第十一話 登校二日目で、不良に目をつけられた件
もちろん俺は、不良の三人組を見て後ずさりをする。
「ひっ……!」
「……んっ? てめぇ! 朝の野郎じゃねーかっ!」
うわーーーーーーーっ!! 覚えていらっしゃいましたかーーーーーーーっ!!
後ずさりする俺を見て、座っていた三人組は全員立ち上がった。
その内の一人が、ズイッと一歩前に出る。
「くっくっくっ……読者様のために、俺達の紹介をするぜぇ?」
「何言ってるんですかっ!?」
「あぁ!?」
「いっ、いえっ! お願いしますっ!」
突然紹介を始めたのは、二年生の栄倉先輩。
三人組の中では一番身長が低く、金髪で短髪の男だった。
アニメでしか見たことないような悪人面だよーーーーーーーっ!! 絶対この人が、リーダー格だよーーーーーーーっ!!
二人目は、同じく二年生の美籐先輩。
三人組の中では一番太っており、パンチパーマの男だった。
もういいからーーーーーーーっ!! デブキャラは、拓男一人でいいからーーーーーーーっ!!
三人目は、これまた二年生の篠塚先輩。
三人組の中では一番身長が高く、リーゼントで髭面の男だった。
身長百九十はあるでしょーーーーーーーっ!! バスケでも、始めましょうよーーーーーーーっ!!
そしてこの三人組は、通称恐怖のABCと呼ばれる、新楽高校では有名な不良達だった。
おいーーーーーーーっ!! この作者、恐怖のABC使いすぎだろーーーーーーーっ!!
気になった読者様は、他の作品も見てくださいっ!
おっと、俺もパニックになっておかしなことを思ってしまった。
今は、それどころじゃないっ!
俺は引きつった笑顔で、栄倉先輩に声をかける。
「ちなみに、通行料はお幾らなんでしょ……?」
「財布の中身全部に、決まってんだろうがっ!」
ですよねーーーーーーーっ!!
やばい、やばいぞ……。
今日は帰りに買い物をしようと思っていたから、財布の中には大金が入っているっ!
……逃げるか? いや、もし今日逃げ切ったとしても、先輩達は在校生だ。
新楽高校に通っている以上、明るい未来などないっ……!
あぁ……最初から、詰んでたわ……。
これはもう、おとなしく通行料を払うしかない――。
俺が諦めかけた、その時だった。
「リョータ、何してるの?」
「メッ、メロディ!?」
なんとメロディが、俺の背後から姿を現したのだ。
メロディは場の空気を読まず、俺にスタスタと歩み寄る。
「遅いから、様子を見に来た」
「そっ、そんなに、時間経ってないでしょ……?」
「だって、おなか減ったし」
「わっ、分かったから、ちょっと待っ――」
「――女連れとか、調子こいてんなぁ?」
俺とメロディのやり取りを見た栄倉先輩は、ニヤリと笑った。
頬を、ピクピクさせながら……。
いやいやっ! 彼女でも何でもないですよーーーーーーーっ!!
この子はただの、ルームメイトですよーーーーーーーっ!!
俺があたふたとする中、美籐先輩と篠塚先輩も口を開く。
「しかも、ちょっとかわいいじゃねーか」
「だなぁ」
「ウフ」
「なに色気づいてんのっ!?」
セクシーポーズをとるメロディを見て、俺は思わずツッコミを入れた。
するとメロディが、あることに気がついたのだ。
「んっ? 朝の人達だ。リョータ、戦闘?」
「バッ、バカッ!」
「「「あ……?」」」
戦闘という言葉を聞き、先輩達の表情は鬼の形相に変わった。
そのまま美籐先輩が栄倉先輩を押しのけ、ドスドスと歩み寄ってくる。
両手を、ボキボキと鳴らしながら……。
「戦闘だぁ!? 今から始まるのは、殺戮だよぉ!」
「ひいいっ!」
「俺はよぅ! 彼女いない暦=年齢なんだよぅ!」
知りませんよーーーーーーーっ!! そんなことーーーーーーーっ!!
嫉妬みたいですけど、俺だってそうですよーーーーーーーっ!!
……うん、諦めた。
一瞬メロディに助けてもらおうと思ったが、魔王様とはいえ見た目は普通の女の子。
いくら馬鹿力で魔法が使えるとはいっても、ガチの不良三人組相手に無事でいられるという保証はどこにもない。
仮にメロディが超強かったとして、万が一死人がでたらどうする?
それこそ、人生ゲームオーバーだ。
はぁ……せっかく友達ができたのにな……。
楽しい高校生活も、登校二日目で終わりか……。
明日からは、恐怖のABCにビビりながら日々を過ごすんだろう……。
俺がポケットに手を差し伸べた、その時だった。
「私がだめなら、リョータがすればいい」
「えっ?」
メロディが俺の左肩に右手をポンと置き、軽く微笑んだのだ。
それと同時に、メロディの右手がブオンと黒色に輝く。
「なっ、何を……?」
「リョータに、私の魔力を少し上げた」
「魔力……?」
「リョータ、強くなった。人間ごときには、負けない」
マジすか。




