第28章
第28章
一行は酒場に座り、温かいビールを味わいながら今後の計画について話していた。
「ここに住むつもりですか?」
リザが慎重に尋ねた。
アンドレイは店内を見回し、軽く笑って頷いた。
「そうだな……ここは悪くない」
彼は心の中で思う。
――貴族の悪魔がいなくなってから、ずいぶん住みやすくなったな。
「決まりだ」アンドレイは言った。
「家が必要だ」
一行は住居を探し始めた。
しかし街の中心での購入はすぐに却下された。
耳も目も多すぎる。アンドレイには秘密が多すぎた。
商業ギルドに向かい、城壁の外にある家々を見て回る。
ドレイクは一軒ずつ厳しく評価した。
「この程度の家に、主人は住めません」
彼の声は冷たく、視線は鋭い。
リザが提案した。
「東側の小さな家はどうでしょう? まずはそこに住んで、後から大きな家を建てればいいかと」
その案は全員に受け入れられた。
アンドレイは微笑む。
「俺は建築はできないし……悪魔も同じだな」
そしてリザに視線を向けた。
「そういえば、お前……あの裂け目の近くで冬を過ごしてたよな? どこでだ?」
リザは一瞬固まり、あの簡素な小屋を思い出した。
「……あまり思い出したくありません」
アンドレイは深く息を吐いた。
彼女がどれほど不便な環境で一人過ごしていたのかを理解し、素直に言った。
「すまない。気づけなかった」
リザは小さく微笑み、首を振る。
「竜の姿の時は、そもそも家なんて必要ありませんでしたから」
一行は小さな家と広い土地を購入した。
アンドレイは未来の家を想像しながら、その場所を見渡した。
「ドレイク」彼は言った。
「建築会社を探してくれ」
さらに続ける。
「工事の監督も頼む。俺はしばらく旅に出る」
ドレイクは静かに頷いた。
「すべて管理いたします、主よ」
その目はすでに全工程を計算しているかのようだった。
その後、アンドレイはリザを別室へ呼んだ。
二人きりになる。
「リザ」彼は真剣な声で言った。
「もう一つ頼みがある」
リザは少し緊張する。
「俺がいない間、ドレイクを見ていてほしい」
沈黙。
「もし彼が何か企んでいるようなら……すぐ止めろ。手段は問わない」
リザの表情がわずかに曇った。
「……つまり、私は一緒に旅には行けないのですね」
アンドレイは頷く。
「これは命令だ。重要な任務だ」
リザはゆっくり息を吐き、拳を握った。
そして静かに頷く。
「わかりました。ドレイクは私が見ます」
アンドレイは彼女の肩に軽く手を置いた。
「信頼している」
リザは小さく笑った。
その目の奥には、少しだけ寂しさが残っていた。




