと見て、好き勝手を始めた」
「それはあくまで推測にございます」
「されど、あながち間違ってもおらぬであろう?」
俺がそう問うと、常陸介は否定しなかった。
「ならば、新たな当主がどのような者か、奴らに見せねばならぬ。一度許せばまたやるであろうし、それを見た別の者まで同じことを始めるやもしれぬ」
俺は霞ヶ浦で見た高浜の景色を思い出していた。
あれだけ多くの魚が揚がり、舟と商人が行き交う高浜を、俺はこれからもっと栄えさせたい。霞ヶ浦から魚や荷を集め、府中と結びつけ、大掾家の新しい力にしたいと思っている。
しかし、いくら港を整えたところで安全でなければ誰も来ない。
「大掾家の領内へ荷を運べば奪われる。そのような場所へ、誰が好き好んで商いに来る。高浜を栄えさせるのであれば、まず高浜へ来る者を守らねばならぬ」
「それは分かりまする」
「ならば———」
「それでも、若殿御自ら行かれる理由にはなりませぬ」
常陸介は即座に言葉を返した。
「某にお命じくださればよいのです」
「爺が行けば、賊どもは何と思う」
「……」
「十三の若造は城に籠もり、老臣を寄越したと思うやもしれぬ」
「思わせておけばよろしい」
あまりにあっさりと言われ、俺は眉を寄せた。
「それでよいのか?」
「勝てばよろしいのです」
「……簡単に申すな」
「家臣を使うことも、御当主の役目にございます」
「されど———」
「信幹ちゃん」
そこで姉上が割り込んだ。
母上や常陸介の前だというのに、いつものようにちゃん付けである。普段ならすぐ文句を言うところだが、今日はそんな気にもなれなかった。
「何だよ」
「さっきも言ったけど、本当にお父上と同じだよ」
「……」
「お父上もずっと、自分でやった方が早いって言ってた」
怪我が治りきる前に戦へ向かい、熱があっても政務を続ける父上の姿が頭に浮かぶ。
『儂がせねば誰がする』
そう言って無理をする父上を、俺は幼い頃から何度も見てきた。
「でもさ」
姉上の声が少し震える。
「その結果、死んじゃったんだよ。お父上が亡くなって、まだ何日だと思ってるの?」
胸が痛んだ。
それでも、俺にはどうしても引くことができなかった。
「俺と父上は違う」
「どこが?」
「俺はまだ何もしてない」
「……は?」
姉上が怪訝そうに眉を寄せる。
「父上はずっと大掾家を守ってきた。戦って、政をして、家臣にも民にも慕われてた。でも俺は、ただ家督を継いだだけだ」
「信幹ちゃん?」
「姉上の知恵を聞いて、爺や百姓達の話を聞いて、それを少し試しただけじゃないか」
「それで十分じゃん」
「十分なわけないだろ」
つい声が強くなり、母上の肩がびくりと震えたのを見て、俺はすぐに息を整えた。
「……申し訳ございませぬ、母上」
「信幹……」
「されど、今ここで俺が退けば、父上が亡くなったことで大掾家が弱くなったと思わせることになりまする」
「だからといって、そなたが危うきところへ行く必要はありません」
「俺は大丈夫にございます」
そう答えた途端、母上の顔が歪んだ。
言葉を間違えたのだと、すぐに気づく。
「……あなたの父上も、いつもそう申しました」
母上の声は小さかった。
「これしきの傷なら大丈夫だ。次の戦までには治る。少し眠ればよい。儂はまだ動けると、何度も何度も……最後まで、大丈夫だと申しておりました」
「母上……」
「そして、亡くなりました」
部屋が静まり返り、母上の膝の上で握り締められた手が震えているのが見えた。
「もう嫌なのです。夫を亡くしたばかりで、今度は息子まで戦へ送り出すなど……」
その言葉は、思っていた以上に深く胸へ刺さった。
俺だって母上を悲しませたいわけではないし、姉上も、葵も、琴も、幸も守りたいと思っている。
だからこそ、今ここで弱いと思われるわけにはいかないのだ。
「母上」
「……何です」
「必ず戻りまする」
母上がゆっくり顔を上げた。
「その言葉を信じろと?」
「はい」
「何を根拠に」
返事に詰まったものの、俺にとって一番確かな答えは一つしかなかった。
「俺は強うございます」
常陸介が露骨に顔をしかめ、姉上は呆れたように天を仰いだ。
母上だけが、何を言われたのか分からないという顔をしている。
「……信幹ちゃん」
「何だよ」
「今それ言う?」
「事実だろ」
「そういう問題じゃない!」
姉上が声を上げる。
「自分が強いから自分で行くって、その考え方そのものが危ないって言ってるの!」
「でも俺より槍も弓も使える奴、うちにどれだけいる?」
「またそういう———!」
「綾姫様」
常陸介が静かに姉上を制し、それから俺へ向き直った。
「若殿」
「何じゃ」
「御意思は変わりませぬか」
「変えぬ」
「……左様でございますか」
常陸介はしばらく目を閉じていたが、俺が折れる気配がないと悟ったのか、やがて深く息を吐いた。
「されば、条件がございます」
「爺!」
母上が驚いて声を上げたが、常陸介は静かに頭を下げる。
「奥方様。若殿はこうと決められれば、先代様以上に頑固にございます」
「誰が頑固じゃ」
「若殿にございます」
間髪入れずに返された。
「某が止めても、若殿は何か理由をつけて出向かれるでしょう」
「……そこまではせぬ」
「本当に?」
姉上から問われ、俺は少し考えた。
「……たぶん」
「ほら!」
言われてみれば、自分でも少し怪しいと思う。
「ゆえに某も参ります。それから父君の代より戦場を知る精兵を選びまする。若殿が御一人で先へ出られることは、決して認めませぬ」
「分かった」
「戦場では某の指示にも従っていただきます」
「それは……」
「従っていただきます」
「……分かった」
「加えて、御自身の武を過信なされぬよう」
「それは無理だろ」
「若殿」
「冗談じゃ」
半分くらいは本気だったが、それ以上言えばまた話が長くなるので黙っておいた。
母上はまだ納得した様子ではなかったが、常陸介まで同行すると聞いて、少しだけ諦めたように息を吐いた。
「……信幹」
「はい」
「無理はしないと、約束してください」
「約束いたします」
「本当に?」
「はい」
俺は迷わず頷いた。
嘘をついたつもりはない。本当に無理をするつもりなどなかったのだ。
ただ、その時の俺はまだ、自分にとっての「無理」と、母上や姉上達の考える「無理」が大きく違っていることに気づいていなかった。
翌朝、府中城の門前には四十余りの武士が集まっていた。
数だけ見れば決して多くはないが、その大半は父上の代から幾度も戦場を経験してきた者達であり、常陸介によれば、相手が数十人ほどの海賊であるなら十分な兵だという。
俺も具足を身につけ、いつも使っている槍を手にしていた。
「兄上……」
声をかけられて振り向くと、母上の後ろに隠れるようにして琴が立っていた。
小さな手には、何かが大切そうに握られている。
「どうした?」
尋ねると、琴は恐る恐る俺の前まで来て、その手を差し出した。
「これを……」
小さな布袋だった。
形はいびつで、縫い目も少し曲がっている。
「お守りにございます」
「琴が作ったのか?」
「はい……」
俺はそれを受け取り、手の中でそっと握った。
「ありがとう。大切にいたそう」
「必ず……帰ってきてくだされ」
琴の目には今にも零れそうなほど涙が溜まっていた。
「うむ、必ず戻る」
そう答えながら、昨夜母上へ同じことを言った時よりも、その言葉が妙に重く感じられた。
「兄上!」
今度は葵が横から飛び出してくる。
「海賊どもを、ぼこぼこにしてくるのじゃ!」
「葵」
母上がすぐに窘めた。
「ですが母上、悪い者なのでしょう?」
「そういう問題ではありません」
「でも姉上が、戦国時代では舐められたら終わりじゃと申しておったぞ」
「綾!」
「私!?」
突然名指しされた姉上が目を見開く。
「いつそのようなことを教えたのです!」
「前に姉上が、戦国時代は舐められたら終わりって」
「あー……」
「姉上」
「ごめん」
妹に何を教えているのか。
しかし葵本人は母上や姉上のやり取りなど気にも留めず、俺を真っ直ぐ見上げた。
「兄上」
「何じゃ」
「負けるなよ!」
「誰に申しておる」
俺は少し笑いながら、その頭へ手を置いた。
「安心せよ」
「うむ!」
最後に姉上を見る。
姉上は先ほどまで葵と言い合っていたのが嘘のように、心配そうな顔をしていた。
「……何?」
「姉上は何も言わないのか」
「言っても聞かないじゃん」
「まあ」
「だから一つだけ」
姉上は俺の近くまで来ると、声を少し落とした。
「ちゃんと帰ってきて。お父上みたいに、何でも自分でやろうとしないで」
「……分かったよ」
「本当に?」
「たぶん」
「信幹ちゃん!」
「冗談だって」
思わず笑ったが、姉上は笑ってくれなかった。
その顔を見ていると、これ以上軽口を続ける気にもなれない。
「行ってくる」
「……うん」
俺は家族に背を向け、兵達のもとへ向かった。
「若殿」
すでに馬上にいる常陸介から声がかかる。
「参りますぞ」
「うむ」
俺も馬へ跨がると、やがて府中城の門が開いた。
父上が亡くなり、大掾家の家督を継いでから、俺が当主として自ら兵を率いて城外へ出るのはこれが初めてだった。
怖くないと言えば嘘になる。
それでも、政について考えている時のような迷いは不思議なほどなく、頭の中はむしろいつも以上に澄んでいた。
相手がどこにいるのかを探し出し、どう攻め、どう倒すかを考え、高浜を荒らす者が二度と現れぬようにする。
やるべきことが明確になるほど、胸の奥にあった不安は薄れていった。
「……若殿」
隣を進む常陸介が、何か言いたげにこちらを見る。
「何じゃ」
「随分と楽しそうに見えまする」
「そのようなことはない」
「左様でございますか」
常陸介はそれ以上何も言わず、俺も気に留めなかった。
この時の俺にはまだ、自分が戦を前にすると政務の時とはまるで違う顔を見せることも、そんな俺の横顔を見た常陸介が、ほんのわずかに不安そうな目をしていたことも分かっていなかった。
こうして十三歳の大掾家当主、大掾信幹は、初めて自ら兵を率いる戦へと向かった。
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