第24章
第24章
春の訪れとともに北部地域は雪解けを迎えていたが、英雄はすでに大陸南部に拠点を構えていた。
そこは柔らかな丘と肥沃な大地が広がる土地で、彼は小さな個人住宅を購入していた。
それは大邸宅のような壮麗なものではなく、むしろ落ち着いた、整った、居心地の良い家だった。
淡い石造りの壁に木の梁が組み合わされ、屋根は温かみのある瓦で覆われている。
窓には彫刻の施された枠があり、そこから柔らかな陽光が差し込んでいた。
アンドレイは庭の小道を歩きながら、あらゆる香りと色を楽しんでいた。
庭の守護妖精が静かに彼のそばを漂い、その翼は緑と金色の光を揺らめかせている。
彼女の手がそっと葉や花を整えるたび、まるで自然そのものが彼女に従っているかのようだった。
「見てください」と彼女は葡萄のアーチを指差した。
ちょうど初めての房が実り始めているところだった。
「この品種なら、本当に収穫祭が開けますよ」
アンドレイは微笑みながら、太陽へ伸びる薔薇の茂みを見つめた。
それはまるで、世話に応えるかのように空へ向かって伸びていた。
彼は小さな池の周りを歩いた。
水面はガラスのように輝き、数匹の錦鯉が睡蓮の間をゆっくりと泳いでいる。
「妖精、本当にこれ全部ここで育つと思うか?」と彼は少し冗談めかして言った。
「育ちます」と彼女は微笑んだ。
「この庭は普通ではありません。あなたが魔力を注ぎ、私はそれを導いているだけです。ここでは一枚の葉も、すべてあなたの気配を感じています」
アンドレイはジャスミンの枝に触れ、その甘い香りを吸い込んだ。
不思議なほどの静けさが胸に広がる。
背後にある小さな家は、まるで庭の一部のように馴染んでいた。
木の梁と彫刻された窓は緑と花々に調和し、玄関からは庭全体と白い石畳の小道、東屋が見渡せる。
彼はベンチに腰を下ろした。
妖精は花壇の上を静かに舞い、魔力の粒を散らして花弁を陽光にきらめかせた。
アンドレイは目を閉じ、この珍しい休息を味わった。
この南の静かな場所では、時間すら緩やかに流れているようだった。
その時、鋭いテレパシーの波が彼の意識を貫いた。
「――主様!」リザの声が直接頭に響いた。
驚いた拍子にカップを落としそうになり、紅茶がテーブルにこぼれた。
温かい液体が木の表面に染みを広げる。
隣にいたドレイクはまったく動じていない。
ただ冷静に状況を見つめていた。
「何が起きた?」と彼は淡々と尋ねた。
「休暇は終わりだ」とアンドレイは息を整えながら答えた。
「北へ戻る」
妖精は家と庭を守るように残り、彼らの不在中も庭の魔力を保ち続けることになった。
出発前、アンドレイは様々な果物を買った。
真紅の林檎、黄金色の桃、瑞々しい葡萄。
その香りは南風と混ざり合い、穏やかな日々への名残のように漂っていた。
彼らはすぐに飛び立った。
ドレイクの黒いフェニックスはほとんど音もなく空を切り裂き、アンドレイの使い魔もその横を並走した。
速度は圧倒的だった。
普通の旅人なら数週間かかる距離を、彼らは一日で駆け抜けた。
そして夕暮れが近づいた頃、北の大地に黒い裂け目が現れた。
そこは霧に包まれ、まるで土地そのものが警告しているかのように不穏な気配を放っていた。




