表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
71/132

第31章 氷の国へ

第31章 氷の国へ


アンドレイはフロストガルドへと近づいていた。冷たい風は次第に弱まっている。


山々は少しずつ開け、北方国家の荒涼とした大地が姿を現し始めていた。


そのとき、彼の意識に馴染みのある声が響いた。


— やっとか……


アンドレイは足を止める。


彼に接続してきたのは、古の氷竜だった。


一気に情報が流れ込んでくる。


報告、観測結果、偵察ルート。


アンドレイは口を挟まず、ただ静かに受け取る。


時折、小さく頷くだけで、それはまるで目の前に相手がいるかのようだった。


やがて通信が薄れていく。


彼はゆっくり息を吐いた。


— 北部の山脈には異常なし……


そう呟く。


状況は明確だった。


西側の山岳地帯は比較的穏やかだ。


標高はおよそ四千メートルほど。


険しい山というよりは、緩やかな丘陵の連なりに近い。


一方、東側は複雑だった。


低い岩山から雲を突くような巨大な峰まで、地形は激しく変化している。


その中に——巨大な峡谷がある。


— そして地下迷宮……


アンドレイは眉をひそめた。


東部にはいくつかの古代ダンジョンが確認されていた。


最北端。


そこにはほとんど何もなかった。


— 何もない……ただ海だけだ。


広大な氷の海。


生命の痕跡はない。


ただ冷たさと風、そして空虚だけが広がっている。


— ありがとう。もう自由にしていい。


彼は静かに通信を切った。


装備を整え直し、背後の山脈を一度だけ振り返る。


そして迷いなく前へ進んだ。


その先には——都市が待っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ