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第23章

第23章


幽霊を倒した後、一行は村に長く留まらず、報酬の受け取りも行わずに川辺へと向かった。

英雄たちは静かに歩き、そよ風と川の音を楽しんでいた。


川岸にはすでに地元の人々が集まり、興味深そうに旅人たちを見ていた。

アンドレイは彼らのもとへ歩み寄り、微笑みながら話しかけた。


「いい場所ですね」

彼は広い川と緑の岸辺を見渡しながら言った。

「川も大きくて開けている……ここに船着き場を作ればいい。そうすれば村は発展し、交易も活発になり、人々の生活も豊かになるはずだ」


村人たちは顔を見合わせた。

誰かは考え込みながら頷き、誰かは興味深そうに微笑んだ。

その発想は新鮮で、魅力的に思えた。


ドレイクはいつも通り冷静に周囲を観察し、不測の事態に備えていた。


「そうかもしれないな」と村人の一人が言った。

「検討してみよう」


川を進みながら美しい景色を眺め、アンドレイは地図を取り出して進路を確認した。

川は緑の丘や森の間を蛇行し、太陽の光を反射していた。

岸辺には小さな村や漁師の家が点々と見えた。


やがて、地平線の向こうに南西帝国の壮麗な首都――シルデンが姿を現した。

その塔は陽光に輝き、港には船や荷を積んだバージがひしめいていた。

しかしアンドレイの目的地はそこではない。彼らは首都を避け、さらに南へ向かう必要があった。


「飛行使い魔に乗り換える必要があるな」と彼はドレイクに言った。


アンドレイは合図を送り、自身の使い魔を呼び出した。


「ドレイク、お前にも使い魔はいるのか?」


「あります」と執事悪魔は静かに答えた。


次の瞬間、空気が収縮し、黒い影が彼の背後に現れた。

それは黒きフェニックスだった。


漆黒の羽は紫の光を帯び、魔力の残滓を反射しているようだった。

翼は優雅に広がり、空気が震えるほどの力を秘めていた。

それは高速かつ無音での飛行に特化した存在だった。


「準備完了です」とドレイクはその背に乗りながら言った。


アンドレイも自分の使い魔に乗り、地図を再確認しながら深く息を吸った。


「南へ」と彼は言い、二体の使い魔は空へ舞い上がった。


大陸の最南端に到着すると、彼らは小高い丘に降り立った。

そこからは広大な果樹園が一面に広がり、南風に揺れていた。

川はゆるやかに曲がりながら、太陽の光を反射していた。


アンドレイは使い魔から飛び降り、伸びをしながら深呼吸した。

土と果実の香りが漂っている。

ドレイクも静かに着地し、黒いフェニックスは翼をたたんで消えた。


「主様」とドレイクが周囲を見渡しながら言った。

「ここが目的地ですか?」


「そうだ」とアンドレイは微笑んだ。

「ここが目的の場所だ」


ドレイクはわずかに眉をひそめた。


「しかし……ここには何もありません。国家としても未発達です。南部は果物の栽培だけで成り立っています。なぜここを?」


アンドレイはゆっくりと川と畑を見渡した。

陽光が農地を照らし、穏やかな風が流れている。


「俺たちは渡り鳥みたいなものだ」


「意味が分かりません」とドレイクはわずかに顔をしかめた。


「簡単なことだ」アンドレイは答えた。

「冬を越すために南へ来た。それだけだ。静かで、落ち着いていて、余計な騒がしさもない。こういう場所でこそ、ゆっくり過ごせる」


ドレイクは黙って遠くの地平線を見つめた。

その厳格な瞳の奥に、わずかな肯定の色が浮かんでいた。


確かにこの場所は、休息と力の回復、そして次の冒険への準備にふさわしい。


「悪魔は南へ渡るものなのか?」

アンドレイはふと尋ねた。


「ここは静かで、安全です。観察も行動も、余計な騒ぎなく可能です。私はこの場所を気に入りました」

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