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第38章 ダンジョン・ドラゴン・過去の秘密

第38章 ダンジョン・ドラゴン・過去の秘密


アンドレイは暗いダンジョンへとゆっくり降りていった。

姿はアウローラ――金色の髪を持つ身長2メートルの女戦士。その身体からは圧倒的な力が滲み出ている。


巨大な力を感じながら、彼はさらに奥へと進み、ダンジョン100階層へ到達した。


そこで彼の前にドラゴンが現れた。

鈍い金属のように光る鱗、そして古代の怒りを宿した瞳を持つ巨大な存在だった。


アンドレイは暗い広間の端で足を止める。ドラゴンの目と視線が交わり、一瞬呼吸が止まる。


「――何者だ、我が領域に数千年ぶりに踏み込むとは!!」


轟音のような咆哮と共に、空間そのものが渦を巻いた。


アンドレイは瞬きをしなかったが、頭の中で思考が走る。

「ダンジョン……ここでは魔法が通常通り機能していない。理性ある存在は言葉を発せないはずだ……なのに、喋っている!」


冷静さを保ったまま、彼は即座に防御と加速の魔法を発動した。

炎の奔流が直撃するが、魔法障壁が辛うじてそれを受け流し、爆風が彼を後方へ吹き飛ばす。


「お前は何者だ!!」

体勢を立て直しながら叫ぶ。

「そして……お前は6000年前の世界を覚えているのか!?」


ドラゴンは攻撃を止めず、爪で岩壁を深く抉りながら突進する。

その一撃一撃が致命的で、尾の一振りすら試練だった。


「我は……」ドラゴンは怒りに満ちた咆哮を上げる。

「我は、どれほど時が流れたのかも知らぬ!覚えているのは断片のみだ……古き大地、声、破壊……世界は変わり、我だけが残った!」


炎が放たれる。アンドレイはそれを魔法障壁で受け止めながら一歩前へ出る。


「ダンジョンは本来、理性ある存在を許容しないはずだ!なのにお前は“思考し、話している”!」


ドラゴンは一瞬動きを止め、翼を大きく広げる。


「あるいは……我はここに縛られているのか、それとも選ばれたのか」


「ならば教えろ!」アンドレイが叫ぶ。

「記憶のすべてを!」


「人が世界を創り……魔法が生まれ……最初の帝国が戦争を始めた……」

ドラゴンの声は深く、遠い。

「だが詳細は砂のように消えていく……あまりにも昔のことだ」


再び激突。


アンドレイは瞬時に姿をエルフへと変える。機動性を最大化するためだ。

光の矢を連続で放ち、ドラゴンの動きを封じようとするが、翼の一振りで全てが弾かれる。


圧力が増していく。


彼はすぐに再び姿を変えた――アウローラへ。

力と防御を最大化する形態。


魔力を纏った斬撃と槌撃が、爪と鱗と衝突し、閃光と轟音が広間を満たす。


「貴様は一個体にしては強すぎる……」ドラゴンが呟く。

「そしてお前は……諦めなさすぎる!」


「だからこそ、情報を吐かせる!」アンドレイが返す。


決着の瞬間。


アウローラは空へ跳び上がり、風を裂く速度でドラゴンの胸部へ一撃を放った。


衝撃。


巨体が崩れ落ち、地面を揺らす。鱗には深い亀裂が走っていた。


ドラゴンは膝をつき、荒い呼吸を繰り返す。

その瞳には、怒りではなく“理解”と“敬意”が宿っていた。


やがて、ドラゴンの身体は霧のように消えていく。


残されたのは、静寂だけだった。


そして彼の手に残ったもの――それはアミュレットだった。

淡く内側から光を放ち、まるで生きているかのような存在感を持つ。


アンドレイはすぐにその力を理解する。

これは魔力を50%も遮断する異常な性能を持つ遺物だった。


「……興味深い」

指で刻印をなぞりながら呟く。

「この世界で、明確に“異常”と言える初めての物だ」


ダンジョンの外へ出ると、風と太陽光が彼を迎えた。


アンドレイは理解していた。

この戦いは単なる勝利ではない。


――この世界が、想像以上に“歪んでいる”という証明だった。

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