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第2章 穏やかな朝

第2章 穏やかな朝


朝は、アンドレイにとって珍しい感覚――軽やかさとともに訪れた。


彼はとても良い気分で目を覚ました。不安もなければ、戦いもない。


階下へ降りると、ドレイクとリザが朝食をとっているところだった。


「もうお目覚めでございますか、主様」


執事は落ち着いた声でそう言った。


「よく眠れましたか?」


リザが微笑みながら続ける。


アンドレイは席に着き、並べられた食事を見渡して満足げに頷いた。


「最高だ。こんなに休めたのは久しぶりだ」


しばらくの間、三人は静かに食事を続けたが、やがてアンドレイが口を開いた。


「建築はどうだった?」


ドレイクはすぐに答えた。


「すべて完璧に進みました。私自ら工程を監督し……彼らの技術の大半を習得いたしました」


アンドレイは眉をわずかに上げる。


「習得した?」


「はい。これで必要とあらば、我々だけで建築が可能です」


アンドレイは軽く笑った。


「それはいいな。つまり……いつか自分たちの城も建てられるってことか」


リザとドレイクは顔を見合わせ――ほぼ同時に言った。


「それは素晴らしい考えです」


アンドレイは笑い出し、手をひらりと振った。


「落ち着け。冗談だ」


だがその視線には、一瞬だけ思案の影がよぎった。


朝食を終えると、彼は庭へ出た。朝の空気は澄んでおり、そよ風が葉をわずかに揺らしている。


そのそばに、リザが現れた。


アンドレイは彼女に視線を向けた。


「悪魔の監視はどうだった?」


リザは落ち着いて答えた。


「問題ありませんでした。反抗や周囲への攻撃の兆候は一切ありません」


アンドレイは満足げに頷いた。


「いいな」


彼は一瞬考え込み、そして言葉を続けた。


「なら、今のところお前に任務はない。休んでいい」


リザはわずかに微笑んだ。


「もう十分に手持ち無沙汰でしたから」


アンドレイは少し考え込んだ。


暗い裂け目……


「ふむ……」


彼は彼女を見た。


「なら、暗い裂け目を確認してこい」


リザは頷いたが、アンドレイはふと眉をひそめた。


「待て……すぐにそこへ行ける使い魔はいるのか?」


リザは少し驚いたように答えた。


「いいえ。ドラゴンに使い魔は必要ありません。どこへでも自力で行けます」


アンドレイは黙り込んだ。


それでは不十分だった。


「いや」


彼は首を振った。


「ドラゴンの姿であちこち飛び回るのはだめだ。目立ちすぎる」


リザはわずかに首を傾げた。


「では?」


アンドレイは手を差し出すと、空中に淡く光る魔法陣――ルーンが形成された。


「召喚のルーンをやる」


彼はそれをリザに渡した。


「人の多い場所では、これで移動しろ。無駄に目立つな」


リザはそのルーンをじっと見つめ、やがて頷いた。


「承知しました」


アンドレイは両手を背中に回し、遠くを見つめた。

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